【コント】 経営アドバイザー
ツッコミ:経営アドバイザー 金網 気凄男
ボケ :うどん屋志望 佐貫 うどん子
*場所は金網の事務所内。
ツッコミ「私は超一流の経営アドバイザー。金網 気凄男 アドバイスするのは主に飲食店が中心だ。私にかかればどんな店でも大繁盛間違いなし。今日の客は脱サラして初めて店を出す人か……」
(女が1人事務所にやって来る)
ボケ「よろしくお願いします。佐貫 うどん子と言います」
ツッコミ「はい、よろしく。で、佐貫さんはどんな店を開きたいのかね?」
ボケ「うどん屋です」
ツッコミ「だろうね! その名前でラーメン屋だったら私は発狂しているよ」
ボケ「生まれはカリフォルニアなのですが、讃岐うどんに惚れ込んでしまって……」
ツッコミ「なぜだ!? 生まれは香川であれよ!」
ボケ「カリフォルニア生まれの人間が讃岐うどんの店を開いてはいけませんか?」
ツッコミ「いや、まぁ、そんなことはないが。しかし、君! 事前に提出するはずの経営計画書がないじゃないか!」
ボケ「言葉でやる気を伝えたかったんです……」
ツッコミ「いるんだよなぁ。経営を舐めてる人間が。レベルが低すぎるんだよ。ちょっと現実を見せてやらんといかんな……。どれほど飲食店が厳しいかを教えてやろう! 佐貫さんは、飲食店を開業した者が3年以内に失敗する確率は何%か知っているのかね?」
ボケ「はい。経験者でだいたい65%。脱サラした未経験だと90%ですね」
ツッコミ「いや、知ってるんかい!」
ボケ「私の場合、以前は会社員でしたから9割失敗する方ですね」
ツッコミ「それでよくチャレンジする気になったね。で、以前はどんな仕事をやっていたんだね?」
ボケ「イグアナのオスとメスを選別する仕事を12年勤めていました」
ツッコミ「特殊な仕事だね! そんな仕事が存在することすら知らなかったよ。しかも12年て、結構ベテランじゃないか!」
ボケ「時給が65円だったので辞めました」
ツッコミ「辞めて正解だよ! ブラックにもほどがある!」
ボケ「それで、なんやかんやでうどん屋を経営しようと決めたんです。」
ツッコミ「もう、なんやかんやを聞く気になれないよ! それじゃあ、うどん屋の話に戻るけど。どんなメニューにするつもりだね?」
ボケ「讃岐うどんを茹でて、汁は無しです。熱々のをそのままいきます」
ツッコミ「ああ、食べたことあるよ。釜揚げうどんだよね。柚子の果汁を付けたり、醤油で食べるヤツだろ?」
ボケ「そうですね。そこにアボカドを乗せていきます」
ツッコミ「カリフォルニア入ってきたねぇ。でも以外と美味いかもしれないね」
ボケ「で、マヨネーズをたっぷりいきます!」
ツッコミ「いくな! 台無し! もうそれで台無しだから!」
ボケ「結構美味しいんですよ! 私は何にでもマヨネーズをかけるんです」
ツッコミ「君、生粋のマヨラーだね。有名飲食店の主人に怒られるタイプだ」
ボケ「ハイ! ミシュラン5つ星の寿司屋に「2度と来るな」と塩をまかれました」
ツッコミ「寿司にマヨネーズをかけたのか!? そりゃ怒られるよ。しかしね。讃岐うどんにマヨネーズはちょっとね。美味しいかもしれないけど、イメージがよくないんだ。君は客がどんなイメージでメニューを見るか知っているかね? 世界的に有名な経営者のお手本になるズダーバックスの本は読んだのかね?」
ボケ「ハイ。読破しました。」
ツッコミ「読破してんのかい!」
ボケ「フラペチーノの話が興味深かったです」
ツッコミ「そう、その話は客が何を求めているかの話だな。つまり客のニーズに応えるってことだ。それでなぜ、讃岐うどんにマヨネーズをかけてしまうんだ!」
ボケ「いえ、ですから、讃岐うどんをシャリシャリに凍らせていますから!」
ツッコミ「熱々のうどんが台無し! そんなうどんに客のニーズねーーよ!」
ボケ「今日は、その讃岐マヨネーズデラックスを持ってきましたから食べてみて下さい」
ツッコミ「讃岐マヨネーズデラックスって名前が、もう衝撃的だけどね。正直こんなの食べたくないよ。食べる前から美味くないのはわかっているんだから」
(ズルズル食べてから一言)
ツッコミ「クソ美味ぇな!」
ボケ「ありがとうございます」
ツッコミ「マヨネーズがシャリシャリに凍ったうどんとよくあっている! アボカドがそれを引き立てて、ハーモニーを醸し出しているんだ! それで、このピリピリした感覚はなんだ!?」
ボケ「ワサビを少々」
ツッコミ「完璧じゃねぇか! 美味いわけだ! 味のセンスは抜群だ! これをいくらで出すんだね!」
ボケ「100万円にしようかと」
ツッコミ「出直して来い!!」
おしまい