ネクロマゴット
固有魔法:【屍操作】
死体を操る蛆。
死体を操り自分たちが成虫に羽化した際により苗床となる生き物の多い土地へ移動させることで繁殖効率を高めている。
生者に産み付けられたネクロマゴットは苗床の屍化に呼応して孵化する。
この時点で宿主は死んでいるが、死んですぐは肉体が完全な状態で残っているため一見しただけではわからない。ただし、人の場合知性は失われているので意味のある会話ができなくなる。また、心肺機能も停止しているためよく観察すれば死体であることがわかる。
ネクロマゴットの魔法強度は低いためが操る死体は通常の死体と変わらない速度で腐敗し、操縦者に知性もないため戦闘能力などもない。そのため、単なるゾンビと勘違いして死体だけを退治し、焼却などの事後処理を怠るとネクロマゴットが羽化してタナトスフライとなり新たな犠牲者を出すことにつながる。
ネクロマゴットに操られた死体とゾンビを見分ける有力な方法はない。強いてあげるなら魔力感知によって複数の魔力を感知したらネクロマゴットに操られた死体、単一の魔法ならばゾンビということになる。だが、死体に寄生し密集している状態でここを識別できるほどの魔力感知能力を持つ者が希少であることを考えれば有力な手法とは言えない。
また、完璧な方法ではないが、通常のゾンビが死気の蔓延する土地に発生することが多く、死気の強い場に止まるのに対し、ネクロマゴットに操られた死体はより生者の多い土地へ移動するために単独で移動する。もっとも、苗床となる生き物さえいればいいわけであるから森などにネクロマゴットに操られた死体が入り込めばそのままそこが死の森と化し、いくつもの寄生死体が闊歩するほどに事態が悪化するまで気づかないケースもあるため完全に当てにはならない。
ネクロマゴットは羽化するとタナトスフライと名称を変え、固有魔法も変化するとする説があるが、どちらも広義のネクロマンシーであることから固有魔法は変化しないという説もある。