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チンチラクエスト  作者: 鈴葉
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初めての街クエってやつ??(五)

不穏な様子のつみりんは見ないことにして。

僕らは、ただ待っているだけなのもなんなので、

経験がある薬草採取だったらできるだろうと、ぼちぼち摘みながら、ちょっとずつ…つみりんから離れそうとした。

その時!背後から微かに葉っぱを踏みしめるような音がして、こわいなぁ〜こわいなぁ〜と思いながらも、まだ気のせいだと思い込むことにした。

薬草採取に集中しようと思うのに、ぞわぞわ〜ぞわぞわ〜っと、まるで冷蔵庫の中のような冷気が漂ってきて、おかしいなぁ〜おかしいなぁと思って、そぉ〜っとね、振り返ってみたんですよ。

「こら!でち!」

「どっひゃあ〜!!」

僕と雷蔵ちゃんはびっくりしてその場でとびあがっちゃった。

「どこぞの誰かの怖いかなんかの話みたいな話し方しない!でち!」

「つみりん、それ曖昧にも程があるような特定できるような…?」

「なんでこんなぷりち〜(はぁと)なつみりんを、ホラーみたいな扱いするんでち!?」 

「何故バレたでちか!?」

「ふたりとも全部口に出してたでち!」

「あちゃ〜!出てたかぁ」

これはうっかりと、ぺちんと額を叩く僕と雷蔵ちゃん。

「そのわざとらしさ…わかっててやったでちね!?」

「「バレた(でち)か」」

二人しててへぺろ☆って顔をしたら、あ、やばい。

つみりんのお顔がどこかに記憶のある黄色い探偵のしわっしわのお顔にそっくりになった!

「もぉ許さないでちよ!!」

「スピードスターおはぎについて来られるかな!?」

「脱走のプロらいぞーについてこられるでちか!?」

僕らは示し合わせたかのように逆方向に走り出し、つみりんはそれを追いかけようととにかく前に進もうとしたけれど、出来なかった。

「ぅぶほっ!?」

「「ぅぶほ??」」

逃げかけた僕らは突如聞こえた異音に足を止める。

振り返ると、つみりんがいた場所には輝く物体が…。

「いや、あれはつみりんでちね」

目を眇めながら雷蔵ちゃんが言う。

「つみりん…いつの間にあんな発光体に…」

よく見ると精霊さんたちに囲まれてるようだ。

あ、一匹?一体?なんか…へろへろしてる…。

「…きっと…お口に突っ込んじゃったんでちね」

うん。つみりんもなんかペッペッしてるもんね。

勢い余っちゃったのかな…。

可哀想に…精霊さん。

「そこはつみりんじゃないんでちかね!?」

つみりんもモノローグに突っ込むのやめてもろて。

「まぁそれはそうと、まろたんは?」

「ん〜?あ!あそこでち!」

雷蔵ちゃんの指差す方向を見ると、まろたんがてちてち飛んできているところだった。

『てちてち飛ぶ』ってなんだって思うよね。

でも、なんかそんな感じなんだよね。

羽根を一生懸命ふぁさふぁさ動かしつつ、何故か足もんしょんしょとてちてち動かしてるんだもん。

羽根さえ動いてれば進むんじゃないかなって素人考えだと思うんだけどなぁ。

それとも勝手に動いちゃうのかなぁ。

うん。可愛い。

おっと。またよだれが垂れるところだった。

「しかし、すっげぇでちね。こんなに早く…」

雷蔵ちゃんがひどく感心したように呟く。

うん。見てびっくりした。

精霊さんの半数やまろたんが【ゴルチモの実】を持っているようだった。

「わーかった!わかったでちから!順番!順番に並ぶでち!!」

つみりんはぺいっぺいっと精霊さんたちを引っ剥がしては放り投げ、列を作るよう指導している。

精霊さん…大丈…夫っぽい。つおい。

わちゃわちゃしてはいたけど、最終的にきちんと一列になってつみりんの前に整列した精霊さんによる光の列。

なんかすごいものを見ている気がする。

つみりんはゴルチモの実を持ってきた子も、持って来られなかった子も平等になでなでして、労っていた。

なでなでされた精霊さんはみんな嬉しそうにふよふよとつみりんの周りに漂っている。

「つみりんは精霊さんに好かれてるんだねぇ」

「べ、別に…こいつらはつみりんの魔力に惹かれてるだけでち。使役したら代わりに魔力をあげるんでち」

ちょっとお耳を染めながら口を尖らせながら言うけれど、やっぱり本質的には優しいよね。つみりん。

なでなでしてる手が丁寧だもん。

精霊さんもなんだか嬉しそうに見える。

表情わかんないけど。

そしてトリはまろたんだ。

まろたんもゴルチモの実を抱えてる。

すごい!まろたんしごでき!

「ちゅみりんねぇたま!まろたん、ごりゅちものみ、しゃがせたでち!(ふんす)」

鼻息荒いまろたんかわええ〜!!

「ん?まろたんの持ってきた実って…他のよりでかくないでちか!?」

「えっへへん!まろたん、こーうんちたかいでちからね!」

「こー」

「うんち」

「男子二人!そこで切らない!…まろの幸運値は馬鹿にできないレベルでちからね…下手するとレアなゴルチモの中でも更にレア度が高い何かかもでちね」

「レア!すっげぇでち!」

「わかる!なんかいいよね!レア!」

僕らがふんすふんすしている横で、つみりんから冷たいまま視線を浴びる。

なんで女子って男子のことそういう目で見るのかなぁ。

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