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第11話「好きな人いるの?」

 ※


 姫野先輩とミックスダブルスのペアを組んだ。


 これは大変喜ばしいことだ。しかし同時に、大勢からのプレッシャー……「負けたらどうなるかわかってんだろうな、アァん?」という視線が俺を襲った。


 試合を二週間後に控えたその日、俺は私服にラケットバッグを背負って街に出ていた。

 すると目の前の改札から見覚えのある顔ぶれが出てきた。


「うっす」

「やっほー敦也」


 やって来たのは大賀と小鳥遊。同じく二人とも私服にラケットバッグを背負っている。


「お前、気合入りすぎな」

「へ?」


 気合? いやいや、確かに姫野先輩とお出掛け出来るから少し気合は入っているが本当に少しだ。具体的には少しだけ服に気合を入れた。とはいえ別に俺と大賀にそこまで大差はない。


 まず小鳥遊は、ウエストを絞った縞模様のワンピースに白のカーディガンというオシャレ女子という感じだ。

 そして大賀は、無地の白パーカーに黒のパンツ。少ない服でこのオシャレ感は流石大賀と言ったところ。

 対して俺は……



「なんでお前タキシードなんだ……?」



 イケてる男の最上位服、タキシード。姫野先輩とのデートに、並の服装じゃ許されないと考えた俺の策だ。


「親父のをパクってきた」

「いやそういう話じゃなくてな……」

「敦也は何かの授賞式にでも行くの?」


 なんでそこまでボロクソに言われるんだ?! そんな絶望的に似合ってないのだろうか……。


「似合ってる似合ってない以前に、場違いすぎる」

「うんうん」


 ば、場違い……?

 先輩とのデートにタキシード。場違いなものか!


「た、確かに少し気合が入りすぎてるかもだけど……」

「「全然少しじゃない」」

「だってデート……」

「「…………は?」」


 大賀は「何言ってんだお前」と俺に言う。

 いやいや、大賀と小鳥遊、俺と姫野先輩でのダブルデートだろ?


「テニスの練習するんだぞ今日は」


 あ、そうでした。



 ※

 部内戦のメンバーが決定した日、俺は先輩と県大会予選のことについて話し合い、とりあえず一度練習してみようと言う話になった。


「ごめん遅れちゃって!」


 集合時間ちょうどに来た姫野先輩は、テニス部のジャージを着ていた。

 私服じゃないの?!


「みんなオシャレだね! あれ……敦也くん……」


 おいやめろ、大賀も小鳥遊も、俺から目を逸らすな。

 すると先輩は「ぷくっ」と吹き出した。


「な、なんでタキシード?! あはは! もう、敦也くんてば面白いな!」


 あれ、引かれてない? まさかの大成功?


「テニスするのにタキシードって……! どこの貴族っ……!」


「あははっ!」と大笑いする姫野先輩。タキシード大成功だ。


「そろそろ行こうぜ、敦也」

「お、おう」


 確かにそろそろ向かわないと予約していたコートの時間になってしまう。

 俺たちは、大賀が先導しながら二列横隊でコートに向かうことにした。俺の隣には姫野先輩が歩く。


「なんで先輩ジャージなんです?」

「え? だって脱いだらすぐテニスできるじゃん」


 先輩のそのテニスへの熱い想いは尊敬するが…………あわよくば私服が見たかった!

 白系のワンピースが見たい……っ!


「てか、なんで連絡してくれなかったの?」

「へ?」


 連絡……? 何か連絡することでもあっただろうか?


「一緒にでもよかったのに、お向」

「わーーーーー!!!」

「どうした敦也」


 こ、この人何を口走ろうとしてるんだ?!

 俺と姫野先輩の家が向かい同士ということを暴露しようとしたので俺は慌てて姫野先輩の話を遮る。その事は誰にも話してない。というか話せるわけが無い!


「な、なんでもないっ」


 俺は先輩にジェスチャーで「シー!」と伝える。コクコクと先輩は頷く。

 この人、自分の人気度を理解してねぇってばよ……。

 すると小鳥遊が、


「葵先輩って、好きな人います?」

「え?」


 急に踏み込んできた……!

 それは俺もずっと聞きたかったが聞けなかったことで、あわよくば俺じゃないかと少し期待している所だ。


「い、いないけど……?」


 あ、いないんすねー……そうすか……。

 いやいや、むしろプラス思考に考えるべきだ! つまり先輩の心に入り込む余地はあるということ!


「そういう心ちゃんはどうなのー? 聞いたんだから答えてくれるよねー?」

「えっ?!」


 まさかの反撃! 流石姫野先輩と言うべきか、上手い!

 小鳥遊はモテそうだが、実際どうなのだろう? 付き合ってる人はいなさそうだが、好きな人くらいはいても良さそうだ。


「うぅー、こういうの慣れてないんですよ!」

「ふふっ、心ちゃん可愛いなぁ」


 小鳥遊が恋バナに慣れていないとは意外だな。こういうのには慣れていそうな感じがする。

 なんというか、こう……「好きな人? 私が誰かに恋焦がれるとでも?」みたいなイメージだった。


「じゃあ次大賀!」

「は?!」


 顔を真っ赤にした小鳥遊が、興奮しながら大賀に言う。


「好きな人いるの?」

「はぁ……いるわけないだろ。大体まだ俺らは入学して一ヶ月だぞ? 好きな人がいない人の方が多いだろ」

「まあ、確かに」


 小鳥遊は大賀の言葉に納得すると、俺の方を見てニヤッと笑う。

 やばい……!


「敦也は好きな人いるのかなー?」

「うっ……」


 こいつやりやがった!

 姫野先輩(好きな人)の目の前でそんなこと言えるか馬鹿野郎!


「い、いねぇよ……」

「うっそだー!」


 こいつ性格わっる!

 知ってるくせに追求して来るなし! 畜生、小鳥遊の奴、面白がってやがる!


「敦也くん、好きな人いるの?」

「へっ?」


 いやあなたですけどー!!! 今、俺の右隣を歩いているあなたのことですけどー!!!


「い、いないっす!」

「ほんと?」


 大嘘です!

 でも本当のことなんて言えるわけないじゃないか!

 まだテニスで何の結果も出ていない上に恋愛的な距離も縮まっていない今、姫野先輩に俺の好意がバレるのは大変よろしくない。


「本当にっ! いないです!」

「そう……」


 そう?!

「よかったー」でも「そうなんだー」でもなく「そう……」。どういう反応?!

 すると大賀が、


「コートに着きましたよ。早くテニスしましょう」

「お、おう」

「ちぇー、葵先輩行こっ」

「あ、うん」


 なんとか……難は逃れた……のか?

ラ、ラ、ラ、ラブコメしてるー!!!


いいですねこの探り合い。僕は大好きです。(お前が書いとるんや)

次回はテニスパート(?)になると思いますが、ラブ要素も忘れずにいきたいとおもいます。

それではまた!

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