第25話 魔王様!竜ですよ!かっこいいですね!
《丁度その頃、魔王の城・書物室》
数え切れないほどの本がある書物室ではシルエラが、隣に本を高く積み上げ、本を読んでいた。
【魔物の書】【魔物攻略本】【冒険の心得】などの冒険を支援する書物を中心に、読み漁っていた。
魔物の弱点をカバーすることはできんか…
いくら強い魔物でも弱点(急所)を攻撃されると、簡単に倒される。
魔物の攻略法が大陸中にはびこっているこの世の中。魔物の急所を調べ、対策をしよう。
数が限られている魔物の軍勢。人間への抵抗をできるだけ長くするためにと、シルエラは調べているのだ。
シルエラが本を真剣に読んでいると、
「あ、シルエラ様ではありませんか」
書物室のドアが開き、アスタロトが入ってきた。
「アスタロトか、お前も読書か?」
「はい。竜についての書物を」
アスタロトの言葉を聞いて、シルエラは1番右端にある棚に視線を向ける。
「その書物なら、1番右端の棚の上から4列目、5列目に76冊並んでいるぞ。行ってみろ」
シルエラにそう言われ、キョトンとしながらもアスタロトが棚に向かっていく。
暫らくすると、多くの本を抱えたアスタロトが戻ってきた。
「凄いですね。本がある場所を正確に言えるなんて…」
シルエラが言った通り、端の本棚には竜についての本が76冊。4列目、5列目にあった。
「まぁな。ここの本は全て読み尽くしてあるからな」
「ぜ、全部ですか…」
シルエラの言葉にアスタロトはマジかよという顔をする。
数え切れない程ある本を全て読んだ…アスタロトは面食らっていた。
じっとシルエラを見ていると、シルエラが首につけている黒い鉄の武具に視線が向く。
「シルエラ様、その首にはめている物、邪魔じゃないのでしょうか?本が読みにくそうですけど…」
シルエラが常時首にはめている黒い鉄の具。
首を完全に覆い、シルエラの首と顎が見えない状態になっていて、上の部分は規則的に尖っている。見ただけで邪魔そうだ。
「ああ、これか。凄い邪魔だ」
「ですよね。外さないのですか?」
「これは生まれた時からついている物なんだ。外したいんだが、外せないんだ。何しても取れない。どういう仕組みをしているんだかな」
「…そうなんですか」
(もしてかして、魔法具なのでは?)
魔法具…膨大な魔力を持っている者につける魔力の制御をする道具。魔力が高いと暴走する場合があり、それを防ぐ役目をしている。
(だとしたら、シルエラ様の持っている魔力は桁違いの量…ベルゼブブ様でもかなわないほどの…)
ヒビだらけのベルゼブブの姿を思い出し、アスタロトは息を飲んだ。
「わ、私はこれで、失礼しますね」
怖くなったアスタロトは、書物室から逃げるように出て行こうとする。
「ちょっと待て」
「…はい。なんでしょうか?」
「ある本を探しているんだが、知らないか?」
《それから、リカルダは…》
「よっと!」
リカルダはトレントを背後から斬る!
ギャァァァ!
人間のような悲鳴を上げてトレントは倒れていった。
トレントは水の吸水が多い。トレントが水と養分を吸い、作物や野菜などが育たなくなるという被害が後を絶たない。
こうして、水が流れる川や用水路に集まることが多いのだ。
「これで、5匹目か…」
依頼にはトレント何匹を討伐するか、書いてなかったしな。これくらいでいいんじゃないか?
リカルダは周りを見る。周りにはまだトレントが何匹か居る。
「一応、倒しておくか!」
リカルダはトレントに接近する!
「炎衝斬!」
シュュュゥ…
リカルダの攻撃に、数匹のトレントは燃え焦げていった。
「これで十分だろう…」
リカルダは来た道を帰ろうと、歩き出す。がすぐ足を止める。
あいつらは…何をしているんだろうか?
リカルダはさっきの冒険者達を思い出した。希少種狩りを行おうとしている犯罪冒険者集団。
希少種狩りをしようとしていたんだったか、あいつらのことが気になるな…
冒険者達が遺跡の方を向かって行った、遺跡の方に正面を向ける。その時!
ガオオオオオォッオオォッッ!
遺跡の方から凄まじい咆哮が聞こえてくる!
リカルダはあまりの大きい咆哮に耳を塞ぐ。
なんだ、この咆哮は…ウルフファングよりデカいぞ…
咆哮が収まると、リカルダは遺跡に目を凝らす。
大きい白い何かが蠢いている。灰色の尻尾がうねり、暴れているようだった。
なんだ…?
更に近づいて見て見ると、リカルダは目を見開いた。
「あれは…!」
白い顔に黄土色の角が生え、白い翼をはばかせようともがいている銀竜が居た。
銀竜!?なんでここに…!
リカルダの脳裏にソマリと渡された依頼の内容が浮かぶ!
“伝説の銀竜を捕まえてはみませんか?・報酬、銀竜の鱗×10”
…あいつか!
リカルダは遺跡に向かって走り出した。
自分に無関係なことだが、リカルダは急いで遺跡に駆けていく。
助けなければ!助けなければいけない!死なせたくない!
という思いが何故かリカルダにあった。
待ってろ!今すぐ助けてあげるから…!
リカルダは必死の思いで遺跡へと駆けていった。
ー固有名詞、マップ紹介ー
マフィスの村…一年中、心地よい風が吹くと言われていた、テロリアから南の方角にある村。戦争に巻き込まれ、村が壊滅状態になってしまった。ルアの故郷である。
リマリス武具店…テロリアの商店街にある高級な武具を扱う高級武具店。テロリアで1、2を争い、性能は高性能であることから有名。リマリスが1人で経営している。
冒険者依頼受託所…依頼を受けたり、自ら依頼を出したりとできる受託所。ほとんどの冒険者がここへ訪れ、依頼の交渉などをしたりする。
次も見てくれますでしょうか?




