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チンチラクエスト  作者: 鈴葉
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初めての街クエってやつ??(四)

疲れた体をつみりんに引きずられるようにして、村の外に出てきた僕たちは、人目を避けるように街道から外れて行った。

「つ、つみりん…手があるって…合法なんでちか?」

「ちょっとぉ!らいたん!つみりんがそんな事すると思うでちか!?」

「…しそうだから聞いてるんでち(ボソッ)」

「何か言ったでち!?」

「何もでち!マム!」

「…まぁいいでち。さっきの採取クエストは、おはっちたちの初クエストだったから、つみりんはお手伝いしなかったでち。今回はいよいよ!つみりんの真骨頂!精霊魔法の出番!でち!」

「「おぉぉお〜!!!」」

ぺちぺちぺちぺちと、思わず僕と雷蔵ちゃんが拍手をする。

「美貌の!つみりんが!乞い願う!いでよ!精霊さ〜ん!」

なんかすごいことしてるだろうに、一回一回ポーズをキメッキメのつみりんを見てるとちょっと力が抜ける。

ていうか、いいのかな?そんな呪文?で。

でも最後のキメポーズを取ったつみりんは淡く光初め、周囲から光が集まってきて、とても神秘的だ。

「綺麗でち…まるでさっきの妖精さんみたいでち…」

光の中でくるくる躍るようなつみりんがとても綺麗だ。とってもなんだか悔しいけれど。

そして、一瞬強く光り、眩しくて思わず目を瞑る。

そっと目を開けると、つみりんを覆う光はいくつもの小さな光の球になって、ふわふわ辺りをただよっている。

そして何か一際大きめの光の球がつみりんの周りをまわってる。

「え…まさか…これ…つみりん…呼んでな…」

「よばれちぇちょびでてまろたんで〜っち☆」

つみりんが何か言いかけたのを無視して話しだした!

それは蝶々のような形で、透き通った虹色の羽根が生えている、僕らと同じような姿形をした…

ちっちゃな精霊さん?だろうか。

つみりんは、なんだかやらかしたって顔をしている…。

うん。見なかった事にしよう。

「ちゅみりんねぇたま!なにかおちごとでちか!?まろたんがんばりゅ☆」

か、可愛い〜!!なんかちっちゃな子がふんすふんすしてる!お仕事!?お仕事なんかしなくてもいいよ〜!!

お菓子いる?

「おかち!おかちほちいでち!…む、でもダメなんでち!まろたん、おちごとしゅるんでち!…おちごとできたら、ごほーび…くだちゃい☆」

上目遣いキタコレ。も〜お兄さんおかち一杯あげちゃう。

思わずよだれが出そうになって慌てて口元を拭って隣を見ると、雷蔵ちゃんもよだれが垂れかけてた。

ハンカチで拭きましょうね。ふきふき。

僕の父性本能が火を吹きそうだ。

「ま、まろを召喚したつもりないでちよ!?」

「しょんなこちょゆっちぇ!ちゅみりんねぇたま!まろたんはちってまちゅよ?ちゅくしゃんねえた…ぶっ」

「ちょ〜っとだまりやがっていただけますでちか〜!?まろたんは、お仕事したいのよね〜?」

「む!?む〜!むぐっ!む!」

いきなり口を押さえられて暴れてたちっちゃな子はお仕事、という単語に必死で首を縦に振る。

控えめに言って、可愛い。

「よし!じゃあ今日はお仕事をしてもらうでち!頑張ったらお菓子くれるっておはっちがゆってるでち!」

「そこは僕か〜。いいんだけど」

「はい!らいぞーも!はい!」

「良かったでちねぇ〜まろ〜?お兄さん達がお仕事したらご褒美でお菓子くれるんだって!頑張れるでちか〜?…あと余計な事ゆうなでち(ボソッ)」

最後なにかボソッと言ってたようだけど僕らには聞こえなかった。

一瞬ちっちゃな子は首をかしげてから目をキラキラさせてコクコクと頷く。

「よし、じゃあ、まろの自己紹介しようか?()()()でちよ?」

「は、はじめまちて!まろたんは、まろたんでち!ようしぇいみならいでち!よろちくおねがいちまちゅ!」

「よくできました〜。お名前まろたんってゆうのかな〜?」

「ほんとのお名前は『まろ』でちよ。きっとつみりんの真似っ子でちね」

「まろたん、ちゅみりんねぇたまのまねっこちてないでち…」

「なんで!?」

「まろたんはまろたんのおりじなりてぃってやちゅ?あいでんてぃてぃってやちゅをもっちぇいちゃいでち!」

「しっかりしたお子さんやでぇ…」

雷蔵ちゃん、どっかの方言出てる。口調守って。アイデンティティ大事にして。

「と、とにかくまろには重大な使命を与えるでち!精霊さんたちと一緒に、ゴールデンチモシーの実を見つけて持ってくるんでち!わかる?」

「ごーりゅでんちもちー?」

そんな言い方を首をかしげて言うなんて!鼻血出そう。

「ライバルは身内にいたでちか…」

ん?つみりん?ちょっと黒いオーラ出すのやめてもろて。

「チモシーはわかるでちか?」

「あいっ!おいちいやちゅでち!」

「偉いでちねぇ〜。それの種の中に淡く光る大きい実がついてるのがどっかにあるはずなんでち」

「あいっ!まろたんはそれをしゃがちて、もってくりぇばいいんでちね?」

「そうそう!まろちゃんお利口さんだねぇ」

僕らがまろちゃんの頭をなでなですると、嬉しそうに目を細めながらくねくねする。

ちっちゃな子は可愛いなぁ。

「ギリッ」

…つみりん…歯を食いしばって睨むのやめてもろて。

「じゃ、じゃあ、まろ、精霊さんたち!皆で探してきて!」

「らじゃっでちっ!」

まろちゃんが敬礼している後ろには、いつの間にか小さな光の球も整列していた。

そしてつみりんの号令の元、四方八方に飛散していった。

まろちゃんだけは、んちょ、んちょといいながらふよふよゆっくりと飛んでいったけど。

癒やしだなぁ。

「ギリッ」

雷蔵ちゃんと目尻を下げて見ていると、また後ろから不穏な音がした。

うん。振り向かないでおこう。

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