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第84話 魔王様!食人鬼…怖いですね〜!

今日台風で学校休みです。素直に嬉しい。

マーフェストの集会から1日。リカルダ率いるウェルミナ、ジル達は運搬船の護衛するという依頼を受け、荒れの河『フィアフルス』に来ていた。


戦争のことも気になるが、依頼を受けてしまったからには、ちゃんとこなさないとな。


「ここが『フィアフルス』…。思ったより荒れてないのね。想像とはるかに違うわ」


『フィアフルス』…年中問わず激流が流れ続ける河のこと。激流というのもあり、あまり船はここを通らない。


「さてと、肝心の依頼主は何処にいるのかしら?」


ウェルミナがそう言った所で、目の前の古びた貨物船から、荷物を抱えた依頼主らしきおっさんが出てくる。


「お、君達が運搬船を護衛してくれる冒険者なのかな?」


黒い顎髭に頭には赤いバンダナと、そして少し尖った耳…エルフだろうか?


「お前が依頼主か、依頼は受けさせてもらったぞ」


「やっぱりそうか、ありがたい!これで安心して船を出せるよ。さっそくだが、時間が差し迫っている。船に乗ってもらえるか?」


おっさんにそう言われ、ウェルミナとリカルダ船に乗る。


「…うわっ!船ボロボロじゃないの!これで渡るの?危ないんじゃない?」


ウェルミナが言った通り、船は古びて修復した跡がいくつもあった。歩くたびに木が軋み、今にも床が抜けそうだ。


「すっ、すまんな。魔物の襲撃でこんなんになっちまったんだ。でも安心しろ、そう簡単には壊れねぇからよ」


おっさんはそう言って、ガッツポーズをする。


「本当か…?」


ジルも乗るが、不審そうにおっさんを睨みつけていた。


「どうした、ジル?そんなに睨みつけて…」


「どうもな…ちょっと引っ搔かんだよな〜。前、冒険依頼受諾所に貼ってあった指名手配書の“食人鬼のクラニル”に似てるんだよな」


「“食人鬼のクラニル”?“グール”っていう蛮族を従えて冒険者を襲う蛮人じゃないか」


リカルダは思わず、荷物を船に入れるおっさんに目を向ける。


「そうだ。しっかし似てるだけって、別人かも知れねーからな。暫く様子見とするか」


それから何分か過ぎ、暫くして船が動き出した。


「揺れが激しいから、しっかり捕まっておいてくれ!」


そうおっさんの忠告があったものの、あまり揺れずゆったりと船が進む。


「思ったより、揺れねぇーな。おい、ババア!リカルダにも話したんだが、お前に話が…」


「わ〜!見てリカルダ、あそこに大きい魚がいるわよ!あそこにも!」


ジルの声も聞こえていないのか、川に泳ぐ魚を見てはしゃぐウェルミナ。


「おいおい、観光しにここに来た訳じゃねぇだろ!おい、ババア聞いてんのか?」


「あ〜も、うっさいわね!聞いてるわよ!船の護衛しろって言ってんでしょ?」


…聞いてねぇ。


「ちげーよ!お前に話があんだよ、よく聞けよ。あいつ、冒険依頼受諾に貼ってあった指名手配書の…」


「いや〜、今日はいつもより違うね〜!」


ジルがそう言いかけた時、先ほどのおっさんが、リカルダ達に近づいてくる。


「いつもならもっと荒れてるのに、今日は実に波が緩やかだな〜。と、君達何を話していたの?実はおっさん、お話するの大好きなんだよね」


「お前には関係ねーことだ。な、リカルダ」


「ああ、そうだな」


リカルダはいきなりふられ、戸惑ったが何事もなくジルに合わせる。


「冷たいなぁ〜。愉快な話し声が聞こえて来たから、交ざらせてもらうと思ったのに、残念だな。じゃ、引き続き魔物から護衛頼むよ


そう言い残し、おっさんは船の建物へと消えて行った。


「やっぱ怪しいぞ、リカルダ」


「そうだな。まるで話を遮るかのように入って来た。もしやあいつ…」


ジルが言う、指名手配者“食人鬼のクラニル”なのかもしれない。


「…二人ともなにヒソヒソ話してんのよ。もしや、私に隠し事?」


頬を膨らませ、顔を合わせヒソヒソ話をする二人の間を、ウェルミナは覗き込む。


「いや、これは理由があってだな…」


リカルダはおっさんが“食人鬼のクラニル”の可能性がある。とウェルミナに伝えた。


「え、あのおっさんがクラニル!?」


「ちょっ、ババア!声がデケェよ!聞こえるだろうが!」


「だって、食人鬼のクラニルって人を襲って食べるんでしょ?じゃ、私達は…!」


食べられる…


ウェルミナの顔が青ざめていく。


「あくまで“そうかもしれない”って言ってるだけだ。そう焦るな」


「そう焦るなって、 リカルダ!私達を狙ってるかも知れないのよ!よくアンタは冷静でいられるわね!」


「落ち着け、ババア。そんなんだから、お前はなめられんだよ」


と言ってるジルだが、足がプルプル震えている。


「アンタも人のこと言えないわよ!ソクキレジジイ!」


「はあぁ?誰がソクキレジジイだ。ババア!」


「二人共、喧嘩してる場合じゃないだろ。後は船を護衛してから考えるぞ」


そしてそれから一時間の時が過ぎた…

ー固有名詞、マップ紹介ー


フィアフルス…山中にある年中激流が流れる山。行きにくいことからあまり船は通らない。


次回の見ちゃって!

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