表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/95

第83話 魔王様!決断はよく考えてですね!

「バカみたい!私は悪魔と戦うことに反対するわ!争いは良くない!争いは悲しみを生むだけよ!」


ウェルミナの発言を聞いて、ウェルミナは全民衆から冷たい視線を浴びる。


「ウェルミナ?お前…」


「確かにリヒト様夫妻が殺されて皆、悪魔が許せないと思う。けど、悪魔は私達人間よりもはるかに強い、戦うだけ無駄よ。沢山の犠牲者を生むだけ…」


確かに…ウェルミナの言うこともわかる。

悪魔は人間よりはるか上で、ベリトみたいな強い悪魔がゴロゴロいる。挑むだけで無駄、古い蛇に挑むなど自殺と同じようなことだ。


「皆も思うでしょう?」


というウェルミナの言葉に人々は、意をかさず…聞き入れてない様子だ。


「私はウェルミナの意見に同意だ。な、バニラよ」


「ええ、私も同意…」


聞き覚えのある、ど太い声と落ち着いた声が、リカルダ達の後ろから聞こえる。


振り返るとそこには、ギルドのマスター。ゼーレとバニラが居た。


「マスター!バニラ!何でここに?」


「バニラからこの事を聞いてな、暇だからここに来たんだ。マーフェストよ」


ゼーレは視線をマーフェストに向ける。


「マーフェスト、必ずお前は後から後悔する。戦うんじゃなかった…“こうではなかった”と」


ゼーレの落ち着き威厳を含む声に、マーフェストを含む人々の表情が強張る。


「王であるお前が戦争するかしないかは、勝手だ。だが、深く良く考え決めることだな」


「ゼーレとバニラ、ウェルミナちゃんの考え…私も賛成するわ!」


次はゼーレの横らへんから、腰まで伸びた金髪を靡かせたセレーナがやって来た。


「セレーナ…!」


人々はセレーナの姿を見て、声を出す。

それに対してセレーナはリカルダに向かい、ウインクをした。


「ね!リカルダ君?」


相手は俺のこと知ってるようだが…この人誰だ?顔も見たことないんだが。


「リカルダ…?確か勇者ハイルの子!?」

「おいおい、マジかよ…」


人々はさも有名なギルド『グランツ・テイルズ』のマスター、そしてセレーナとハイルの血を継ぐ者リカルダ。人々は次々と出てくるエリートに圧倒されていた。


「マーフェスト王、私は一度魔王の城に行った者です。魔王の城への道は酷く厳しく…なんとか私達は魔王の城へ辿り着いたのです。ですが、そう現実は上手くありませんでした」


セレーナの青い瞳に涙が浮かんだ。


「まず一人目の仲間は毒蠍(スコーピオン)の毒にやられ即死、二人目は射られ魔物に食い殺されました。そして勇者様は…あの後私は城から落ちてしまい、勇者様は後から落ちて来て声をかけても…」


