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チンチラクエスト  作者: 鈴葉
17/41

ようこそ!ドゥーブル村へ!(三)

さてさて翌日になったので今日だ。

昨日ゆっくりできたことで疲れも取れたので、翌日に色々ぶん投げたことにはあまり後悔はしていない。

砂風呂も目が細かい綺麗な砂を使っていた。

すごく良心的なお宿だ。

一応男女時間を分けてお風呂を使うことになっていて、僕らがお風呂を使ってる途中、つみりんが突入してこようとしたので焦った。

こういう時は女の子の方がなんというか大胆だ。

「別に何かを脱ぐわけではないでちのに~」

つみりん、一応女の子なんだからね。

僕らも村の共同浴場では気にせず砂浴びをしていたけれど、いざ、男女別です、と言われるととたんにドキドキしちゃうの不思議。

「男の子ってめんどくさいでちね~」

うんうん。つみりん、僕の心の声にツッコまないでくれないかな?

なぜぼくの周りは心読みがたくさんいるのか。

「おはぎさんがわかりやすいからでち」

そっかぁ~雷蔵ちゃん、ありがとう~。

幼馴染みの言うことならそうなんだろうね。

てへぺろ!!!ちくそい。

夕御飯はチモシースープをたっぷりおかわりして早々と就寝した。

今日は朝早くに冒険者ギルドに行くからだ。

(ちなみに朝ごはんも同じチモシースープだったけれど、美味しかったので無問題)

基本的に営業時間と言うものはなく、24時間営業らしい。

なぜなら夜中でも帰ってくる冒険者がいるし、緊急の徴集が必要なクエストがいつ起こるかわからないならだって。

そして、朝からお昼が一番混むのだそうだ。

朝一でいいクエストを受けられるか、いい狩り場を確保できるかはスピード勝負。

だから慣れてる冒険者は朝一を狙うか、数日がかりのクエストを目当てに一番の混雑を避けて来る人たちでごった返す。

ギルドはやはり昼過ぎから夕方、夕食後から早朝が空いてるらしい。

なので早朝に来た。

ここが冒険者ギルドか~。

木造で少し古さはあるけれど、暖かみが感じられる。

丈夫そうな金属でできたら吊り下げ看板は、お花と何かの獣を模した物と剣の組合わさったマークが形取られていた。

()()()()()()()()()()()()()()()、冒険者ギルドで、こんなファンシーな看板がいままでにあっただろうか。いやない。

そして早朝にも関わらず、入口であろう扉は開いていた。

基本的によほど寒いとか大雨や強風でない限りは、

「誰でも受け入れる」

と言う意味で扉は開放されているものだそうだ。

そして、昨日のぼくがぶん投げたせいで、今日のぼくが大変になったことを報告する。

明日やれることを明日やることは悪いことではないけれど、やれる時にしておいた方が余裕はできるってのは真理だ。

なう。

つみりんの案内で冒険者ギルドに着いたぼくらは、「混雑」を舐めていた。

所詮ぼくらの村の混雑しか知らない田舎者だもの。

まさかこんなに人がいるなんて思わなかった。

のんびり外観を眺めるよりも、扉から伸びる人の列に目が行ってしまう。

「今日は何かイベントでもあるんでちか?」

「この時間ならこんなものでちねぇ。ん~ちょっと出遅れたでち~」

「マジですか」

「流石にいつもより混んでるでちね~仕方ないから並ぶでち。マナー違反は…」

「怒られる?」

「袋叩き♡」

可愛くそういう単語を言わないでほしいよね。

新人冒険者が初登録する時にイキッてる先輩に絡まれる、なんてテンプレにならないように大人しく並ぶ事にした。

ぼくらは絡まれたところで、()()()なんてあるわけないから、厄介ごとは避けるべきだ。

お昼までに終わるだろうかと覚悟の上で並んだけれど、割とサクサクと列が建物に吸い込まれていく。

そして建物から出ていく人達も多い。

まぁ食べ物屋さんでもないし、ちょうどいいクエストがあったりしたら受けてすぐに出るだろうし、思ったより時間はかからないかもしれない。

ぼくらは登録したらまずどうするか相談しながら自分達の番が来るのを待った。

ギルドの中は人でごった返していた。

ギルドに入って右手にある掲示板をみている人、正面が多分受付だろう。そこでなにやら相談してる人、入口入ってすぐ左手には休憩用なのか、テーブルやイスなどがいくつか置いてあるスペースがあり、朝食のつもりか屋台で買ってきたサンドイッチを頬張ってる人や、地図を広げて相談しているパーティーらしき人達もいる。

納品なのか、左手奥の独立したカウンターで何やら交渉している人もいる。

「ギルドだ…」

「初めてみたでち…こんな感じなんでちね…」

こんな…()()できるなんて思わなかった。

すごい。()()()()()()()()()()()()()()()

ぼくと雷蔵ちゃんは、何とも言えず、感慨に浸っていた。

「何にそんな感動してるんでちか?これから毎日のように来るんでち。すぐ慣れちゃうでちよ~」

呆れたようなつみりんに、ぼくらは顔を見合わせて言った。

「やぁねぇ女の子って!」

「情緒がないでちわ~!」

「やーん!キモチワルイでち~!!」

普段あれやこれや言ってくるつみりんに少しお返しだ。

思いっきりシナを作ってやってやった。

多分自分でもキモチワルイと思う。

雷蔵ちゃんなんかすごく器用にくねくねしてた。

言い終わってからお互い顔を見合わせて吹き出しちゃった。

お腹痛い位笑ってるぼくらを周りの多分先輩達は訝しげに見てくる。

うるさくてごめんなさい。

でもなんかこんな事で笑いあえるぼくらはうまく行く。

そう思えた。



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