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第64話 魔王様!何かしようとしてますよ?

《その頃、ウェルミナ達は…》


「この服はどうでしょうか?貴女様にぴったりと思いますが」


城につかえるメイドが、ウェルミナにドレスを勧める。


「そうね、これもいいわね〜。やっぱりこれも…迷っちゃうな〜」


うきうきし、服がかけられた棚を物色するウェルミナ。後ろで紅茶を飲みながら、ルアはその様子を眺めていた。


「女子ですね、ウェルミナさんも…」


肘を立て、手で頭を支えるような仕草をしながら、ジルもウェルミナの様子を伺っていた。


「女って本当にわかんねぇよな。服の話をすると、目ぇキラキラさせてよ。着れればいいって話よ」


「女子の場合は、服は着れればいいって問題じゃないのよ」


話が聞こえていたのか、ウェルミナがルアとジルの話に割り込んできた。


「見た目、スタイルの良さや可愛さ…それを引き立てるのが、服なのよ。服は女子の3番目に大事なのよ。あ、これも可愛いわね!」


ルア達にそう言うと、ウェルミナは再び服を物色し始めた。


「どう思います?ジルさん」


「さっぱりだ。わからん」


やっぱり女子の事は、男にはわからない。この光景からそのことを実感させられる。


「ですよね〜。乙女心って、いつになってもわかりませんよ」


「だな。上の女兵士に細かい事に気づいて欲しいって言われたから、気づいてやったら余計なお世話よ!なんてキレてさ…」


「ああ、わかります!どうして褒めてるのに、怒るんですかっていうやつですよ!」


ガチャ…


そんな会話でルアとジルが盛り上がっていると、ドアが開きそこにリカルダとリヒト大神官が入ってきた。


「二人共、今から『クーデリア』に行くぞ」


まずは体鍛えないとな。いつまでもこうのんびりしていてはダメだ。


魔王の話は後だ…今考えても仕方ない。


「『クーデリア』?何しに行くのよ?」


リカルダが答える代わりに、リヒト大神官が答えた。


「『クーデリア』でオルダスの修行を受けに行くそうだぞ。ジル、お前も一緒に連れて行ってもらえ」


「ええっ!?ふぁっ!?どうして、俺が?」


リヒト大神官の意外な言葉に、ジルは驚いた。


「お前にとってオルダスの修行は、勉強になるぞ。お前、確かレオンみたいに仲間を守れる兵士になりたいんだろ?」


「まあ、そうですが…」


「ははーん、もしやオルダスが怖いわけ?オルダスは『最強の傭兵』とか呼ばれていたらしいじゃない?まあ流石にアンタほどのお子ちゃまには、オルダスの修行はまだ早いか〜」


