第58話 魔王様!これだから倒しにくいんですよね
《場面が変わり、ウェルミナは…》
ウェルミナ目掛け、沢山紫の槍が飛んでくる!
ボボボーッ!
飛んできた紫の槍は、ウェルミナに当たらず地面に落ち、爆発を起こした。
「まだ、追ってきてるの?」
何時間も過ぎたというのに、闇魔道士は懲りずにウェルミナを追いかけている。
これまでずっと走っているので、ウェルミナの体力に限界が近づいてきていた。
隠れる場所はないかと、狭い道の中を探す。
ボォォーッーン!ボーッン!
探している最中、ウェルミナ後ろから紫の槍が飛んでき、爆発を起こす。
「キャァ!」
ウェルミナは突然の後ろからの衝撃に、転んでしまう。
(体が痛い…けどこのままじゃ…)
ウェルミナは捕まりたくないという気持ちから、再び立ち上がり走り出す。
(何か振り切る方法は必ずある…!まずはこいつらを巻いて…!)
そう考えている内に、ウェルミナは広い街道に出た。
ウェルミナは後ろ振り向く。何故か今さっきまで居た闇魔道士達は追ってきていなかった。
振り切れたとしても、また追ってくる可能性がある。
誰かに助けてもらおうと、冒険者を探すも周りには誰もおらず。シンと静まり返っていた。
「あら〜、見ないと思ったらここにいたのね」
声のする方を見ると、そこには顔に大量のヒビが入ったネビロス。
その恐ろしい様相に、ウェルミナの顔が強ばる。
「その様子だと、まだ本はあいつらに渡してないみたいね。良かったわ。例え渡されたとしても、あいつらから力ずくで奪うんだけどね」
フフフッと不敵な笑みを浮かべながら、ウェルミナに近づいていく。
「随分、あいつらに追いかけられているみたいね。そのまま貴女が持っていても、あいつらに追いかけられるだけよ?」
「別にいいわよ。そんなこと、アンタがどう言おうと、絶対この本は渡さないから!」
ウェルミナはそう言い放つと、一歩後ろに下がった。
ウェルミナの返事に、ネビロスはムッとした顔つきになった。
「別にいいわ、貴女から奪うだけのことなんだからね!」
ネビロスは地を蹴り、ウェルミナに接近する。その時だった…
ヒュッン!
上から何者かが降ってき、ネビロスを上から斬ろうとする!
ガキーッン!
ネビロスはそれに気づき、巨大化した腕で剣を防ぎ人物を前に飛ばした。
降りかかってきた人物は、ネビロスに立ち塞がるように、着地した。
「…ウェルミナ、大丈夫か?」
人物は、ウェルミナの方を振り向きそう言った。
「…り、リカルダ…!アンタ!」
ウェルミナはさっき見たあの少年のことが気にかかり、思わず言葉が詰まった。
リカルダはそう言った後、ネビロスの方に向き直ると、ネビロスに再び攻撃を仕掛ける!
「貴方、誰よ!」
ネビロスは止まらずに出てくる、リカルダの攻撃をかわしていく。
こいつ…!
リカルダはすぐに分かった。この悪魔は、ライムが堕天した悪魔だと…
そんなことは関係ない、こいつは敵の悪魔だと、自分に言い聞かせ、リカルダは攻撃を止めないでいた。
「…あの子のお友達かしら!」
ネビロスは腕を大きく振り上げ、リカルダを押し潰そうとする!
リカルダはそれを避け、ネビロスの横へと入る。
悪魔はただの斬撃では、効き目がない!
電流を纏う剣で、リカルダはネビロスを斬った。
バリバリバリッー!
激しい電流の音と共に、ネビロスの体にヒビが入る。
「あああああっ!痛いっ!痛いわ!苦しいっ!イヤァァァァア"ァァァ!」
この世のものと思えないほどの声で、もがき苦しむネビロス。
苦しむネビロスを見て、リカルダは思わず目をつむった。
やがて電流もおさまったところで、ネビロスはゆっくりと顔をあげる。
そのネビロスの顔はヒビだらけ。体も腕も足も赤いヒビで張り巡らされていた。
「許さない…許さないんだから!」
まだ電流が体に残っているのか、おぼつかない動きで、ガラガラ声に近い声でそう叫んだ。
攻撃をするのも今の内だ。とリカルダは再び攻撃を仕掛けようとすると…
「やめて下さい!」
横から聞き覚えのある声が、リカルダの耳に入った。
横に振り向くと、そこには息を切らしたサリーが居た。
「!サリー?何でここに!」
ウェルミナの言葉に答えず、サリーはこう言う。
「やめて…ライムさんを傷つけるのは…!」
サリーは涙を流しながら言う。
「ライムさんは何も悪くありません…どうか攻撃しないで下さい…」
「サリー!こいつはライムじゃないの!私達の敵の悪魔なのよ」
「悪魔じゃない!…ライムさんの苦しむ姿はもう見たくないんです!」
ウェルミナが説得をするも、サリーは更に泣き出した。どうやら逆効果だった様だ。
「サリー…」
サリーの言葉を聞いて、リカルダは攻撃をしにくくなった…いや、出来なくなった。
じゃあどうすれば、いいんだよ…
リカルダはどうこれを対処するか、考えていた時…
「よそ見しないでくれるかしら!」
ネビロスがリカルダの腹を思い切り蹴り、リカルダをふき飛ばした。
次回も見てくれほす!




