2026年 誕生日スペシャル 今伊亮編「真剣勝負の一杯」
誕生日だからといって、何かが大きく変わるわけではない。部活はいつも通り始まり、音はいつも通り流れ、放課後も気づけばいつも通り終わっていく。
ただ、その「いつも通り」の中に、少しだけ余計な思考が混ざる日がある。
今伊亮にとってのそれは、音楽でも、人でもなく——
今日もまた、彼の頭の中は忙しい。
ある日の部活。
今伊亮が音楽室に顔を出す時間は、いつもだいたいちょうどいい頃合いだ。早すぎることもなければ、最後になることもない。部の流れに、自然と収まる位置。
扉を開けると、音楽室の中にはすでに数人の部員が集まっていて、譜面台を囲みながら何かを相談している。
「お疲れ」
今伊が声をかけると、何人かがこちらを向いて軽く手を上げた。
「お疲れっす」
「今伊先輩、ちょうどよかったです」
それだけで会話は途切れず、また元の話題に戻っていく。今伊はそれを気にするでもなく、視線を室内に巡らせた。
——いた。
音楽室の奥、窓際。
そこだけ、少し空気が違う。
月本響は、誰とも言葉を交わさず、黙々とユーフォを吹いていた。音量は控えめなのに、不思議と輪郭がはっきりしている音。
合奏でもなく、誰かに聴かせるわけでもない。ただ、そこに音がある。
今伊は一瞬だけ足を止める。でも特別な感想は浮かばない。「すごい」と思うのも、もう今さらだった。
なんでもできる人。それが、今伊の中での響だ。
視線を戻し、今伊は自分の定位置へ向かう。バックを床に置き、指先で弦を軽く確かめながら、ふと無意識に空中をなぞるような動きをした。
——今日も、いつも通りの部活だ。何も変わらない。そう思いながら、今伊は静かに準備を始めた。
チューニングを終え、弓を置いたところで、今伊の横に影が落ちた。
「今伊先輩」
振り向くと、コンバスを抱えた永井が立っている。一年生。同じ低音パートで、最近ようやく音が安定してきたところだ。
「どうしたの」
「ここのフレーズなんですけど……ここ、もう少し重くした方がいいですか?」
譜面を指しながら、永井が少しだけ首を傾げる。今伊は譜面を一度見てから、永井の構えに視線を移した。
「音は悪くない。けど弓、今より少しだけ弦に預けてみて」
「……こうですか?」
「うん。そのくらい」
短いやり取り。それだけで、音は少し落ち着いた。
永井は何度か弾き直してから、小さく息を吐く。
「やっぱり、まだ安定しないですね」
「最初はそんなもんだよ」
今伊はそう言って、自分のコントラバスに指を置いた。
「無理に出そうとしなくていい。ちゃんと聴いてれば、音は勝手についてくる」
永井は一瞬考えてから、こくりと頷いた。
「……はい」
それ以上、言葉は続かない。
でも、それで十分だった。
今伊は弦を軽く鳴らしながら、永井の音を耳の端で追う。大きな問題はない。今日も、ちゃんと前に進んでいる。
——悪くない。
そうして全体合奏は、いつも通り始まった。
今伊は弓を構え、譜面に視線を落とす。指も動きも、特に問題はない。音も出ている。自分なりに、いつも通り。
瞬崎の声が飛ぶ。
「前に出すぎないで、下で支える意識を持ってください」
(……下で支える)
今伊の脳裏に、なぜか「支える」という言葉だけが残った。
「今のフレーズ、もう少し滑らかに繋げて」
(滑らか……)
音は音だ。分かっている。分かっているはずなのに、頭の中で別の映像が勝手に動き出す。
(繋がり、大事だよな……)
「重さはあるけど、硬くならないように」
(硬いのはよくない)
「角を立てない。丸く包む感じで吹きましょう」
(丸く……包む……)
今伊は真顔のまま弾いている。外から見れば、いたって真剣な低音奏者だ。
しかし内心では、全く別の会議が始まっていた。
(……これは、だいぶ完成度高いな)
何が、とは言わない。
