第85話 魔王様、人肉食べたことあります?私はないです
忙しいから、更新遅めだと思ってたんですけど、早く更新出来てますね。
魔物から船を護衛するというものの、護衛するどころか魔物が全く現れない…
肝心の魔物が出てこないと、依頼が成り立たない。
必死にリカルダは魔物を探すも、影すらも見当たらなかった。
「魔物出てこないわね…」
ウェルミナは何もすることもない為、床に座り退屈していた。
「おい、おっさん!魔物出てこねぇんだが!」
見かねたジルが大声を出し、舵を取っているおっさんに聞く。
「魔物かい?大分前からフェアフルスには魔物が出てこないんだよ。不思議だね」
おっさんの言葉にリカルダは、何言ってるんだという顔をした。
船の護衛に来た筈なのに、魔物がいない…?
魔物から船を守ってくれと言ったよな?
「明らかに矛盾してやがるぞ」
「そもそも、魔物がでないと知ってたら、依頼を出す必要もないわね」
「だとしたら、俺達は…」
食べる為にここに呼び出された?
「あー!やっぱり私達は食べられるのよ!」
うわ〜んとウェルミナは、船の床にゴロゴロ転がった。
「そう騒ぐな!まだおっさんがクラニルじゃない可能性がある!証拠を見つけんぞ、証拠!」
「証拠を…って!今更何言ってんのよ。ほぼおっさんクラニル確定じゃないのよ〜!」
次は終わりだわ!と、ウェルミナは船の床を拳で叩き始めた。
「諦めんな、まだ希望はある!ほら、証拠探しにリカルダ!お前、しょんべん行くフリして船を調べて来い!」
「どうして、俺なんだよ」
「ほら、お前は頼りなるし、この中でも一番強いからな!何かあったとしても、その剣で斬ればいいだけだ!おーい!おっさーん!こいつ、しょんべんちびりそうなんだってよ!」
「ああ、そうか!後ろに影があるからそこでしてきな」
「よし、行け!」
リカルダは行きたくなかったが、ジルに背中を押され大きな木箱の影に隠れる。
意外と大きいんだな、この船。
乗り込む時は小さく見えたのだが、今見てみると船が大きいことがわかる。
まずリカルダは積んである、荷物を調べることにした。
木箱を開けてみると、中には人肉…ではなく体力のリンゴが詰め込まれ、他の木箱も調べてみるも、同じ果物が詰め込まれているだけだった。
「荷物は怪しいところはないな…問題は船の中だ」
リカルダは船の中へ続く階段に、目を向けると悪魔斬りの剣を抜き取り、下に降りていく。
中は一本の廊下が続いており、部屋がいくつもあった。どの部屋も人気がなく、誰もいない様子だった。
「あいつ一人。仲間はおらずか」
証拠を探そうとある部屋の扉を開けると、生臭い腐乱臭が鼻をついた。
「くっ…何だこの匂いは!死体か?」
思わず鼻をつまみ、リカルダは部屋の奥に進む。
やはりリカルダの思った通り、部屋の奥には食い荒らされた多数の冒険者の死体があった。
どれも、無惨な姿になっており何が何だかわからなくなっていた。
「これは…」
リカルダは死体の腹に、冒険者が誰しもあるランクを表す、刻印が刻まれているのを発見する。
ランクは“Eランク”。リカルダと同じ冒険者ランク。
「ということは、あいつはやっぱり…!」
この食い荒らされた死体の山…否定しざるおえなかった。
このままでは、ウェルミナとジルが危ない!
リカルダがこのことを知らせようと、立ち上がろうとした時、後ろに気配を感じた。
気配を感じ後ろを振り返ると、そこには銀色に光る刃物がリカルダに迫っていた…!
《そして、その頃。ウェルミナとジルは…》
「はぁ〜!まだかしら?食われてなんかないでしょうね?」
リカルダがこの場を去ると、ウェルミナはリカルダが心配でそわそわしていた。
「大丈夫だって、あいつはハイルの子何だぜ?そう簡単にグールに負けやしねぇよ」
と言っているジルも、本心リカルダを心配していた。
「私がついて行ったら良かったわ…。あのリカルダよ。絶対大変なことに巻き込まれているに違いないわ!私行ってくる」
リカルダを追うようにこの場を離れていくウェルミナ。
「ちょい待てよ、今お前が言ったら流石に怪しまれんじゃねーか。少しは考えろよ」
「だけど、私はリカルダが心配なのよ!アンタはそこでおとなしく待ってなさい!」
ジルの忠告にも構わず、ウェルミナがリカルダの後を追おうとすると、
「おや、お嬢ちゃん。船内になにか用なのかな?」
おっさんが道を塞ぐように、ウェルミナの前に立ちはだかる。
「リカルダが帰って来ないから、探しに行こうと思っただけよ」
「そうか。けど、安心して君の仲間は大丈夫。ちゃんとおっさんの仲間が食べたから」
「え?それって…!」
「そのまさかだよ。お嬢ちゃん!」
というおっさんの言葉に、周りの崖から赤色の肌をした人型の魔物が降りかかってくる。
「ババア!グールだ!」
「わかってるわよ!キレ症ジジイ」
船の中心に互いの背中を向けるようにして、ウェルミナとジルは周りのグールと対峙する。
「食人鬼のクラニル!やはり、アンタだったのね!」
「おや、気づいていたのかい?」
おっさん…いや、クラニルは驚いていた。
「仕草と言動でバレバレだ!同じ手段でこれまでの冒険者を襲っていたのか?よくバレなかったな!」
「ああ、これまでの冒険者は驚くほど間抜けだったからね。流石はBランクの冒険者だ。さぞ頭のきれる君の肉は、美味なんだろうな」
ヨダレを垂らすグールとおっさ…クラニル。
「ババア!行くぞ!」
「ええ!」
ウェルミナとジルは互いの背中を託し、グールの群れへと切り掛かった。
ー冒険者クラス紹介ー
・魔術士…魔法を扱う遠距離型のクラス。魔法の威力は冒険者クラスが上になるほどに、高まっていく。杖を持っていないと魔法を発動できず、出来るのは特殊な力を持った者だけ。剣士に次に多いクラス。ルアが所属。
・呪術士…呪いや闇属性魔法を扱う術士。呪い、闇魔法を使うことから、人々からは軽蔑の目で見られることが多い。強くなるほど、軽蔑の対象になるクラス。
また見て欲しいと作者がね、言ってるよ。




