第36話 魔王様、訪問者ですよ!
《丁度その頃、魔王の城》
魔王の城・門前ではダンタリオンとアロケルがいた。
「ふん♪ふ〜んふんふんふふ〜ん♪」
ダンタリオンは石橋に座り、湖に泳ぐ魚を眺めている。
「…なんで貴様が居るんだ!!」
ダンタリオンの存在に気づいたアロケルは、ダンタリオンに向かって怒鳴る。
「いいじゃん、ダンタリオンはここがいいんだよ」
アロケルの怒鳴られているのに、ダンタリオンはご機嫌な様子だった。
「今すぐ立ち去れ!失せろ!」
「酷い!酷すぎるよぉ〜!お前、ダンタリオンに対して酷いよね。リリスにはあんなに優しいのに」
ダンタリオンはアロケルを睨みつける。
「そ、それはあれだ!上下関係だ!」
「上下関係にしては、妙に変だね?何、お茶って…」
あたふたとしだすアロケルを見て、ダンタリオンは企んでいるような笑みを浮かべる。
「アロケル、お前リリスが好きなんでしょ?」
「…な、何を馬鹿げたこと!」
顔を真っ赤にしながら、ダンタリオンに吠えるように怒鳴った。
怒っている…いや照れている様子だ。
「それより、貴様!さっきガープに呼ばれていただろ?行かなくていいのか?」
話題をずらすかの様に、アロケルはダンタリオンに問う。
アロケルの問いかけに、ダンタリオンはマズそうな顔をする。
「…いいよいいよ!」
「貴様、ガープに叩きのめされるぞ」
アロケルはダンタリオンを可哀想な目で見る。
「…もう嫌なんだよ!戦わせられんのは」
「戦わせられる…?どういうことだ?」
「ガープの作った魔物と戦わせられるんだよ。どうやら、人間から作った魔物で…」
「冒険者ランクはSランク。並の冒険者より、遥かに強くて知能も高い…」
聞き慣れた声が聞こえてくる。ダンタリオンは恐る恐る後ろを振り向く。
「やあ、ダンタリオン。こんなところにいたんだ」
ニコッと微笑むガープを見て、ダンタリオンは大量の汗を流す。
「ガープ…なんでここに…?」
「君がなかなか来てくれないから、来ちゃった」
ガープの声が威圧が含まれた低い声になる。
「さあ、行こっか…」
ガープはダンダリオンのフードを掴み、ダンタリオンを無理矢理引きずる。
「痛い痛い痛い!摩擦が!摩擦がぁっ!」
「痛い?苦しい?もっと苦しんでいいよ」
ガープは冷たい表情をダンダリオンに送る。
「やめて!うおっうわぁあああぁぁぁっ!」
「じゃ!アロケル、足止めしておいてありがとうね」
ガープは爽やかスマイルをアロケルに送り、城へと消えて行った。
「…あれはもう助からんな」
ご憂愁様だなとアロケルは再び、場所につく
。
と、黄色の髪に九本の尻尾の獣が石橋を渡ってきていた。
「お主、古い蛇は何処にいる?ちょいと、お茶をしようとおもうてのぅ」
話しかけてきた人物に、アロケルは目を開いた。
「あなたは…!」
城をおとずれに来た獣の正体とは?
《そして、サリーは…》
サリーはタオゼントにおとずれようとしていた。
テロリアとタオゼントは意外と距離が近い。馬車で3時間かかったが、マシな方だ。
タオゼントより高い岩から、谷の様子を伺おうとする。
「よく見えないな…」
谷は濃霧がかかり、よく前が見えない。
「降りてみようかな?」
と岩から降りようとするが、足がすくみ降りれないでいた。
サリーはリカルダとゼーレが話していたことを思い出していた。
“ヒスイの森と並ぶ危険区”
“冒険者ランクSランクの冒険者でも行くことが困難とされる谷”
(でもここに行かないと…ライムさんが…!)
ズズッー!!
サリーは思い切り、急な岩を滑り谷底へと着地する。
霧がかかっていたのは上空だけだったようで、肝心のタオゼントには霧がかかっていなかった。
着地すると、サリーは直様戦闘体勢に入る!
(ここは、タオゼント…身を引き締めて行かなきゃ!)
Sランクの冒険者でも困難だとというタオゼント。
油断したら死ぬ…
サリーはそれを心に秘め、気を抜かず谷に突き進む。
(どこなの?浄草は…!)
キェェエエッ!
待ち伏せていた魔物がサリーに襲いかかる!
「光鎖!」
キィィイイィ…!
金属音のような音を響かせると共に、魔物達が光の鎖によってくくりつけられる!
(あれ?魔物は思ったより強くない!)
サリーに自信が湧いてきた。
これだったら、魔物に左右されることなく浄草探しに専念できる…!
ギヤァアアアッ!
「えっ…!」
つい先に光鎖で縛っておいた筈の魔物達がサリーに迫っていた!
ー固有名詞、マップ紹介ー
堕天…怨念を持った魂が、肉体になり悪魔になること。怨念の魂が全て悪魔になるということはなく、確率で悪魔になる。なる過程は解明されていない。
また見てよ?