完全に舐めた口調で、ウェルミナはジルを挑発する。


「…やったらぁ!必ず修行で強くなって、お前を見返してやる!」


ウェルミナの挑発にのり、ジルはついていくようだ。


「決まったな、行くぞ。『クーデリア』へ」


こうして、リカルダとウェルミナとルア。そして、ジルはクーデリアへと旅立っていった。


《場面が変わり、魔王の城・大広間》


色とりどりのスライムの中に佇む、シルエラの元に訪れる悪魔が居た。


「シルエラ様!何のご用でしょうか!もしや、もしや、財宝探しとかですか?」


目をキラキラさせながら言うこの盗賊の姿の悪魔は、アンドロマリウス。

財宝という言葉に目が無く、宝にはすぐ飛びつく癖がある。


「こら!アンドロマリウス。静かにするザマス!シルエラ様が困っているザマス!」


腰に宝冠を結びつけた紐をつけ、美しい女性の姿をとった悪魔は、グレモリー。

宝石などのキラキラ光る物を好み、ご婦人感が半端ない。


「グレモリー、じゃあその腰に飾ってある、宝冠をくれたら静かにしてやるぜ?」


アンドロマリウスは企み顔をし、グレモリーの腰にある宝冠を指差した。


「いやザマス。これはワタクシの宝物ザマス…これを持ってないと落ち着かないというか…とにかく、これは渡さないザマス!」


グレモリーは宝冠を大切そうに抱え、アンドロマリウスから距離をとった。


「ちっ…別にいいじゃねぇかよ?一つぐらいよぉ〜?」


「しっしっ!来るんじゃないザマス。アナタの獣臭がワタクシに染み着くザマス!」


相変わらず仲が悪いな。


シルエラはグレモリーとアンドロマリウスの様子をスライムと戯れながら見ていた。


「2人共。落ち着きたまえ」


ワーワー騒ぐ2人の間に入るように、屈強な男の姿をした悪魔のフォラスが喧嘩を止めようとする。


「止めないでくれよ!フォラス!もう少しで取れるところだったのによ!」


フォラスを避け、アンドロマリウスはグレモリーから宝冠を奪おうとグレモリーを追う。


「やめるザマス!人の物を奪うなんて、犯罪ザマスよ!」


フォラスが止めようとしても、暴れ続けるアンドロマリウスとグレモリー。

こいつらはもう止められない…フォラスは、騒ぐ2人に呆れていた。


「随分と騒がしくなったな、アンドロマリウス、グレモリーよ」


これ以上喧嘩が続くと、話が切り出せないとシルエラは立ち上がりアンドロマリウス達に近づいた。


シルエラの言葉に、アンドロマリウスとグレモリーは静かになった。


「話をしよう。今回お前達を呼んだのは、お前達の能力“物を探しだす能力”で、“悪魔斬りの武器”を探し出してだな、破壊するということをしてもらいたいんだ」


“悪魔斬りの武器”は我々悪魔にとって厄介だ。

悪魔を一振りで倒してしまう威力があるそうじゃないか?それを使って勇者どもが攻めてきたら、ひとたまりもない。

悪魔、魔物軍の大損害は間逃れないだろう。


これから、勇者達が最終手段として使ってくるかもしれない。その前に破壊しておかないとな。


「“悪魔斬りの武器”…わかりました!喜んでさせていただきます!」


アンドロマリウスとグレモリー、フォラス率いる魔物の軍団が大広間から、飛びたっていた。


やっと行ったか。さてと、私はスライムの強化の続きをと…



とシルエラがスライムの強化をする姿を、物陰から見つめるレヴィアタンがいた。


(他の悪魔に頼ってばっかり…私にも出来ることはあるのに)


レヴィアタンは自分に頼ってくれないシルエラに不満が積もっていた。


(私はシルエラ様のためにこっちに来たのに…何も頼ってくれないなんて)


悲しそうな顔をするレヴィアタン。が、何かを思いついたのかハッとなる。


(そうか!シルエラ様が振り向いてくれるように、何かをすればいいんだ!そうしたら、私の事を頼ってくれる!)


レヴィアタンの頭にある人物の顔が浮かぶ。


(あの聖職者を…あいつを殺せば…!)


レヴィアタンは不敵な笑みを浮かべて、城から出て行った。


レヴィアタンは何を思いついたのか?


これが、この大陸を揺るがす事件の始まりだった。

ーキャラクター紹介ー


アンドロマリウス…盗賊の人間の姿をとった悪魔。キラキラしたものや、財宝などの宝が大好きでコレクションとして集めている。盗賊気質で他の悪魔のものを奪ったりする事が多く、度々怒られている。物を探し出す、物を盗む能力がある。

“ちっ…別にいいじゃねぇかよ?一つぐらいよぉ〜?”


グレモリー…金髪の髪を持った美しい貴婦人の姿をとった悪魔。アンドロマリウスと同じく、宝石や豪華なものを好む。アンドロマリウスとも仲が悪いが、リリスとも仲が悪い。

物を発見する能力、探知能力がある。

“やめるザマス!人の物を奪うなんて、犯罪ザマスよ!”


フォラス…屈強な体つきをした男の姿をした悪魔。論理学、石学にも優れ悪魔の城では先生のような立ち回りをしている物知り。度々城を抜け出しては、薬草を取って帰ってくるなど薬草学にも優れている。

“2人共。落ち着きたまえ”


次回も見るザマス!

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