第71話 魔王様!変態くそおじさんが何か考えてますよ!
《魔王の城・謁見の間》
「悪魔斬りの武器は、我々がすべて壊しました!」
シルエラとベリトが会話している途中、帰ってきたフォラスがシルエラに報告した。
「でかしたぞ。フォラスよ、お前には役に立ってくれている。何か褒美はいらないか?」
「褒美は良いです。私はシルエラ様に従えられるだけで幸せです」
フォラスはそう微笑みを見せ、謁見の間から出て行った。
「フォラスは優秀な悪魔だな。信頼できるし、活躍してくれるしな…」
(…私はそうは思いませんがね)
ベリトはフォラスが、ベルゼブブ側の悪魔だと分かっていた。シルエラ様を裏切ろうとしている悪魔…
「…そうですね」
ベリトはそう言いながらも、フォラスの背中を睨みつけた。
「どーも、シルエラ様」
立て続けにベルゼブブが右手を上げ、謁見の間の横の穴から入ってきた。
「また来たか、たわけは帰れ」
シルエラはそう言って、ベルゼブブを突き放した。
(相変わらずシルエラ様は、ベルゼブブ様と仲が悪い…)
ベリトはシルエラの様子を見て、改めてシルエラとベルゼブブの仲が悪いことを実感した。
「今回は何もしないわよ。いつか私のモノになる城の内装と、悪魔達の顔を見に来ただけだからさ」
「は?何馬鹿げたことをいっているんだ?悪魔達はお前に渡さんからな」
「ウフフフ!ここもなかなかイイわね♪落ち着けるわ〜」
シルエラの言葉を無視し、謁見の間から見える景色を眺めるベルゼブブ。
「おい!ベルゼブブ!聞いているのか?」
「ここであの子と時を過ごすのね…キャー!考えただけで幸せになるわ〜!」
何かを想像しほわわ〜んとするベルゼブブ。
そんなベルゼブブにシルエラは、おかしなものを見るような目をする。
「フッ、なんだお前。意中の悪魔でもいるのか?そんな性格じゃあ、一生恋は実らんだろうがな」
「そんなこと言わないでよ!私が恋してるあの子、悪魔じゃないの。人間の女の子よ!も〜!あのサラサラな赤い髪に、美しい長い足…!は〜!」
“人間の女の子”と聞いたシルエラは、眉にしわを寄せた。
「人間の女に惚れたのか?まさか、ここに連れてくるとかないだろうな?」
「何を言ってるのシルエラ様。恋をした人と一緒に住むなんて当たり前のことでしょ!連れてくるに決まってるじゃない!」
ベルゼブブの言葉に、シルエラは青ざめた。
「はあ?お前、それマジで言っているのか?」
「マジよ。ここであの子と一緒に暮らすのよ。幸せな時をずっーとね、けど人間は寿命が少ないから永遠とはいかないかしらね…」
悪魔の寿命はほぼ不死に近い寿命を持つが、人間は長く生きれば100年ほど…
ベルゼブブは残念そうな顔をした。
「お前、あれだ。ここを離れて何処か遠いところで2人で暮らそう!的な考えはないのか?」
「ないわよ?私、最初からここで運命の人と暮らすんだって決めてたんだから!」
ウキウキするベルゼブブを見て、シルエラは呆れた様子でいた。
こいつにどうこう言おうが無理だな。
もし、連れてきたならば殺すだけのことだ、何を1人で焦ってるんだ…私。
「ここも見終わったことだし、私はお暇させてもらうわ。あっ、それとベリト」
ベリトはいきなりベルゼブブに名前を呼ばれ、驚いた。
「何でしょう?ベルゼブブ様」
「貴方、また私についてくる気はない?私、貴方が必要だって改めて思ったの。どう?」
「申し訳ありません、ベルゼブブ様。私はシルエラ様についていくと決めたので」
ニヤニヤしているベルゼブブの質問に、ベリトは即答する。
そうだ、ベルゼブブについて行ったって良いことなんてない。絶対ない。
「そう、残念ね。前はそうじゃなかったのにね、もうあの頃の貴方には戻らないのね」
「ええ、戻りません。私の過去をえぐらないでください」
「貴方も強くなったわね、ベレトもきっと貴方が強くなって喜んでるわ。次会うときは、私がここを牛耳っている筈だから。その時まで、じゃーね」
ベルゼブブはそうシルエラとベリトに言い残し、帰って行った。
「次会うときは、私がここを牛耳っている筈…か。馬鹿げたことを…!」
ベルゼブブめ、絶対に渡さんからな。悪魔と城は私が守る…絶対にな。
「シルエラ様、ベルゼブブには気をつけた方がいいと思います。何やら闇魔道士達とこそこそやっているそうなので」
「人間の闇魔道士達とか?」
「ええ、何をやっているのかはわかりませんが…気になって」
ベルゼブブ…お前は一体、何を考えているんだ?
《そして、その翌日。リカルダは…》
朝早くにオルダスに呼ばれ、オルダスの家の前の広場にいた。
「リカルダ。昨日、その剣が危険だからってドークらに使わなかっただろ?」
オルダスはリカルダよ腰にぶら下げている、剣を指差した。
「まあな。威力とか鋭さが凄すぎて、殺してしまんじゃないかって思った」
「だよな、悪魔斬りの剣は扱いが難しい。まず剣に慣れるのが1番だ。慣れてくれば、剣を自由自在に扱うことができる。よし、手始めにあの的を剣で壊して見てくれ」
「…わかった」
リカルダは剣を鞘から抜き、人型をした的に斬りかかった。
次回も見てくれたら、作者が喜ぶと思うぞ?




