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MEMOVERUS ~幻異界転生~  作者: 中島 弓夜
第六章 コールダスク 18歳
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Battlefield

ツヴァイヘンダーの全長は2メートルほどあり、マラーニャの身長よりも長いと思われる。

本来は、その重さ故に両手持ちの武器だと言われているが、彼女は片手で難なく操れるため、重量はハンデになっていないらしい。


「こいつはアタイが鍛え上げた特注品だ。西洋の武器は切れ味を軽視しがちだけど、日本刀に引けを取らないほどスパッと切れんだぜ。試してみる~?」

「前置きはいいから、早く掛かって来い」

「じゃあ遠慮なく行くぜっ!」

マラーニャは前方に大きく跳び上がると、上段の構えから剣を振り下ろし、コールダスクの頭を叩き割ろうとする。

その攻撃を彼は後ろへステップして回避すると、今度は壁を三角飛びしてマラーニャの背後に回った。

「チッ! 曲芸師みたいなことすんじゃねぇ!」

マラーニャは振り向き様に剣を横へ()いだが、そこにコールダスクの姿はなく、気が付くと彼は頭上に飛んでいた。

「たあああぁぁぁ―――!」

コールダスクは日本刀を縦に斬り下ろしたが、マラーニャの神懸(かみが)かり的な反応速度で、攻撃を剣で防がれてしまう。

その衝撃でコールダスクは後方へ吹き飛ばされたが、体を回転させながら床へ上手く着地した。

(凄まじい反応の速さだ……やはり物理的な攻撃で刺客に対抗するのは厳しいか)

互いに(にら)み合いながら、コールダスクは頭の中で懸命に作戦を練る。


「そういやテメェは、四大元素の一つって言われる『土』の力を授かったんだよな。他の三つはどうした?」

「……まだ教えられてない」

「そうなんだ~。じゃあこれ知ってるぅ?」

マラーニャはツヴァイヘンダーに手をかざすと、刀身に炎を(まと)わせた。

「……なっ!」

「キャハハハ! こいつでテメェの全身をこんがり焼いてやるぜ」

そう言うと、マラーニャは床を蹴って前方へ飛び出し、炎を纏わせた剣を横へ振り払った。

コールダスクは、その場で跳び上がって振り払われた剣を避けたが、炎が生き物のように全身を包み、あまりの熱さで床を転げ回ってしまう。

また、手で衣服に着火した火を消そうとするも、なかなか消えないため、すぐに衣服を脱ぎ()てTシャツ一枚になる。

「どうだ? この炎はしつこいぜ~。相手を燃やし尽くすまで、執拗(しつよう)に追い掛けてくれるんだもんね」

「おまえの性格が粘着質だから、原初の力まで粘着質になるのか?」

「うっせぇうっせぇ! 本人の目の前で堂々と悪口言うんじゃねぇよ。これでも繊細な乙女なんだから!」

マラーニャは怒りながら、再び刀身に炎を纏わせる。

「コールちゃんにはキッツイお仕置きが必要だね! 今度はもっと濃厚な炎で焼いてあげるから」

そして、炎を纏わせた剣を頭上でクルクルと回すと、天井にまで届くような巨大な炎の円が現れ、それをコールダスクに向かって投げ飛ばす。

日本刀で防げるような大きさではないため、誰もが万事休すだと思ったが、何故か彼は冷静にその場を動かないでいた。

「どうやら(あきら)めたようだね……死ねや!」


――勝利を確信したマラーニャだったが、次の瞬間、ドォン! と音がして後方へ吹き飛ばされてしまう。

どうやらコールダスクが衝撃波を放ち、すべての炎をかき消したらしい。


「ゲ……ゲホッ……」

後方へ飛ばされたマラーニャは、壁に激突した後に衝撃波をモロに受けてしまい、甚大(じんだい)なダメージが体に蓄積された様子である。

「やはり、最後は原初の力で対抗するしかないってことだな。おまえたち刺客は物理的な攻撃が効かないから、衝撃波で倒すのが一番手っ取り早い」

「ち、ちくしょう……アタイより原初の力が強いってのはどういうことなの? 覚えたてのド素人のクセにさ」

マラーニャは苦しそうに立ち上がると、ツヴァイベンダーを肩に乗せて、再びコールダスクと睨み合う。


「アタイはまだ負けてないよ、さあ! もう一戦やろうじゃねぇか!」

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