「低音が落ち着くと、全体が見えてくる」
(全体のバランス……)
今伊はほんの一瞬、視線を譜面から外した。空中を見つめながら、無意識に頷く。
(なるほど……)
「コントラバス——」
声がした。
気はした。
だが、今伊の意識は戻ってこない。
「——今伊君?」
(あ、替え玉……いや)
「今伊君、今の入り」
(入り、重要だよな……)
すると肘に、こつんと衝撃。
「先輩?」
永井だった。
「……先生、呼んでますよ」
「えっ?」
今伊ははっとして顔を上げる。指揮台の瞬崎が、無言でこちらを見ていた。音楽室は、完全に静まり返っている。
「……すみません」
反射的に頭を下げる。
「今のフレーズ、もう一回」
「はい」
弓を構え直しながら、今伊は思った。
(……集中してたはずなんだけどな)
少し遠くでは若田が必死に笑うのを堪えているのが視界の端に映った。
全体合奏が終わり、音楽室には片付けの音が戻ってきた。譜面を閉じる音、ケースの留め具が鳴る音。いつもの放課後だ。
今伊もコントラバスを立て、弓をケースに収めていると、背後から声が飛んできた。
「今伊君」
振り向くと、久瀬と若田が並んで立っていた。
「また、変な顔してたよ」
「ラーメンのこと考えてたでしょ?」
「ち、違うけど!」
即答だった。
否定の勢いだけは完璧だったが、今伊自身が一番分かっている。
頭の中は、さっきからずっと落ち着いていない。
「ほんとかなぁ」
若田がにやにやしながら覗き込んでくる。
「今伊君、集中してる時ほど分かりやすいんだよ」
「……それは、音楽の話だから」
そう言い切ったはずなのに、視線が一瞬泳いだ。
「ラーメン?」
横から、少し戸惑った声。永井と来島、さらに何人かの後輩が会話に割り込んできていた。
「どういうことですか?」
「なんで急にラーメンの話になるんですか?」
久瀬が、ああ、と手を打つ。
「言ってなかったっけ?」
そして、当たり前のことのように言った。
「今日、今伊君の誕生日なんだよ」
「えっ」
「そうなの?」
小さなどよめきが広がる。
「でさ、誕生日になると、すぐラーメン脳になるから」
「ラーメン脳って、どんな表現だよ」
香久山が即座に突っ込む。
「いや、事実でしょ」
「事実じゃないです」
今伊はきっぱり否定した。
……否定したが、頭の中では完全に否定しきれていなかった。
「まぁ、せっかくだし」
久瀬が、急に声を弾ませる。
「今日はみんなでラーメン食べに行こうよ!」
一瞬、音楽室が静まり返る。
「……部長?」
「なんでそんなにテンション高いんですか」
「自分の誕生日でもないのに」
誰もが同じことを思っていた。
「いいじゃん!お祝いって楽しいでしょ!」
部長らしからぬ、やけに楽しそうな声。
今伊は、困ったように笑いながら思った。
(……なんで僕より盛り上がってるんだ)
みんなでラーメン行こう!!
——という勢いの割に。校門を出て少し歩いたところで、今伊は後ろを振り返った。
「……結局、四人か」
並んでいるのは、今伊、若田、香久山、久瀬。全員、同じ三年生。顔ぶれとしては、ずいぶん落ち着いている。
「まぁ、こんなもんでしょ」
香久山が肩をすくめる。
「この時期、みんな何かしら用事あるしな」
ちらりと久瀬を見る。
「それに、久瀬」
「なに」
「さっきのテンション、ちょっと強すぎ」
「はぁ!? 私、関係ないでしょ!」
「関係なくはない」
若田が淡々と言う。
「部長が一番はしゃいでた」
「お祝いって楽しいじゃん!」
「楽しいけど、度がある」
今伊は苦笑して言った。
「……正直、ほぼ部長のせいだと思うな」
「今伊君まで言う!?」
抗議の声を背中で聞き流しながら、今伊は足を進める。
人数は少ない。
でも、気を遣わなくていいメンバーだ。
「で、どこ行くんだ?」
香久山が聞く。
「うーん。この近くでまだ言ってない所は...あ、あった。結構新しめだ」
