第40話 魔王様!恨みって怖いですね!
今回は短めです
《無事サリーを助け出したその頃、グランツテイルズでは…》
目の前に映る見覚えのある顔。
緑の長髪に、黒い瞳…その姿はまさしく、闇魔道士に殺された私のお母さんだった。
“ライム、こっちにおいで…”
優しく微笑んで、私に手招きをする。
いや、いけない。私には大切な仲間がいるの。
グランツテイルズっていうギルドで、私のことを思ってくれて…
すると、お母さんの顔が少し怖くなった。
“そう、そうなの…”
「…はっ!」
…夢?
眠りから目を覚ましたライムが居た。
「…お母さん?」
あの顔は確かにお母さんだった。なんで、夢の中に…?
ライムはベットに座る体勢になる。
“ライム、ライム!”
何処からか、女性の声がする。
「お母さん?」
女性の声はギルドの玄関から、聞こえてくるようだった。
ライムは部屋を飛び出し、階段を降りる。
受け付けで寝ていたルアを起こさないように、ギルドを出る。
“ライム、こっちよ”
今度は横の路地裏から聞こえてくる。
「どこなの?」
路地裏に来るも、ライムのお母さんらしき人物はいない。
“どこ行ってるの、こっちよ”
次は郊外の方から声がし、ライムは郊外へと足を運ぶ。
「お母さん…?どこなの?」
夜の郊外は全く人気がなく、シンと静まり返っていた。
「ねえ!」
と声をかけても、さっきまで聞こえていたお母さんの声も聞こえなくなっていた。
聞き間違い…かしら?確かにお母さんの声が…
ライムは疑問に残りつつも、ギルドへ引き返そうとしたその時、
「あらあら、のこのこと騙されて…」
白い長髪を横に束ねたフルーレティが、夜闇から現れる。
目は赤く光り、ライムを鋭い眼光で睨む。
「ホントに人間は、馬鹿だわ」
「貴女…悪魔ね」
ライムはフルーレティが悪魔だと瞬時にわかった。
悪魔は興奮すると目が赤く光る…そのことを知っていたのだ。
「何の用?」
ライムはフルーレティをから距離をとり、逃げる準備をしていた。
ライムは冒険者でもない、ごく普通の町人。
悪魔と戦うなんて、無理にも等しい。
「ちょっとね…復讐かしら?」
フルーレティは氷の剣を作り出し、ライムに襲いかかる!
「っ!?」
ライムは逃げようとするも…
グシュッ!
ライムの脇腹に氷の剣が突き刺さる!
「フフフッ…!」
フルーレティはライムの脇腹に氷の剣を突き刺し、横に振るう!
グシャッ!
ライムの血が飛び散り、道を彩った。
「うっ…」
フルーレティに脇腹を斬りつけられ、ライムは後方に下がる。
「あら?普通は倒れるものなのに、貴女意外と根性あるのね」
これと比べにならないほどの痛みを、何年に渡って味わってきたライム。
これくらいの攻撃、あの痛みよりマシだわ…
と言っても、大量に流れ落ちるライムの血。
ライムの意識が朦朧として来た。
…私、ここで終わるのかしら?
「だとしても、もう貴女の体は持たないでしょうね」
ライムの脳裏に皆との思い出が浮かぶ。
ギルドの皆、マスター、リカルダとウェルミナ、ルア、そしてサリー。
「終わりよ!」
もう一度、もう一度だけでいいから…
フルーレティは氷の剣を振り上げる!
みんなの顔を…
ライムの瞳から涙がこぼれた。
…見たかった…な
ズシャァァッ!
肉を切り裂く音が町中に響いた。
ライムの視界がいっき暗くなり、一筋の光がさしこむ。
ライムは光を掴もうとするが、
何度も手を伸ばしても光を掴むことが出来ない。
ライムの体は徐々に闇に包まれていった…
次回も見るがよい!




