表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/95

第9話 魔王様、これが救世主ってやつですかね?

茶色の髪をなびかせ笑みを浮かべるバフォメット。


「アンタ…これはどういう事?」


その姿はフォメの面影が全くなく別人のようだった。


「ごめんね、リカルダにぃちゃん達。これは、シルエラ様の為なの」


「シルエラ…」


リカルダは何かを思い出すように呟く。


「ほ〜ら!魔物さん達!」


ガァァァッ!ゴォオッ!


バフォメットの周りから沢山の魔物が溢れ出てくる!


「なんて量の魔物だ…おい、この結界を解け!」


「お、おう!」


男は結界を解こうとするが、


「あれ…解けない!嘘だろ!?」


「残念。その結界、解けないようにしてあげたよ。私を罠にはめてあざ笑った罰だよ☆」


間も無くして、周りの魔物達が結界の中へと入ってくる!


「はあぁ…もう俺達は終わりだ!」


「はぁ?もう終わりだって、そう簡単に諦めるんじゃないわよ!」


絶望する男達を尻目にウェルミナは、レイピアを構える。


「そうだよな…まだ諦めては…な」


リカルダがゆっくり立ち上がり、剣を構える。


「リカルダ!?アンタは休んでおきなさい!そんな怪我じゃあまともに戦えないわ!」


「いや、戦えるよ…多分!」


「えっ?た、多分?」


「上から魔物達が来てるよ」


ビビビビッ!ビギャャッー!


上から大きな赤い蜂が降ってくる!


「う、うぇっ…熱針(ヒートニードル)!!」


ヒュンヒュン!ヒュン!


レイピアに炎が宿り、ウェルミナは蜂を突いていく!


ウェルミナの突きを受けた蜂達は、灰となって崩れていった。


「やったわ!…って痛あっ!!」


ドサッッ!


後方から何かが突進してくる!


石の鎧を持った魔物イシトカゲが、突進して来ていた。


「ゴアアアッッッッ!」


イシトカゲが再び突進してくる!


「また!?」


ウェルミナはそれをジャンプしてかわし、後ろに回り込む!


雷針(サンダーニードル)!」


バチ!バチバチ…!!


ウェルミナは電気を宿らせ素早く突く!


バキッ…ボロボロッ…!


イシトカゲの石の鎧が崩れて行く!


ウェルミナは石の鎧が崩され、あらわになったイシトカゲを素早く斬りつける!


ゴアッッッッ…


イシトカゲは動かなくなった。


ギャァァアッ!アアアッツアー!


と雄叫びをあげながら魔物が、結界の内に次々と入って来る!


「くっ…魔物が多過ぎるな」


リカルダも苦戦しているようだった。


「アンタ達!ビビってないで、戦いなさいよ!」


「お、おう!お前達も戦うんだ!」


「わ、わかった!」


「…やってやるよ!」


アアアアッ!ギャォォォッ!


「もっと!もっと!魔物さん達〜!」


バフォメットの掛け声で魔物が出てくる!


「いけー!」


バフォメットはウェルミナ達を指差す。


「キャアァッッ!」


ブフォッッッ!!


魔物の攻撃で吹き飛ばされるウェルミナ。


「ウェルミナぁっ!くっそ…」


魔物の攻撃により腕を負傷するリカルダ。


「魔物さん達、感心感心!いいよ、いいよ〜!」


段々と血に染まっていく二人を見て、バフォメットは笑う。


“…もう安心して…”


あるウェルミナの言葉がバフォメットの脳裏に浮かぶ。


「…いや、私はあんな人間なんか」


“もう大丈夫だから”


「どうも思ってない…あれは違う、あれは違うの!」


ウェルミナの笑顔が脳裏をよぎる。


「…っ!私は私は!」


バフォメットが混乱し、頭を抱える一方リカルダ達は…


「うっ…はぁっ…」


リカルダは右手を抑え苦しんでいる。


「リカルダっ!その傷…!」


「大丈夫だよ…こんな傷すぐ治るって」


とリカルダは言うも、傷から血がだらだらと流れ続ける。


「大丈夫じゃ、ないじゃん!」


ウェルミナはリカルダの腕に包帯を巻こうとする。が!


