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チンチラクエスト  作者: 鈴葉
9/41

※※※※※※※※※※※

「…おふぁうよ~おふぁぎふぁぁ」

朝から大あくびしながらの挨拶だったから、自分でも何を言ってるのかわからないレベル。

相変わらず視線で突っ込んでくる奥様は器用だと思う。

いや、こっちが理解ある夫ってやつなのかな?

意味が違うけど。

「強く…ならなくちゃ…か」

ケージの中のおはぎさんは、いつもなら俺が姿を見せると早く出して出してとそわそわするのに、今日は何故かちょっと静かだった。

体調でも悪いのかと思ったけれど、はっとこちらに気づくと、いつものように出して出してとアピールしだした。

気のせいなら良かった。

入口を開けると即飛び出していった。

珍しく俺を待たずに階段を駆け上がって、途中で気づいたのかまた猛スピードで戻ってきて早く一緒に登ろうとせっついてくる。可愛い。

「かふぁいいなぁおふぁ…あ~ぁぎさんふぁ」

妻よ。わかってるから。その目で見ないで。

なんか目覚めちゃうから。ね?

しかし、眠い。

原因はわかってる。夢のせいだ。

最初はRPGのようなストーリー性のある夢を見られて喜んでいたものの、

あれから毎晩のように、チラ界(チンチラの世界を略してみた。)のおはぎさんの話が夢で展開され続けている。

始めは楽しかったけど、しっかりとした夢を見続けるのも意外と疲れるようなんだ。

なんというか心身が休まらないというか。

夢の中で仕事をし続けて、ようやく終わって帰れると思ったら目覚ましが鳴った位の疲れ方のような感じ?

伝わらない?

実際は夢の中で体験してることは、仕事なんかとは比べ物にならない位ワクワクしたり面白かったりするものだけど。

でも、起き続けてるような感覚なんだよね。

オープニングが終わったら、始めの村で…確かファスタの村だっけな。

ファスタの村で、なんと魔王と遭遇した。

ああいう展開は、強制イベントで基本的に敗北するのが決まってる。

だから絶対死なないとは思ったが、それでもあの落雷は洒落にならん。夢とは思えない程リアルだった。

夢の中の雷蔵ちゃんが助けてくれなかったら、少なくとも毛が焦げてただろう。

とにかく驚いたし走りまくったしで、起きてからもなんだか動悸がするような気がした。

そして、悔しさと、強くなりたいという想い。

今朝はそれを強く感じた。

続きが気になるような、たまには夢も見ずにぐっすり寝たいような。

悩ましい。

あと、気になるのが、俺がまるで異世界のおはぎさんのような夢を見出した頃から、リアルおはぎさんの様子が少し変わった事。

元々活発な時と、大人しい時との差が激しかったけれど、物思いに耽るような雰囲気の時が増えてきた。

チモシーもモリモリ食べてるし、体内で生成され、排出される黒豆(正しい呼称は自主規制させていただく)もモリモリだから問題はなさそうなんだけれど。

でも気のせいかな?リンゴの枝…素振りするように振ってた時があったんだよね。

思わず二度見したけど次の瞬間には普通に齧ってたけど。

ホイールもいつもより回す時間が長いように思う。

また壊れるかな~。おはぎさん何個目だろホイール壊すの。

まさか…夢の中のおはぎさんみたいに鍛えてるのかと思ったけれど…いやいや、現実のおはぎさんがそんなことしてどうなるんだよ。

夢の中のおはぎさんとは別物なんだから。

やっぱり気のせいだよね。うんうん。

「はははは、疲れてんな~」

「うん。休んだら?」

あ、声に出てたか。大丈夫です。

ちょっと寝不足なだけ。君とおはぎさんのために、俺は今日も働くのさ。

いい夫だろ?

ウインクしたのにスルーされた。

…いいんだ。別に。そう言うつもりじゃないし。

タイミングが悪かっただけだし。

それにしても、こんな続き物の夢を見るなんて初めてだ。

おはぎさんの事を考えすぎなんだろうか?

いや~しかし、SNSでフォローしあって絡んでる子達が出てきてて面白かったなあ。さすが俺の夢。

魔王様、あれよく見たらスター君だし、側近がぐりちゃんで、やらかしたもんだから飛び蹴り喰らってたし。

夢の中のおはぎさんはシリアスだったけど、中で見てる俺は大爆笑だった。

他にも出てきてくれるのかなぁ。

寝た気がしないのは辛いけど、夢自体は楽しいんだよね。

そんなストーリーが無意識にでも考え出せる俺は、こんなに想像力豊かだったのかな。割りと文才があるのでは?

うんうん。いずれこの夢を小説にしてみたりなんかしたりしてね。

ふっふっふっ。一度SNSでこの夢の話をしてみるか。

皆どんな反応してくれるかな?楽しみだ。

とかなんとかしてる内に家を出る時間だ!

SNSで、おはぎさんの夢を見ることを呟いて、俺は慌てて仕事に向かった。


鞄に仕舞ったままのスマホには一瞬通知が浮かんで消えた。

『偶然ですね!私もここしばらく家の子の夢を見るんですよ!』




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