丹治の本場所遅刻休場に関して
昨日(9月19日)の幕下力士丹治の、遅刻による本場所欠場に関して、思うことを書きました。
今開催中の大相撲秋場所で、6日目、幕下力士の丹治が連絡無しで取組に遅れ、休場となる事態が発生した。
ネットでは、前代未聞の出来事というようなことが書かれているが、連絡無しで取組に遅れ休場になったという事態は過去にも何例かはあったようである。
この件で私が意外に思ったのは、当事者の丹治は、その将来を期待されている有望力士であり、これまでのメディアや雑誌での情報から、生真面目な力士という印象を受けていたからである。
突発的に一時的記憶障害のようなことになってしまったのかな、と先ずは想像してしまった。
以前、本場所で脳震盪になり数日間休場したことがあったが、頭がボーとしていてその間の記憶がほとんどなかった、というようなことが過去にあったので。
が、ネットを読む限り、単なる寝坊ということのようだ。
丹治は、今では少数派となっている中学卒業で直ぐに相撲界に入門した力士である。
母がロシア人のハーフで、母の影響で幼少時代から新体操をしていたようだが、相撲も小学生時代から稽古していたようだ。
中学時代まで全国大会等で、顕著な実績があった訳ではなかったが、福島市で若元春、若隆景らにも相撲を教えていた指導者が丹治について「これまでに教えてきた誰よりも、その素質は群を抜いている」
と語っている(丹治が入門した際の地元テレビ局の取材映像が、ネットでアップされています)。
丹治はイケメンだし、大物になりそうな雰囲気を感じたので、私は入門間もない時期に、本小説サイトに投稿した、相撲界の将来予想に関する文章で、丹治の将来を、横綱、それも優勝20回クラスの大横綱になる、と予想していた。
丹治は、入門後順調に出世し、17歳0ヶ月、史上9位の年少記録で幕下に昇進した。
現在19歳3ヶ月で西幕下24枚目(最高位は東幕下18枚目)。
当初の大きな期待に比較すると、この2年間は、番付昇進的にはやや停滞している。
それでも、月刊雑誌「相撲」の新年号で毎年恒例の、相撲教習所で新弟子たちを指導している親方たちによる「幕下以下有望力士」に関する座談会。
今年の座談会では、丹治はランキング1位だった。
丹治は、今年1月の時点で、全力士の新弟子時代からのことを熟知している相撲教習所担当の親方たちから、その将来性を最も高く評価されている有望力士なのである。
私が大学時代に相撲同好会で一緒に相撲を取っていた友人から今回の件について
「息子と球場に行き、試合後息子を忘れて、一人で帰宅した長嶋茂雄を思い出しました」
とのLINEを受領した。
上記は長嶋茂雄という稀代のスーパースターを語る上で、その天然ぶり、そして天才性を示すエピソードとなっており、マイナスイメージとはなっていない。
今回の件はサラリーマンに置き換えれば、連絡なしの無断欠勤ということであるから、一般的にはマイナス評価を受けてしまう案件である。
が、丹治が将来、大関、横綱クラスの力士になれば、今回の件は、その天然ぶりを示す挿話ともなり得るかもしれない。
丹治の性格の中に今回の件を受けとめ消化してしまえる図太さがあるのかどうかが、その将来に関するポイントとなるのかな、と思います。