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第5話 魔王様!何をしたのですか?

リリス達が勇者を始末した後の事、シルエラは城にある湖に来ていた。


「新しい強い魔物を…か」


シルエラは水面をゆっくりと歩く。


《少し遡り、城最上階では》


シルエラは城の最上階に登り、リリス達の様子を見ていた。


「あいつらちゃんとやっているな。感心だ」


暫らくリリス達の様子を満足そうに眺める。


「あの…シルエラ様」


声をかけられ、声のする方へと顔を向ける。


「お前は…アスタルトじゃないか?どうした、この私に何か用か?」


髪を胸まで伸ばした女の子がそこに立っていた。片手には本、後ろにはゴツい竜を連れている。


「はい、戦力となる魔物の事なんですけど、もっと強い魔物が必要です」


シルエラはアスタルトの言葉に目を細める。


「今いる魔物は人間に知られていて、簡単に攻略できる魔物ばかり。勇者に簡単に倒されてしまいます」


現在、図書館などに行けば簡単に魔物の事を知れる時代。

主に魔物を研究する“魔生物学者”のおかげで、世界中にいる魔物を攻略する事が簡単に出来る状態になっていたのだ。


「戦力を高めていく為には、新しく強い魔物が必要です。どうかご検討をお願いします」


《そして現在》


「新しく強い魔物か…急にそんな事言われてもな…」


シルエラは考える仕草をする。


「はっ!そうだ!」


シルエラは湖に手を入れ、誰かの手を引っ張りだす。


それは先ほど魔物達が殺した槍を持った勇者の一員と思われる男の死体。腕の模様にはSランク。


「これは使えるんじゃないか…?」


ニタァと笑みを浮かべるシルエラ。


シルエラが思いついた事とは…?


《シルエラが湖でニタニタしている頃、謁見の間では…》


アドラメルクが謁見の間に3匹の悪魔を呼び出していた。


貴族の衣服にフクロウの頭、そして背中に羽が生えたアンドラスと呼ばれた悪魔は、アドラメルクを見て、


「旨そうな鳥だ…殺してやろか?」


アドラメルクを見て舌なめずりをし、鋭い剣をとる。


「何する気だ!やめろ!私はシルエラ様の執事だぞ!」


「シルエラ様の執事…?聞いた事ありやせんね…?」


アンドラスの背後から、犬の背中に翼が生えた姿のグラシャが出てくる。


「どうしやす?殺しちゃいやす?」


「殺してやろうか?殺してやろうか!?」


アンドラスとグラシャが、顔を合わせ楽しそうに話すのを尻目に、緑の洋服をきたレラジェがアドラメルクに近寄り、


「アドラメルク。俺達を呼んだのは何か俺達にようがあるからだろう?早く用を話せ」


レラジェがはやくせぇよとアドラメルクに尋ねる。


「お前に言われなくてもわかってる。今回お前達を読んだのは、お前達の持つ、“不和、戦争を巻き起こす能力”で、人間と人間の間に戦争を起こして欲しいのだ」


シルエラはまず力で潰すよりも、人間の間に戦争を起こし人口を減らすことを優先した。

人口が減ると、勇者も減る。シルエラはそう考えたのだ。


「戦争?戦争よりも私は、皆殺しがしたいんだが?」


笑みをこぼしながら、話すグラシャとアンドラス。


「ダメだ!皆殺しにはしてはダメだ!お前達がやった事がバレると、我々悪魔の長のシルエラ様が狙われるだろ!」


アドラメルクはそれを必死に食い止める。


「大丈夫でやす!シルエラ様の力なら勇者なんてコテンパンでやすよ!」


「これはシルエラ様の命だ!シルエラ様の命は絶対なんだぞ?っておい!聞いてんのか!」


アドラメルクがアンドラス、グラシャを鋭いくちばしでつつきまくる。


「痛い!やめろ!本気で殺してやろうかァ!」


「痛いでやす!レラジェ、助けてでやす〜!」


グラシャはレラジェに助けを求めるも、レラジェは助けようとせず、ただ面白そうに見ているだけ。


「誰か〜!助けてでやす!」


グラシャが助けを求めた時だった。


「アドラメルク。やめてあげたらどうだ?」


と階段の方からシルエラの声が聞こえる。


「はっ!?シルエラ様…!?」


階段からはシルエラではなく、見たこともない悪魔が立っていた。


片手に槍を持った体格の良い男。頭の上部には紫のシミ…

その姿を見たアドラメルクは酷く驚く!


「ゆ、勇者だ!!シルエラ様ァァァ!」


アドラメルクは慌てふためきシルエラに助けを求める。


「勇者が生き返った!?そんな筈はァァァ!うおっ!ごおっっっ!」


パニックから奇声を出すアドラメルク。


「おいおい煩いぞ。アドラメルクもうちょっと静かに…」


男の背後からシルエラが耳を塞ぎ、出てくる。


「しっ!シルエラ様!はっはは…」


アドラメルクはシルエラの姿を見ると、床に倒れてしまった。


「大丈夫でやすか!?」


グラシャはアドラメルクを揺らすも起きない。


「気にするな、時間が立てば戻る」


シルエラは階段から謁見の前の中心へと移動する。


「今日からお前達と一緒に戦争を起こしてもらう事になった…」


シルエラは背中を押し、男を前に出させる。


「アミーだ。宜しく頼む」


アミーと名乗った険しい顔つき男は、アンドラス達に頭を深々と頭を下げる。


「こいつもお前達同様、不穏、戦争のタネを振りまく悪魔だ。こいつと一緒に行動してもらう!」


姿形が勇者の一員の男と激似の新しい悪魔アミー。シルエラは男に何をしたのだろうか?


一方その頃、スライム退治に出て行ったリカルダとウェルミナは…

ーキャラクター紹介ー


・フルーレティ…白い髪を横に束ねた美しい女性。白いドレスを身にまとい、人々を魅力する。他にも探知する能力、雹を降らせるという能力があるが、あまり使っていない。

“まだよ。私の能力はそんな便利じゃないの”


・バフォメット…黒いヤギの角を生やした少女。フルーレティとのお揃いの白いドレスを着用している。天然で不思議っ子、偶に意味深な発言をする。

“はぁい!私もやる!”


・ブエル…赤いライオンの頭にヤギの手足が生えた悪魔。移動する時は体を縦にして転がりながら移動する。治癒能力があり負傷した魔物などの治療を進んでしている。

“勇者が城に侵入してきました!”


次回もみてくださいまし!

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