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第2話 魔王様が緊急会議を行うようです

「集まってくれたか、よし今から失礼極まりもない勇者共を潰す為の会議を始めようと思う!」


「緊急会議を行う!」とのシルエラの命令を受けた悪魔達が謁見の間に集まっていた。


「シルエラ様!今日もお美しいでございますわ!!その美麗な声で私をののs「シルエラ様!こいつは無視してくださるようお願いします!」


シルエラの姿を見て興奮し、瞳を輝かせる黒い翼の生えた女を赤い衣服に王冠を被った男が女を抑える。


「おい、リリスとベリト!騒がしいぞ!シルエラ様が話すことが出来ないだろう!!それからそこのアスモデウス!謁見の間で火を吹くなって言ってんだろうがァ!何回言ったらわかんだよ!このチキン野郎!(ああ、もうこいつら静かにしろよ!シルエラ様が怒られてしまったらどうすんだよ!)」


アドラメレクがキレた様子で、暴れるアスモデウスとベリト、リリスに言う。


「すっ、すんません」

「ごめんなさいですわ…」

「申し訳ありません…」


「ったく、もう!シルエラ様、どうぞお話を続けて下さいませ!」


「あ、ああ…お前達も気づいていると思うが、城内の戦力となる魔物が減少していっている」


「そうですね」「困っちゃいますよ〜」

と悪魔は小声で口々に言う。


「今年は生憎の“モンスターパレード”。それに、今回のモンスターパレードに出ている魔物の数が数多く、城内の魔物が少ない状態にあるのだ」


シルエラは眉間にシワを寄せる。


「このままでは、勇者によるこの城の占領、崩壊もありえる。私はそれを逃れる為に、今日から片っ端に勇者を潰して行こうと思う!!!」


シルエラの言葉に悪魔達は歓声をあげる!


「オォッー!」

「いいですね!やろうじゃんか!」

「勇者にはもうこりごりだ!」


どうやら皆賛成のようだ。


「はぁい!私、質問いいですか!」


黒い羽、黒いヤギの角を生やしたバフォメットと思われる女の子が手を上げる。


「いいぞ」


「ありがとうございます!別に魔物がいなくたって私達悪魔の力で勇者を撃退できるでは、ありませんか〜?」


「んまぁ…」「そうだな」

バフォメットの意見に悪魔達が共感する。


「私もはじめはそう思ったが、最近の勇者は怪物やドラゴン、悪魔でも殺せる力を持った奴が多い。ここに来る勇者も“冒険者クラスSSランク”。私達悪魔でも、抑えられるかわからない強者だ」


「SSランク…!?」「そんなの来てたの!?」と悪魔達がざわめく。


「悪魔一人が冒険者ランクSSクラスもの勇者達を、相手に出来ると思うか?」


シルエラの言葉に、悪魔達はシーンと静まり返る。


「思わないです…ね」


「SSランクの冒険者を倒せる訳が…」


「そうだ。そんなランクの勇者達がこれ以上、ここに来させないためにも、私は各地にいる勇者に魔物の軍を送り潰そうと考えているのだが、その魔物の軍を仕切ってもらう為にお前達に集まってもらったんだが…」


シルエラは魔物達を見回す。


「やってくれる者はいないか?」


悪魔達はSSランクの勇者が怖いのか、誰一人名乗り出ようとしない。


皆、下にうつむいている。


「うおおおおおおおっ!お前達、シルエラ様がこう言ってるんだぞ!名乗らんか!」


アドラメレクが割り込み、皆に声をかける。が、声を上げる者はいない。


「…」


シルエラは真顔で悪魔達を見る。怒っているのか、悲しんでいるのか…。アドラメレクには怒っているように見えたようで、


「お、お前達!(あーやばいぞ!やばいぞ!シルエラ様がキレてらっしゃる!」


あたふたとするアドラメレク。そんなアドラメレクの背後に近づく悪魔がいた。


「面白そうじゃねぇか…!」


カツン!カッツン!


と足音を立てながら近づく赤髪の男。


「フッ、この俺様がやってやんよ!」


と、名乗り出たのは赤い髪に赤黒い角を生やしたベリアルだった。


「ベリアル!」


「奇襲ね…面白そうではありませんこと?シルエラ様?」

「その指揮私にもやらせてはくれないでしょうか」


ベリト、リリスが前に出てくる。


「ベリト、リリス!」


「ベリアル達がやるなら!俺もやろうかな!」


茶髪を生やしたガープが手を上げる。


「はぁーい!私、弱いけど頑張る!」

「バフォメットもやるの?じゃあ私もやろうかしら?あんま役に立てないと思うけど…」

「おいらもやりますー!はーい!」


バフォメットと美しい白髪と水色の瞳をもったフルーレティ、ブエルが名乗り出る。


「んじゃ、やります」

「俺もやるっ!やるぜ!」

「私も…私も…したいです!」

「アタイもやるよ!」

「アガリアレプトも…?それなら僕も!」


と次々に声が上がる。気づくと悪魔達全員が手を上げていた。


「お前ら…!」


シルエラは感動した様子で、ハンカチを口に当てている。涙は流していないが。


「えーそれでは…」


アドラメルクはマイクがわりに、木の枝を持ってこう言う。


「全てはシルエラ様の為!勇者を滅ぼすのだ!皆で頑張るぞ!」


「えい、えっいおぉー!」


悪魔達が一致団結し、今動き出そうとしているこの頃。沢山の人間が集う町『テロリアの町』では、ある少年と少女が今旅立とうとしていた。

ーキャラクター紹介ー


シルエラ…全ての魔物を統べるの長。すなわち魔王。黒い角と優美な長い白髪、白い肌を持つ美女である。城にしつこく攻めにくる“勇者”を嫌い、滅ぼそうと企んでいる。

“勇者を…潰せ!”


アドラメレク…孔雀の姿をした悪魔。見た目は孔雀だがれっきとした悪魔である。自称“シルエラの執事”キレるとたちまち口が悪くなる。そのキレようはシルエラも怯えるほど。

“このチキンやろうが!!”


次回もお楽しみにー!

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