今伊はスマホを見ながら呟いた。
「この先だ」
角を曲がった先、通りの向こうに、暖色の灯りが見える。
——らあめん 桜。
「へぇ」
「こんなところにラーメン屋ってあるんだな」
「老舗っぽいけど」
「僕も知らなかったよ。結構最近にオープンしたところだって」
「……静かで、落ち着きそう」
今伊はそう言って、自然と歩幅を速めた。
寒い夜だった。
でも、この四人なら、悪くない夜になる。
暖簾をくぐった瞬間、ふわりと、湯気と一緒に匂いが広がった。
鶏ガラと醤油が混ざった、少し甘い香り。
外の冷えた空気が一気に押し返される。
「……あ、いい匂い」
久瀬が小さく声を漏らす。
店内は思ったよりも静かだった。
カウンターが数席、奥に四人掛けのテーブルがひとつ。
壁には色あせた短冊メニューと、少し年季の入った写真。
「落ち着いてるな」
香久山がそう言いながら、無意識に声を落とす。
「この時間は、どこもこんな感じだと思うよ」
今伊はそう答えて、足元の床を見た。
油で滑らないよう、何度も拭かれた跡が残っている。
厨房の奥から、湯切りの音が響いた。
——シャッ、シャッ。
それだけで、腹が鳴りそうになる。
「……これは期待していいやつ」
若田が短く言う。
今伊は、少しだけ口元を緩めた。
この匂いと音。
この静けさ。
——やっぱり、間違っていない。
「いらっしゃい」
低く落ち着いた声が、店の奥からかかった。
四人は自然と足を止め、視線を向ける。
「四人か」
厨房から、店主が顔を出した。
白い帽子に、少し色の抜けた前掛け。
「しかも学生さんか。珍しいな、こんな時間に」
四人を順に見て、軽く眉を上げる。
「この時間はあんまり来ないからな」
香久山が一瞬だけ戸惑ってから、会釈する。
「すみません、遅くに」
「いやいや」
店主は手を振った。
「ほら、こっち。奥、使いな」
そう言って、カウンター脇を抜け、壁際の四人掛けのテーブルを指す。
椅子が四つ、きっちり並んでいる。
「詰めれば大丈夫だろ」
「ありがとうございます」
今伊が一歩前に出て礼を言う。
四人は言われるまま、順に席へ向かった。木の椅子が、わずかに軋む音を立てる。暖房と湯気で、眼鏡が少し曇る。
外とは別の時間に足を踏み入れたような感覚だった。
そして四人はテーブルにつき、それぞれメニューを手に取った。紙は少し厚めで、角が丸くなっている。ラミネートではなく、何度も使われてきた跡があるタイプだ。
「意外と種類あるな」
若田がページをめくりながら言う。
「王道っぽいのと、変化球が半々って感じ」
香久山も頷きながら、指で文字を追っている。
「私は普通に醤油かなぁ」
久瀬はあっさり決めた様子で言った。
「こういう店は最初、基本いっとく派」
「分かる」
若田が同意する。
「下手に冒険して後悔するよりな」
三人がそんな会話をしている間、今伊は一言も発していなかった。
メニューを、じっと見つめている。それも、なんとなく眺めているのではない。
ガン見だった。
(……なるほど)
ページの上から下まで、視線を何度も往復させる。
(麺の太さ、スープの系統、トッピングの組み合わせ……)
頭の中で、勝手に情報が整理されていく。
(僕はこれまで古今東西、森羅万象、日本各地のラーメンを食べ尽くしてきた。豚骨、醤油、味噌、塩。札幌、喜多方、博多、尾道、徳島。チェーンも個人店も、屋台も深夜営業も全て。いわば――)
今伊は、真顔のままメニューを見つめ続ける。
(ラーメンのプロ)
誰にも言ったことはない。
言うつもりもない。
(そして、この店。最近できたって聞いて、ずっと気になってた)
外観は控えめ。立地も派手じゃない。
それでも、こうして今も続いているということは——。
(誕生日か。ま、せっかくの今日という日だ。果たしてここの一杯は、僕の舌を満足させてくれるかな?)
