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MEMOVERUS ~幻異界転生~  作者: 中島 弓夜
第六章 コールダスク 18歳
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Death Match

マラーニャは垂らした糸を指先で操りながら、渦を巻くようにクルクルと回して見せる。

そして、渦を巻いた糸が高速で回転しながら、矢のように飛んでコールダスクに襲い掛かった。

糸が不規則に動き回るため、日本刀で斬り落とそうにも狙いが定まらない。


鬱陶(うっとう)しい攻撃すんな!」


コールダスクは日本刀を十字に斬り払うと、何本かの糸は動きを止めて床に落ちたが、後続の糸が攻撃の手を緩めず、刀身に巻き付いて離れなくなってしまう。

日本刀が使い物にならなくなったため、彼はホルスターからリボルバーを取り出し、マラーニャに向かって何発か発砲した。

マラーニャは即座に大きく飛び上がって、銃弾を(かろ)うじて(かわ)す。


「テメェ! 飛び道具を使うんじゃねぇよ!」

「おまえだって飛び道具を使ってるだろ! お互い様だ!」


腹を立てたのか、マラーニャは近くの壁を蹴って前方へ飛び出すと、大きく振り被りながら大量の糸を指先から吐き出し、投網(とあみ)のような形を作ってコールダスクを捕縛(ほばく)しようとした。

目の前に巨大な投網が現れたため、彼は横跳びして躱そうとしたが、運悪く足に巻き付いて床に倒れてしまう。

だが、その横から門脇がファルシオンで投網の一部分を切り裂き、コールダスクは緩んだ網を(ほど)いてなんとか脱出する。


「あ~ん、やっぱり1対2は卑怯だよぉぉぉ。そのオッサンが邪魔するなら、カワイイ子供たちの相手をしてもらうからね!」

マラーニャがそう言うと、ゴシック調の服を着た子供たちが三人ほど奥の部屋から現れた。

「さあ行きな、冥府(めいふ)吾子(あこ)たち! あのオッサンを血祭りに上げるんだよ!」

命令された子供たちは、一斉に門脇へ襲い掛かる。

手にする武器はダガーやハルバードと多岐(たき)にわたるため、門脇は対応し切れずに防戦一方となる。

「くそっ! こいつはキリがねぇ」

「門脇さん、俺も応戦します!」

コールダスクは門脇をサポートするため、子供たちの背後に回ってリボルバーを何発か撃つ。

自分への注意が()れたためか、マラーニャは再び巨大な網を作って、コールダスクに向かって投げ飛ばした。

「捕まえてやるからっ!」

油断したのか、投網はコールダスクの全身を覆い、身動きできなくしてしまう。

「しまった!」

「キャハハハ! そいつを刺し殺しちまいな!」

子供たちは動けなくなったコールダスクに気が付き、攻撃のターゲットを変更する。

幸いなことに、今度は門脇が自由に動けるようになったため、ショットガンを取り出して背後から子供の二人を撃った。

だが、もう一人は被弾せずに、手にしたハルバードでコールダスクの腹部を突き刺す。


「ぐはっ!」


コールダスクは痛みで膝から崩れ落ちるも、なんとか耐えてハルバードの(つか)を握った。

「残念だったな……切っ先が内臓にまで達してないぞ」

そう言うと、ハルバードの先端を腹部から引き抜き、持っていたリボルバーで子供の頭を撃ち抜いた。

その様子を見て、マラーニャは首を(かし)げる。

「あれ……? どうして死なねぇんだよ。さすがのテメェでも、今の一撃は致命傷だろ」

コールダスクは立ち上がり、今の質問に答えようとする。

「地脈のエネルギーを体内に溜めたんだ。どうやら身体の防御力が少しだけ上がったらしい」

「はあ!? そんなやり方を何処で覚えたんだぁ?」

「原初の力は、あらゆる物質に宿らせることができるんだ。オリジナルのアイデアってヤツだよ」

「ケッ! 冷めるわ。都合が良過ぎんだろ、そいつはよ」

マラーニャは壁に埋め込まれた人間の一人を、悔しそうに蹴飛ばした。

「もう伏兵はいないようだな……そんなに卑怯だと言うなら、俺とサシで勝負しようじゃないか」

「ほう、ようやく面白い遊びができそうじゃん。それを早く言えよ!」


マラーニャは興奮しながら、自分の愛刀であるツヴァイヘンダーを取り出し、片手で軽々と振り回した。

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