ついにはセレーナはむせび泣き、顔を手で覆い隠してしまった。


「セレーナ、もう喋らなくて良い。マーフェスト、とにかくよく考えることだ…」


セレーナの体験談、そしてゼーレの言葉…それを聞いた、マーフェストの顔は強張ったままだった…


《それから日が新たに変わった、魔王の城では》


魔王の城にあるテラスで現代で言う、お茶会的なものをする、リリスとフルーレティ。そしてバティンがいた。


「と言っても、バティンさんがクッキーが好きだなんて、意外ですわね」


この間、フルーレティが大量に作ったクッキーをおいしそうに食べるバティンを見て、リリスは言った。


「そうですか?私はそう思わないのですがね」


堀のあるいかついおっさんが可愛らしいクッキーを食べる…これ以上のギャップはないだろう。


「それより、フルーレティ。貴女凄い変わりましたわね」


「変わった…?何がよ?」


何それ?ととぼけた顔するフルーレティ。リリスはそれを見て、ため息をつく。


「あんなに慰めたのに、覚えてないのですわね。バフォメットさんが冒険者に倒された時のことですわ」


リリスの話を聞いて、バティンの動きが止まった。


「あの時以来、毎日泣いていましたのに、人が変わったように開き直って…」


「…ああ、よく言われるわ。この前もアガリアレプトにも言われたのよね」


フルーレティはテーブルに膝をつき、手のひらを頬に当て一息つきながら言った。


「何かありましたの?いきなり開き直るなんてないですし」


リリスの質問に、フルーレティはニヤついた表情をした。


「ウッフフフッ!知りたい?」


「ええ、知りたいですわ。ずっと気にしてたんですもの」


リリスの待ち遠しそうな顔を見て、フルーレティは得意そうな顔を浮かべた。


「私ね、バフォメットを殺した冒険者共を殺してやったのよ。復讐よ、復讐!あれほど楽しいことはないわ!」


フルーレティは笑いを堪え、続けてこう話す。


「女に化けてた銀竜(シルバードラゴン)は密猟者に襲わせて、黒髪の男と赤毛の女、僧侶の女は、地竜(グランドドラゴン)で殺して、そいつらの仲間のサイドテールの女は私の手で殺してやったわ!」


「…よく出かけていたのは、復讐をしていたからですのね。疑問が解けましたわ」


フルーレティとリリスの会話を聞いて、バティンは考えていた。


(フルーレティ様は冒険者に復讐を成し遂げたと言っているが、実際バフォメットを殺した冒険者はまだ生きている…)


バティンは横目で笑うフルーレティを見る。


(フルーレティ様が言っている黒髪の男は、ハイルの子だろう。フルーレティ様がハイルの子がまだ生きていると知ったら…また…)


「?どうしたの?バティン。険しい顔をして…?」


フルーレティに話しかけられ、バティンは少し驚いた素振りを見せるが、


「…いいえ、何もありませんよ。フルーレティ様」


(様子からすれば黒髪の男がハイルの子だと、フルーレティ様は知らない。生きていると悟らせない様に、死んだことによそおう。それが一番だ。フルーレティ様にとっても…)


バティンは微笑み、目を閉じた…

ー固有名詞、マップ紹介ー


魔族大戦…大昔に発生した魔物と人間との大規模な戦い。悪魔がテロリアの王を殺したことから始まった。長年の末、決着はつかずそのまま戦いは衰えていった。スリーヴァが生きていた時代でもある。


ー冒険者クラス紹介ー

冒険者という職業にも、色々な種類(クラス)があります。それについて説明。


戦士(ファイター)…普通に戦士、剣士と呼ばれるクラス。防御と攻撃力に長けた盾を扱うタイプと攻撃力に特化した剣だけを扱うタイプがある。冒険者の中でも一番多い、マイナーな職業。リカルダが所属しているクラス。

騎士(ナイト)…レイピアを扱い全体的に能力のバランスがいいクラス。戦士とは怠り、正直言うとあまり強くない。特に女冒険者に多く、男冒険者には少ない。

ウェルミナが所属しているクラス。

槍兵(ランサー)…槍もしくはランスを扱うクラス。槍を扱う冒険者は俊敏性が高い、ランスを扱う冒険者は攻撃力が高い。突いて攻撃するだけではなく、手持ちの部分で攻撃したりと様々な戦い方がある。ジルが所属するクラス。

盗賊(シーフ)…爪使い(アサシン)もここに分類する。短剣を主に扱い、高い俊敏性を生かした攻撃をする。防御力が低く、すぐ弱ってしまう紙耐久。イグナが所属するクラス。

弓兵(アーチャー)…弓士とも呼ぶ。狩り人に最も多い職業で、冒険者の中でも最も少ないと考えられるクラス。遠距離戦を得意とし、近距離戦を苦手とする。シーフに次ぐ紙耐久。バニラが所属。

・獣使い、召喚士(サマナー)…獣、魔物などを操り戦うクラス。戦力となる獣が死んでしまうと、しばらく獣を出せなくなる。魔族大戦では、魔物に手を貸す者、魔物の味方をする者として、処刑されていた。サヨが所属する。


次回も楽しみにしててよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