第86話 魔王様!変態現れまくりですね!
注意、ホモォが登場します。
《それから少し時が進み、リカルダ達の船より下流では…》
一段と崖に際立つ豪華な船が、ゆっくりと河を渡っていた。
外から見えるテラスのようなスペースに、立派な椅子に座るアルベルトが居た。
「魔物が棲む幻想郷“トライアイ”…魔族が幸せに暮らす場所か…」
右拳に拳を顎に当て、片方にはワイン。足を組み、考え事をしているようだ。
「大陸の魔物の3割が住むトライアイを潰せば、テロリアの民が私を支持し私の後についてくる…とまではいかないか」
ワインをテーブルに置き、アルベルトは手を組み始めた。
「いえ、私はアルベルト様のおっしゃる通り。民はアルベルト様について来られると思いますが」
横にいた護衛の兵士がアルベルトの言葉に相槌を打つ。
「そうか?ならば、トライアイを潰すまでだ。ついでに“堕落の崖”を潰せば、国民から大きな支持を得られるに違いない!」
アルベルトは拳を握り、クックックッと含み笑いをした。
「これで、テロリアは私達の配下になり私はこの国の王になる。このような愉快なことはなかろう!これであの伝説の勇者ハイルの子も私の配下に…!」
ドォォォォーン!
アルベルトがそう言った所で、船が揺れアルベルトは体勢を崩す。
「な、何だ!この揺れは!?」
兵士も突然の出来事に、驚きを隠せないでいた。
そりゃあそうだろう、ゆったりとくつろいでいる時に、急に事態が起こり驚かない者はいないだろう。
アルベルトは何事かと、テラスから顔を覗かせる。
そこには船に衝突する、血塗れの古びた大きな船があった…
《それは、少し遡ることリカルダは…》
「!?」
刃物の接近に気づき、リカルダは剣で刃物を防ぐ!
そこには赤い肌をした、グールであろう蛮族がいた。
ナイフを手に握り、こちらを警戒している。
「グールか、悪いがそこを通らせてもらおうか」
と言ってもただヨダレの垂らすだけのグール。
上から騒がしい音が聞こえる。もしや、グールに襲われて…!
リカルダは仕方なく、グールの肩から脇腹かけて斬撃をいれる。
スパーン!
グールの胴体は斜めにきれ、二つとなった胴体は床に崩れ落ちた。
そんなグールの死体にも意を貸さず、リカルダは階段を上がり船の上へと上がった。
いざ船の上に上がると、さっきの船の様子とは変わり果てていた。
そこらじゅうは血塗れになりいくつかのグールの死体が転がり、まるで地獄のよう…
リカルダは塞がるグール達を斬っていき、船の中心へと向かう。
そこにはグール達と戦う、ウェルミナとジルの姿があった。
「ジル!ウェルミナ!大丈夫か?」
駆け寄ってくる無傷のリカルダを見て、ウェルミナの表情がパッとなる。
「リカルダ!生きていたのね!」
と近づいてきたリカルダに、抱きつくウェルミナ。
「おい、こんな状況よくイチャイチャできるな。まずは戦え、そういうやつは後からやれよ!」
長槍を振り回し、グールをこてんぱにしていくジル。
それにリカルダも参戦し、グールを斬り裂いていく!
「ほう、なかなかやるじゃないか。君達」
リカルダらの戦いようを見て、舌舐めずりをするグラニル。
「それに若いし、非常にいきがいい!君はハイルの子だろ?」
とグラニルはリカルダに近づいて来る。それに対し、ウェルミナはグラニルに立ちはだかった。
「リカルダ、ここは私が!」
「お嬢ちゃん、そこを退いてくれないかな?」
「嫌よ、絶対に退くもんですか!」
ウェルミナがレイピアで、グラニルに斬りかかろうとする!と、その時!
ドォォォーッン!
大きな音と共に、リカルダ達が乗る船が大きく揺れる。
「何だ…?」
リカルダは何事かと体勢を持ち直し、前を見る。
前には豪華そうな船。船に衝突したのだ。
「おい、リカルダ!マズイぞ。船が沈んでるぞ!」
ジルが言った通り、船はボロボロだった所為か、船の至る所が崩れ河に沈んでいく。
「っ!仕方ない、船に乗り移るぞ!」
リカルダはウェルミナの手を引っ張り、リカルダ達はテラスのようなスペースに乗り移った。
そこには驚愕の表情を浮かべて、見つめる赤い貴族のような服を着た男。
リカルダはその男に、見覚えがあった。
「リカルダくぅぅーん!」
いきなり名前を呼ばれ手を振られる、リカルダはビクッとするが、
「いっただっきまーす!」
ボォオーン!
グラニルの拳が迫っていることに気づき、拳をかわすとグラニルと距離を取った。
「リカルダくぅーん!かっこいい!こっち向いて〜!」
まるで女性のように、リカルダを呼ぶアルベルト。
「何なのあいつ!リカルダをあんな風に呼ぶなんて!」
ウェルミナはそれを見て、不機嫌そうだ。
「待て待て待て!」
リカルダはアルベルトを気にせず、クラニルの攻撃をかわしていく。
リカルダの横から出てきたジルは、クラニルの横にまわり槍先で斬っていく!
「神速の一撃!」
そしてリカルダが違う方向からき、クラニルの腕を切断する!
「あっあああああっ!」
斬られた腕を押さえ、その場に倒れこむクラニル。
「強いと思っていたが、この程度とはな。おい、縄はあるか?」
とリカルダはアルベルトに言う。すると、アルベルトは物凄いで縄を持ってきた。
「どうぞ!」
満面の笑みでリカルダに、縄を渡すアルベルト。
アルベルトの変わりように、護衛していた兵士も引いているようだった。
次回も見てくれたまえ! ┌(┌ ^o^) ┐




