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第28話 魔王様、新勇者対悪魔、どちらが勝つと思います?

「そんなに怖がらないで下さいよ」


リカルダはベリトを警戒していた。


夢に出てきた悪魔…


朝夢で見た悪魔と見た目が完全に一致。

動作もそうだ。赤く光る目でニコッと笑う動作…


リカルダは緊張のあまり、唾を飲む。


それにこいつ!ただ者じゃない!


今まで戦ってきた奴とは格が違う…!

強者となれば、対峙するだけで雰囲気がガラリと変わる。


冷たく威圧感に包まれた空気の中、リカルダは剣を構える。


「剣の構え方も立派なものですね。流石ですね、テロリアの英雄なる傭兵として務められていた勇者ハイルの息子様」


父さんを知っているのか?

それに、傭兵だったってことも知っている…


「今日、貴方に会いに来たのは、理由があるんですよ」


フィュッン!


ベリトは鋭い剣を横に振るう!


「俺を殺しに来たんだろう…?それくらいわかる」


スッー!


リカルダの頬に切れ目が入り、切れ目から血が流れる。


剣を一振りしただけで…こいつ…!


ベリトと対峙しただけで、リカルダは勝てないと確信していた。


こいつの攻撃を避け続ければ…勝ち目があるかもしれない。


「話が早くて助かります。では…」


ベリトの目が赤く輝くと、


バシュッン!


目にも留まらぬ速さで、リカルダに急接近する!


っ…なんて速さだ!


バキィッン!


リカルダはベリトの剣を防ぐ!


「!?」


速い…速くて剣が見えない!


リカルダはなんとか勘で、剣を受け止めている様だ。


リカルダは笑みを浮かべるベリトに剣を振るう!


ガキーッ!ガキィィッ!


ベリトの攻撃とリカルダの攻撃が炸裂する!


「苦痛の(ペインブレード)


フウゥゥッ!


ベリトは怪しく光る剣で、リカルダの左腕を斬る!


「くっ…!」


斬った傷口から黒い染みが広がっていく!


これは…!


腕の異変に気づいたリカルダは、ベリトと距離をおく。


「苦痛の(ペインブレード)。ちょっとした攻撃をさせて頂きました」


ベリトは刃を指でなぞる。


「それは、いわゆる“呪い”です」


ズキッ…!


リカルダの左腕に激しい痛みが走る!


「効果が出てきましたか。時間をかけて、貴方を痛め続ける刃の呪い…。時間が経過するにつれて、痛みも増すという鬼畜な技です」


ズキズキッ…!


リカルダはあまりの痛さに左腕を強く抑える。


「貴方を死ぬまで蝕み続ける…どうです?勇者ハイルの息子様?」


ジュリ…!


「次は…右腕ですね」


ベリトは水底を強く踏み、リカルダの右腕を狙う!


リカルダは痛みに耐えながらも、ベリトの攻撃を剣で受ける!


ギィイーッ!バキィン!バキーッ!


金属音が鳴り響き、ぶつかり合うとともに火花が散る!


「フフッ…」


ベリトは自分の命をかけて戦っているというのに、笑みを絶やさない。


リカルダとの戦いを楽しんでいるように見える。


それに対し、リカルダはニヤニヤ笑うベリトを気持ち悪いと思ったのか、ベリトを睨みつけた。


リカルダにとっては、僅かでも油断をすると命を落としてしまうという極限状態。それを尻目に、ただ笑っているベリト…。


リカルダの額に汗が滲む!


炎衝斬(フレイムクラッシュ)!」


炎を纏わせた剣でリカルダは、ベリトの首を狙う!


フウッン!ブウゥッン!


ベリトはリカルダの剣を避け、横からリカルダを剣で斬りつけようとする!


「…こっちか!」


リカルダはベリトの攻撃を剣で受けようとするが…!


フヒュッン!


ベリトの姿が目の前から消える!


消えた…!?


「横ですよ。どこ見ているんですか?」


右横から、ベリトがリカルダの首に鋭い剣を突き刺そうと迫っていた!


「…っ!」


ギィッ!


リカルダはベリトの剣を弾く!


ズッー!


すると、ベリトは素早くリカルダの後方へと移動しリカルダの背中を狙う!


「次はこっちか!」


ズキッー!


「う"っ…!」


リカルダの左腕に、味わったこともない痛みが走る!


ブシューッ!


ベリトの剣がリカルダの右腕を襲う!


「あああああっ!」


リカルダの右腕から血が吹き出す!


「はあーっ!はあーっ!」


リカルダは息を荒くし、痛みに耐えようする!


フィィユッ!


ベリトは剣についたリカルダの血を払った。


「…もう終わりですか?」


泉に膝をつくリカルダにベリトは、つまんなさそうな顔をして近づいてきた。


(勇者ハイルの息子のわりには…あまり強くないですね。子供だから、それは当たり前か…)


「その様子だと、まともに戦えなさそうですね」


ズキッ…!ズキズキッ!


「……!」


リカルダの左腕と右肩に激痛が走る!


リカルダの苦しむ表情にベリトは、フッと笑みを浮かべた。


「言い忘れていましたが、その右腕も苦痛の(ペインブレード)で斬らせて頂きました」


「っ…お前っ…」


「何か言い残すことはありますか…?」


「………」


ベリトの問いに、何も答えず痛みにこらえるリカルダ。

ベリトはそれをNOと読み取ったようで、


「終わりです。勇者ハイルの息子様…」


(ここで、殺すのは勿体無いですが…シルエラ様の未来に関わることです…)


「……?」


剣を振り下ろそうするベリトの視界に、笑みをこぼすリカルダが映った。


「どうして…笑っているのですか?」


当たるかわからないけど…


リカルダは剣に力を込める!


これが、最後の悪あがきだ…!


リカルダの剣が眩しく光り始めた。

次回も見ないと…ただじゃおかないよー!

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