第38話 魔王様、渓谷でスリルドライブです!
サリーは直様、木に光鎖をくくりつけ、足場へと移動する。
ボゴゴゴォッ!
さっき居た足場が竜によって破壊される!
正面からの竜の顔を見て、サリーは理解した。
(地竜…!)
地竜…地のように大きい巨大に、蛇のような要素を持つ竜の一種。普段はめったに動くことはなく、地の奥深くで眠っているらしいが…
地竜はサリーの方へとゆっくりと向き、サリーに襲いかかる!
(えっ…まさか、私が狙われている!?)
地竜はサリーの足場を崩そうと噛みにかかる!
バギッ…バギッ…
サリーの足場に亀裂が入っていく。
(やばい!早く移動しないと!)
キャリリリッ!
鎖を次の足場にくくりつけ、飛び移る!
ガラシャーッ!ガラララッ…
足場から飛び移った瞬間、地竜の歯で居た足場が粉々になる。
地竜は再びサリーに襲いかかろうとする!
(飛び移れる場所は…あった!)
サリーは光鎖を発動し、反対側にある足場に着地しようとするが!
ガシャァァッ!
(えっ!?)
着地しようとしていた足場が、地竜によって壊される!
「キャァァーッ!」
光鎖も消え、サリーは空中に放り出される!
(何処か掴まる場所は…!)
サリーは必死に掴まれる場所を探していると…
ゴツッ!!
硬い何かの上に乗り、体全体をうつ。
「痛っ…」
(なんとか着地できたみたい…へ?)
サリーが着地したのは、足場ではなく地竜の頭だった。
ブブン!ブブーン!
地竜はサリーの存在に気づき、サリーを振り払おうとする!
「嫌ァァァッ!」
地竜の激しい振り払いにサリーは鱗にしがみつく。
「!?サリー!」
ようやくサリーを見つけたウェルミナ。サリーが置かれている状況見て、目を見開いた。
(今すぐ助けに行かないと…!でもどうやって…!)
ウェルミナは騎士。物理攻撃はできるものの、遠距離攻撃の魔法は使えない。
「おーい!ウェルミナちゃーん!」
とウェルミナの後方から、ポチに乗ったイグナとリカルダがやってくる。
「!?さっきのウルフファング!」
ウェルミナはレイピアを抜く!
「あーやめてやめて!このウルフファングは君を襲わないよ!」
「獰猛なウルフファングが襲わないことなんて…」
「ウェルミナ、こいつの言っていることは確かだ」
イグナの背後から、リカルダがひょこっと顔を出す。
「リカルダ!?なんでアンタがここに?」
「助けに来たんだよ。お前とサリーを」
ドオオオオォッン!
と地面が激しく揺れる。
「キャァッ、何?」
ウェルミナ達が崖の下を覗き込む。
そこには崖に頭を突っ込む地竜が居た。
「っ!?サリー!」
ズズウウウウウゥゥッ!
地竜は崖に頭を突っ込んだまま、崖を沿って突き進む!
「まずい…ウェルミナちゃん!乗って!」
「早く乗れよ!」
戸惑うウェルミナの腕を掴み、ウェルミナを引き上げる。
「ちょっ…!」
「よし、ウェルミナちゃん!しっかりリカルダに捕まっててね!」
言う間もなく、ポチは崖沿いを素早いスピードで駆け抜けて行く!
「ちょっ、早い…!」
暫らくしてポチは地竜と横に並ぶ。
「サリー!」
(この声はウェルミナさん?)
ズズズズッー!
砂埃が舞っているため、サリーは前をよく見えないで居た。
が、はっきりウェルミナの声は聞こえていた。
ボゴォッ!ゴゴゴゴッ!
飛び散ってきた沢山の岩がサリーを襲う!
「キャーッ!」
岩が体の至るところに当たる。
痣だらけになっている腕で力強く鱗にしがみつく。
(…いつまでこうしてればいいの?)
硬い鱗を強く握って踏ん張っていたサリーだが、そろそろ限界が近づいてきていた。
力を抜いたら離れてしまうというほどの、激しい地竜の動き。
「助けて下さい!もう限界です!」
手がプルプルと震え、今にも落ちそうなサリー。
(も、もう限界…)
サリーの手が離れようとしたその時だった。
サリーの目に一輪の花が映る。
その花は白く、淡く光っており不思議な雰囲気を漂わせている浄草だった!
(あれだ!あれが浄草!)
手を伸ばし取ろうとするも、取れない。
(もっと…もっと!近くに!これを届ければ、ライムさんは…!)
と奮闘するも、取れずに通り過ぎる。
(このチャンス…逃がしはしない!)
「光鎖!」
キャリリリッ!
光と共に金属音が渓谷に鳴り響いた。
ー固有名詞、マップ紹介ー
地竜…タオゼントの渓谷に眠っていた竜の一種。フルーレティにより、サリーを襲うよう命令された。蛇のような巨大で“地を這う蛇”という異名を持っている。
また見て欲しいッス!