「おい!ウェルミナ後ろ!」


「後ろ…?」


ウェルミナが後ろを向くと、そこには片手に棍棒を持った巨大なトロールがいた。


トロールは、ウェルミナに棍棒を振り下ろそうとする!


「えっ…嘘っ!?」


ウェルミナは目を見開き、動かないでいる。


「かわせよっ!」


棍棒が振り下ろされようとする瞬間、リカルダはウェルミナを抱きかかえ、トロールの攻撃をかわす!


ドォォオォォッン!!


「えっ…ええええぇっ!?」


「怪我…ないか?」


「な、ないわよ。ありがとうね」


グオオオオオッ!!


「来るぞ!」


トロール…難易度5に匹敵する強敵。


トロールは雄叫びをあげ、リカルダに襲いかかる!


リカルダはトロールの攻撃を避け、トロールの下に入る。


氷衝斬(フロストクラッシュ)!」


キィィィィン!


リカルダはトロールの足元に剣を突き刺す!

トロールの足元が氷に侵食されていく。


風針(ウィンドニードル)!」


フィィィッン!


風を宿したレイピアでトロールの腕を突く!


フィュン!フィュュン!ギチギチッ…!


突かれたトロールの腕がさけ吹っ飛んだ。


腕が裂けた痛みにより、トロールは苦しみもがく!


グォォッ!グォオオオオオッ!


かかさずリカルダが前に回り込み、トロールを斬りつける!


グオオオオオオオオッ!!


「なっ!?」


ブォッン!!


トロールは棍棒でリカルダを吹き飛ばす!


「リカルダぁっ!?」


トロールの視線がウェルミナを捉え、棍棒を振り下ろす!


「はああああっ!」


ドカァァアッッン!タッタッタッ!


ウェルミナはトロールの腕を利用し、トロールの体へと登って行き、飛び上がる!


熱針(ヒートニードル)!」


レイピアに炎を宿らせ、トロールを攻撃しようとするが、


ガアアアアッ!


上からワイバーンが襲いかかる!


「キャァッ!」


ウェルミナは攻撃を辞めざるおえなかった。


ワイバーンは難易度がトロールよりも上回る魔物。あのまま攻撃を続けていたら…


「っ!どうすればいいってのよ!」


魔物は難易度高めの魔物ばかり、冒険者ランクがFランクのウェルミナにはかなわない…


ウェルミナはリカルダの方を向く。


リカルダはなんとか立てているものの、そろそろ体力の限界だろう。


(このまま私達は…)


トロールが再びウェルミナに攻撃しようとする!


ウェルミナにはもう戦う気力なんてものはなかった。


どう足掻いても事は変えられない…


ウェルミナは何も抵抗もせず立ち尽くす。


ウオオオオオオオオッ!


トロールが棍棒を振り下ろそうとしたその時だった!


ヒユユュュュイィン!


と横から光の矢が何本も飛んでき、トロール達をはじめとする魔物達を突き刺して行く!


トロールは多くの矢に刺され、横倒しになる!


ドスッッッンッ!


ガアッ!アアアッ!

ギャッー!

ゴオッッッ!


魔物達は急所にあたり、倒れていく。


「すっ、凄い…」


ウェルミナは目の前の光景に圧倒されていた。


ヒュュィィィイィィ!


「何…?何が起こったの?」


バフォメットの横から光の矢が飛んでくる!


「っ…!?」


バフォメットはかわし、矢が飛んで来た方向を見る。


「ちっ…外れたか…」


と白いワンピースをきたバニラが現れる。


光矢(ホーリーアロー)もう一発、うっていい?」


そう冷たく言い放つバニラ。

このバニラの登場で事態は大きく左右する!

次回も見てくれると嬉しいんだけど…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