表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/20

閑話 観察レポート〈第1ゲーム〉

 ※

 中山大賀。

 この4月に桜花高校に入学した彼は、成績こそ中の中くらいだが、テニスの腕は抜群で、部活の先輩からも一目置かれる存在である。


 部内で行われた部内戦。

 彼は全力で彼を潰しにかかる先輩たちをなぎ倒し、ついに決勝進出まで至った。


 この結果は、もちろん彼のたゆまぬ努力の成果であることに違いはない。しかし、彼には天賦の才があったのだ。

 中学生になって初めて触れたラケット。彼はそれを使って、僅か12年かそこらの経験値だけで、下手なプロをも凌駕する見事なサーブを打ってみせた。


 そこからはトントン拍子だった。興味本位で始めたテニスは、やがて大好きなスポーツとなり、彼は自ら進んでテニス強豪校である桜花高校に進学した。


「強い」「やばい」「天才だ……」などの言葉は聞き飽きるほど聞いた。

 中学の先輩から浴びせられた嫉妬の混じった激励に、彼の心は人一倍疲弊していた。


 とすると彼は、癒しを求め始めた。



「コロネちゃぁぁぁぁぁぁぁあああん!!!!」



 中山大賀はVTuberオタクだった!


 学校では「ふっ」と澄ました顔をする彼だが、好きなVTuberが画面に映れば大興奮。手のひらサイズのスマホ画面を見ながら、彼は一人部屋で手作りペンライトを振っているのだ。


「かわぇぇぇぇえええ!!!」


 部屋には人気VTuber『チョコ・コロネ』のタオルやらキーホルダーやらと言ったグッズが所狭しと展示されている。

 普段の彼からは想像も出来まい。しかし、彼の本来とはこうなのだ。


「この動画、もう200回は見たが飽きないな」


 中山大賀は少しおかしかった。普通、同じ動画も200回も見る人などいない。

 大賀は「次だ」と言って、146回目の再生となる『キズナナイちゃんとコラボ!』という動画の再生を開始する。


「邪魔だよキズナナイ! コロネちゃんに被るな!」


 中山大賀はだいぶおかしかった。

 このコラボ動画では、コロネのオリジナルソング『アイラブ・マカロン』をキズナナイとデュエットしている。


「本当コロネちゃんの曲はどの曲もいいな!」


 たとえどんなヒット曲でも、幾度となくテレビで放映されれば視聴者は飽きてしまうもの。しかし彼のコロネ愛だけはそれに該当しなかった。


「……ん? 新着動画きた!」


 彼のスマホに通知が届き、コロネの新着動画が更新されたことを知る。動画タイトルは『お知らせ』というものだった。


『7月7日! 両国国技館ライブ決定〜!』

「うぉぉぉぉおおお!!!」

『チケットは今この瞬間から抽選開始だよ!』

「買います買います買います買います買います買います買います買います買います!!!!!」


 彼はパソコンも立ち上げてページにアクセスしチケットを申し込んだ。

 その後、動画では販売グッズの紹介やコロネの意気込みなどが語られ、5分程度で動画は終わる。


「やばい……満足や」


 テニスの天才と呼ばれる男、中山大賀は、VTuberオタクなのである。

今回は時系列でいうと第10話冒頭と中盤の間になります。


次回からは新章です!

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