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第31話 魔王様!喧嘩が発生からの…ボッチ発生です!

《ライムが倒れた日から何日か過ぎ、グランツ・テイルズでは…》


「ライムさん!」


バンッ!!


依頼を終え帰って来たサリーが、扉を勢いよく開け部屋に入ってくる。


「おいおい、もっと静かに入れんか…」


呆れるゼーレをよそに、サリーはライムが寝ているベットに駆け寄った。


「ライムさんっ!大丈夫ですか…!?」


サリーはライムの体にある赤黒いシミを見て目を見開いた。


(また発症してる!この前と同じだ…)


「これは…何なの!?」


ウェルミナもライムの赤いシミを見て驚いていた。


「…それは禁術の一つ、残虐呪(ブルタール・フェアフルーヘン)です」


倒れたライムの看病をしていたと思われるルアがウェルミナに教えた。


「禁術…?」


残虐呪(ブルタール・フェアフルーヘン)、呪った者を…苦痛に追い込む術…」


キョトンとするリカルダに、バニラは答えた。


7つの禁術の一つ、残虐呪(ブルタール・フェアフルーヘン)。この呪いにかかった生物は、死ぬまでこの術に苦しむはめになる…苦痛を与える術で、昔愚問用に使っていた。


「ライムさんは過去に、闇魔道士に禁術をかけられたんだ」


「…可哀想過ぎる」


メンバー達のすすり泣く声が聞こえ、空気がいっそう重くなる。


「何か治す方法は…ないの?」


「まぁ、あるのはあるが…」


ウェルミナの質問に、ゼーレは言いたくなさそうに言う。


(この呪いを治す方法がある…?)


「マスター、どんな方法なんですか?」


サリーが凄い剣幕でゼーレに言った。


言え、言わなかったら許さん…!というような睨みに、ゼーレは話したくなかったが、サリーに言うことにした。


「幻の薬草、浄草(パージグラス)で治せるんだがな」


浄草(パージグラス)…奥深い山中にある大変貴重な薬草。見つけ出すことが困難だとされ、幻の薬草と呼ばれる。これを使うと強力な呪いなどを解くことができるという。


浄草(パージグラス)はヒスイの森と並ぶ危険地区『タオゼント』にあってだな。入手が大変難しいんだ」


「それに…浄草(パージグラス)は見つけたら奇跡と言っていいほどの希少な薬草。行って必ず見つかるという保証はない…」


バニラがゼーレの説明に、付け足すように言った。


「僕らA.Bランクの冒険者が『タオゼント』行ったら…」


殺されてしまう。それほど『タオゼント』は危険なのである。


「大丈夫よ!皆で力を合わせれば…!なんとか…!」


「…無理だよ。Sランクの私でも無理なんだから…」


ウェルミナは皆に言うも、バニラに抑えられてしまった。


「こうやって、治るのが待つのが1番だな…」


「そうだな。浄草(パージグラス)なんて取れる訳がないからな…」


完全に皆が諦めている。

この場で「浄草(パージグラス)取りに行きましょう!」なんてしつこく言ったら、皆から嫌な目で見られるだろう。


それから、ライムの部屋を出てサリーは…


「サリー…?」


(やっぱり…ライムさんのためにも!)


「私、浄草(パージグラス)取ってきます…!」


「待てよ」


リカルダの言葉にサリーは足を止める。


「『タオゼント』勿論知ってるよね。そこ冒険者ランクSランクの冒険者でも行くことが困難とされる谷。Bランクのお前が、通用すると思う?」


サリーの手の甲に描かれている、“Bランク”というものを見てリカルダは言った。


Bランクの冒険者がタオゼントに行くなんて、自殺行為と同じだ。


リカルダはサリーに行って欲しくない。死んで欲しくない為に言った。


「けど、浄草(パージグラス)を手に入れないと!ライムさんが…!ライムさんが…」


(これ以上、ライムさんに辛い思い、苦しい思いをして欲しくない!)


「リカルダさんは、ライムさんに一生苦しめって言うんですか!?」


(ライムさんのことを知らない癖に…!)


「いや、そんなことは!ただ、お前に行ってもらいたくないだけで…!」


「もういいです!」


サリーは人混みの中へと消えて行った。


「ちょっと待ってよ!サリー!」


グイッ!


サリーを追いかけようとするウェルミナを引き止める。


「…何するのよ?」


「行くな」


「は?」


「行くなって言ってるんだ。お前には行って欲しくない」


「じゃあ、サリーはどうすんのよ!このままだと、魔物にサリーが殺されちゃうじゃない!」


「それは…おr「アンタ…サリーを見捨てるっての?」


ウェルミナの威圧にリカルダの顔が固まる。


こ、これはマジギレの顔だ…


「アンタがそう言う人だとは思わなかったわ…残念よ。アンタがそこまで冷酷な人だとは思ってもいなかったわ」


「ちょっ…お前、俺の話を最後まで聞け!」


「アンタってそう言ってね…!」


い、いいずらい…


ウェルミナから降りかかってくる圧力に、リカルダは本当の事を言えなかった。


「お前が死んだら…どうすんだよ!」


リカルダは声を振り絞ってウェルミナに言う。


「俺はお前のことを思って…」


「また、そうやって言い訳して!もう、ついていけないわ…」


ウェルミナはレイピアを装備し、ギルドを出て行く。


「お前、どこ行くんだよ?」


「決まってんでしょうが!サリーを助けに行くのよ!さようなら、2度とその面見せないで!」


ウェルミナはリカルダを精一杯睨みつけると、人混みを割って走って行った。


「ま、また…1人かよぉぉぉぉっ!」


まだ、あの時の災難が続いていたか…


リカルダは虚しく1人で佇むのだった…。

ー固有名詞、マップ紹介ー


浄草(パージグラス)…どんな呪いでも解けるという呪い解除の幻の薬草。険しい谷に生え、見つけるのが大変困難だとされる。


タオゼント…険しい谷のダンジョンのこと。Sランクの冒険者でも攻略が難しく、ヒスイの森と並ぶ危険なダンジョンでもある。そこにだけ、浄草(パージグラス)が生えるという。


また見て下さいっ〜!

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