第91話 魔王様!こいつ絶対企んでますよ!
クーデレとツンデレは至高。
そして、暫くしてリカルダは仕方なく礼装を着て、更衣室の外に出る。
リカルダが着た黒い礼装は、見事にリカルダに合い、イケメンオーラを漂わせている。
「…似合ってるじゃん」
既に白いドレスに着ていたバニラが、リカルダの格好に少し顔を赤らめながら言う。
「バニラ、もしかしてアンタ、リカルダに惚れてるの?」
控えめの白を基調としたドレスを、身に纏ったウェルミナがバニラの様子を見て突っ込む。
「…それが何か?」
「!?や、やっぱりね!だけど、リカルダは私が好きなのよね?ね?」
ウェルミナはリカルダの腕を掴み、自分の身
に寄せる。
「ちょっ、お前。いきなりどうしたんだよ?」
「…リカルダ、顔…戸惑ってる。嫌がってるんじゃないの?」
バニラはもう片方のリカルダの腕に捕まる。
「私の…方が、いい…」
腕を頬でスリスリし、バニラはまるで猫のように甘え始める。
「私のリカルダに何してくれてんのよ!」
「皆さん、待たせしまし…た?」
更衣室から出てきたルアは、リカルダ達を見て固まる。
「…失礼しました」
「おい、待てよ。勘違いしてないか?」
それから、ジルは武具を脱ぎたくないと礼装を着ず、リカルダ一行はパーティに会場に足を踏み入れた。
「貴族のパーティ。想像した通りね」
白い布がかけられたテーブルに、これでもかと大量の料理が並び、上には何十万もしそうなシャンデリアが、等間隔に並び、眩しいほどに金があしらわれている。
「派手派手しいな。リヒト様の城以来だぜ」
「こんなに豪華にするお金があるなら、町の人達にお金を渡してあげればいいのに…」
「ここの連中はそんな親切なこと誰もしねぇよ。というか頭にはねぇーんだよ。他人に金を分け与えるなど、自分の品格が崩れかねんからな」
他人に無駄に金を分け与えるなど、ここの貴族にとってはしてはいけないこと。ジルの言う通り、自分の品格、気品さ豪華さか崩れかねないからだ。
「それに…ここの貴族は貧民のことなんて考えてもない…。ただのゴミのように蔑んだ目を向けるだけよ」
この町の貴族は貧民のことなど、目にも気に留めていないのだ。
まるで、小蝿のように扱い嫌い、誰も貧民を助けることなんて考えていない。
色んな意味でこの町は腐っている…いや、腐敗している。
「紳士淑女の皆様、よくぞパーティに来てくださいました!」
暫くすると、アルベルトが上の舞台に姿を現した。
胸や肩に金の刺繍が施され、これまた輝かしい。
「今回のパーティは食べて飲んで踊って楽しむだけではなく、特別な催しものを用意しております!」
「催しもの?なんだろうな?」
「楽しみですわ〜」
などアルベルトの言葉に、貴族らが口々に開く。
「皆さん、思い存分パーティを楽しんでいって下さい!」
アルベルトはそう言った後、貴族らに挨拶をしに回る。
(何かあると思えば、普通だね…)
と思いつつも、バニラは警戒を解かないでいた。
相手はあの危険人物アルベルト…油断はできない。
それも、リカルダも同じだった。
「おい、ウェルミナ…ってあれ?」
さっきまで横にいた筈の、ウェルミナがいない。
「ウェルミナなら…ジルとルアと一緒にご飯取りに行った…」
あいつら勝手すぎんだろ!何かされたらどうするんだよ。
とにかく、ウェルミナ達を呼びもどさないと…!
「おやおや、リカルダ君!」
ウェルミナ達を捜そうとすると、貴族らに挨拶し終わった様子のアルベルトが近づいてきた。
「そんなに固くならないで、パーティを楽しんだらどうだい?」
「こんなパーティ楽しめる訳がないだろ。俺に話しかけないでくれるか?」
リカルダの言葉に、アルベルトの目が冷たくなる。
「おや、冷たいね〜。せっかく、この私が君達を招待してあげたのに…」
さっきのおおらかな雰囲気はどこへ行ったのか。漂う空気が冷たくなる気がした。
「アルベルト…やっぱり貴方何か企んでる…!私達をパーティを呼んで…何が目的なの?」
不穏な雰囲気を感じ取ったバニラが、アルベルトを睨みながら言う。
「貴女は用心深いね。さっきも言った通り私は何も企んではいませんよ。…何もね。あっ、そうだ!そこの君、この子達に飲み物を用意してあげてくれ。では、私はまた」
通りかかった黒い礼装のウェイトレスに話しかけ、アルベルトは人混みの中へ消えていった。
「リカルダ、私がウェルミナ達を呼び戻して来るから、そこにいて動かないでね…」
リカルダをその場において、バニラは人混みの中へ入っていった。
アルベルト…お前は何を考えているんだ?
《そして、場面が変わりサリーは…》
サリーは依頼をこなす為、カラクサ草原に出掛けていた。
「皆も頑張ってるんだし、私も少しぐらいお金を稼いで支えてあげないと!」
今回サリーが引き受けたのは、最近新たに発見されたスライムの一種、フロストスライム10匹の駆除。
報酬は3000Gと、意外と高報酬。少しでもギルドの負担を和らげようと、引き受けた依頼だ。
「どんな敵かわかんないけど、私なら大丈夫よね!」
「助けてください!」
ウキウキ気分でサリーは道を歩いていると、声をからした男の声が聞こえてきた。
サリーは男の声がした場所に向かうと、
「助けて下さい、ウィストリアさんが!」
サリーの目に映ったのは、血塗れのウィストリアを抱えた男闇魔道士だった。
前、発表した最新作ありましたが、またしばらくしたら更新していこうと思います。
また見てくださいね!