表情は、相変わらず静かだった。しかし内心では、完全に審査が始まっている。
「……今伊君?」
若田が、少し不思議そうに声をかけた。
「さっきから黙ってるけど」
「決まった?」
今伊は、ゆっくりと視線を上げた。
「……いや」
短く答える。
そして、もう一度だけメニューに目を落とした。
(焦る必要はない。これは、真剣勝負だ)
頭の中では、すでに実況が始まっていた。
(よし……まずはスープのベースから確認だ。醤油、塩、味噌、豚骨……ほう、ここは基本を押さえているな。
麺の太さ……写真を見る限り少し太麺か?スープとの絡みは良さそうだ。
トッピング……チャーシューは厚切り。メンマの味付けは王道。ほう、ほう……。
でも油の量は……少なめ。夜食向きか?いや、誕生日だから多少冒険してもいいか)
脳内の実況は止まらない。まるでスタジアムで野球を見ている解説者のように、スープの香り、麺の食感、器の温度まで全て分析される。
(むむ……カウンターの配置、座る位置によって湯気の立ち方も変わる……視覚的満足度も重要だ。
卓上の調味料……七味か。アクセントになるな。誕生日なら少し足してもいいだろう)
心の中で時間をかけ、すべてをシミュレーションした。口に運ぶ一瞬の温度、最初のスープの香り、麺とスープの絡み……全てを想像する。
(よし、決まった。……味噌だ)
濃厚だが、重すぎない。
香りは強いが、麺に負けない。
トッピングもバランス良し。
誕生日にふさわしい、至高の一杯。
全員のメニューが決まると香久山が呼び出しボタンを押す。
「今行きますね!」
店員の声がテーブルまで届いた。
少しすると、店員の男性が出てきた。
「ご注文はお決まりですか?」
香久山がすぐに口を開く。
「醤油ラーメンで。チャーシュー多めでお願いします」
久瀬も続く。
「私は塩ラーメン。卵は半熟で、野菜多めにしてください」
若田は少し考えてから言う。
「僕は豚骨で、背脂控えめでお願いします」
——そして、静かにメニューを見つめ続けていた今伊に視線が集まる。
「……僕は味噌で、麺は中太ちぢれで。スープは濃すぎず、でもコクはしっかり。焦がしネギは少し多めに、もやしは軽く湯通ししてシャキッと、バターは…うーん、溶かすタイミングは後入れで。チャーシューは柔らかめで厚切り、でも脂は控えめ。あと海苔一枚、スープの香りを邪魔しないように…」
店員は一瞬目を丸くする。
「随分とラーメンがお好きなのですね」
今伊は笑顔で返す。
「はい、大好きです」
店員は少しの間、メモの時間をとると、笑顔で口を開いた。
「……ありがとうございます。では少々お待ちください」
そう言って店員は厨房に戻っていった。
それと同時に香久山が小さく吹き出す。
「……細かっ!」
久瀬も笑いながら言った。
「ラーメンの注文でここまで言う人、初めて見た」
若田は感心したように目を丸くしている。
(ふふ、こういうのはこだわりが大事なんだ。ラーメンという一つの作品をどうやって楽しむのか)
しばらくして、注文したラーメンがテーブルに運ばれてきた。
香ばしい湯気が立ち上り、スープの香りが鼻腔をくすぐる。チャーシューの厚み、色合いの美しい卵、もやしやネギの鮮やかさ。どれも整列するように盛られている。
「おお……」
「来た!」
ラーメンからはブワッと湯気が立った。みんな目を輝かせる。そして手を合わせた。
「「じゃ、いただきます!!」」
「……うん、美味しい!」
「いいね。このチャーシューとか」
三人は自然に動き、目の前の一杯を楽しんでいる。
今伊は、静かに箸を握る。脳内では過去のラーメン体験が次々と再生されていた。
(僕は……今まで食べてきたラーメン全てを頭の中に保存している……
あの札幌の味噌ラーメン、麺の茹で加減、スープの香ばしさ……完璧だった。
尾道のラーメン、魚介の香り、背脂の浮き具合……記憶している。
さらには徳島ラーメン、甘辛いスープと卵の絡み……舌も脳も覚えている)
この一杯が、今まで自分が出会ってきたラーメンの中でどの位置にあるかも、これから瞬時に計算し、過去の経験と比較し、分析し、評価していく。
食べようとした時、周りの三人の食べ方を見て、今伊は心の中で少し首を傾げた。
若田が小さく声を漏らし、夢中で口に運ぶ。
久瀬はすぐにスマホを取り出し、写真を撮っている。
香久山もすぐに箸を持ち上げて、麺をすする。
否定するつもりはない。みんな楽しんでいるのは間違いない。
だが、真のラーメンの楽しみ方——
見た目、香り、音、触感、温度、麺とスープの絡み、具材とのバランス……全てを全身で受け止め、頭に叩き込むんだ。
深呼吸し、ゆっくりと目の前の味噌ラーメンを口に運んだ。スープの熱さ、麺の弾力、チャーシューの柔らかさ、卵の半熟具合、もやしのシャキ感——すべてを一瞬で感じ取り、脳と体に刻み込む。
具材一つ一つがラーメンとしてうまく調和し、絡んでいる。一つとしてムダな要素がない。
(あぁ、至福だ)
今伊は一口一口、ラーメンを噛み締めた。
丼の底が見えるころには、今伊の表情はすっかり緩みきっていた。スープを一滴残さず飲み干し、箸を置く。
「……はぁ」
思わず漏れた吐息は、満足そのものだった。
「やばいな、ここ。久々に“当たり”引いた気がする」
向かいに座る若田も同じように丼を下げ、軽くうなずく。その反応を見て、今伊はさらに気分を良くした。
「今日は僕が奢るよ」
そう言って立ち上がる。ラーメン一杯でここまで幸福になれるなら、安いものだ――その時点では、本気でそう思っていた。
レジ前。
店員が打ち込んだ数字が、液晶に表示される。
9680円
「……え?」
一瞬、目が止まった。見間違いかと思い、無言でもう一度確認する。
9680円
「……は?」
幸福感が、音を立てて崩れ落ちた。
反射的にスマホを取り出し、店名を検索する。レビュー欄を開いた瞬間、答え合わせが終わった。
《味は最高。でも高い》
《ラーメンとしては覚悟がいる》
《値段見ずに入ると死ぬ》
「……あ」
気付かなかった。
いや、正確には――気付こうとすらしていなかった。
ラーメンに夢中になりすぎて、肝心の金額を完全にガン無視していた。
「やっちまった……」
苦笑いしながら財布を開く。中にあったのは、偶然忍ばせていた一万円札が一枚。
それをそのまま差し出す。
お釣りを受け取り、財布に戻すと――中身は、見事に少量の小銭だけなった。
「所持金……ほぼゼロか」
現実が、静かにのしかかる。
けれど。
さっきのスープの旨さを思い出すと、不思議と後悔だけでは終わらなかった。
「……まぁ、出費は痛いけどさ」
小さく肩をすくめる。
「あれだけ美味かったんだ。今日は、良しとするか」
少し間を置いて、ぽつりと付け足す。
「――でも」
店の暖簾をくぐりながら、即答だった。
「もう二度と来ない」
・今伊亮キャラクター解説完全版
基本情報
♫ 名前:今伊 亮
♫ 性別:男
♫ 所属:長野県東縁高等学校 吹奏楽部(三年生)
♫ 担当楽器:コントラバス
♫ 誕生日:1月25日(水瓶座)
♫ 身長:172cm
♫ 血液型:B型
パーソナル
♫ 性格:基本真面目でしっかり者。後輩想いで、周囲をよく見ている。
♫ 好きなもの:ラーメン(特に味噌!)、コントラバス
♫ 嫌いなもの:場の空気を考えない行動
♫ 趣味:ラーメン食べ歩き
♫ 特技:脳内実況
♫ 無意識の癖:考え事をすると、指先で弦をなぞるような仕草をする
内面・関係
♫ 音楽へのスタンス:協調性重視。全体の音を支えることを最優先に考える。
♫ 響への印象:なんでもできる万能な人。
♫ 誕生日に対する感覚:お祝いされると嬉しい程度(されなくても嫌なわけではない)。
今回は誕生日スペシャル!トップバッターは今伊亮君でした!!
いかがでしたか?普段はあまり前に出ない彼ですが、今回はひたすら頭の中を覗く回になっています。
音楽に対しても、日常に対しても、そしてなぜか食べ物に対しても、彼なりに真剣で、彼なりに誠実。
誕生日だからといって特別な奇跡が起きるわけではありませんが、こういう「らしさ」が積み重なって、今伊という人物はできているのだと思います。
そして、ラーメンは美味しくても高い。これは真理です。
改めて、今伊亮君、誕生日おめでとう!!
感想、評価是非お願いします。
次回、誕生日スペシャル 音早董白編 1月31日公開。お楽しみに!!




