第19話 魔王様、あの方かっこいいですね!
「!?アンタ!危ないわよ!」
ルアはリカルダの前に出て、炎の前に出る。
「これをやったら死んでしまうかもしれませんが…別にいいです」
ルアはリカルダに達に笑みを見せると、右手を前にかざす!
「お前、何を…!」
「二人とも、逃げてください!」
フィイィッ!
ルアの手に赤い魔法陣が現れる!
「吸収魔法!」
吸収魔法…上位魔道士が繰り出せると言われる秘術。強い魔法を吸い込むと、命を失ってしまうという。
ズウウウウゥゥウッ…!
闇の炎が魔法陣に吸い込まれていく!
ゴボッ…
吸い込む反動で、床がに亀裂が入る。
「何やってるんだ…」
ルアの右手が、闇によって黒く変色していく。
「結構、痛いですねこれ…」
肩を斬られたより、痛い…
ルアの顔が思わず歪む。
「やめろ。このままだと…!」
「わかってますよ、リカルダさん。貴方、僕を助けてくれたじゃないですか。その…お返し…ですよ!」
威力を増すばかりの闇の炎。右腕を左腕で抑え、踏ん張るルア。
フウウウッ…
そして、黒く濃くなるばかりのルアの腕。
「そんな…返しなんて…やめろ!今すぐやめろ!」
「…そんなこと言われても…もう遅いですよ…くっ…」
ルアの腕で黒い闇が波打ち、ルアに苦痛を与える!
ここで…ここで負けるわけには…!
「お前達!何をしてるんだ!」
と騒ぎを聞きつけたテロリアの兵士達が、時計塔の最上階へと登ってきた。
「こ、これは…!」
「闇の炎!悪魔が使う魔法じゃないか!」
吸収魔法を使い、闇の炎を吸い込もうとするルアを見て驚く。
「この…この僕が…!止めて見せます!」
「やめなさい!君!死んでしまうぞ!」
「知ってます!そんなこと!」
兵士が止めようと近づくも迂闊に近づけず、吸収魔法を止めるよう、声をかけるしかなかった。
後半分…!
ルアが吸収魔法で炎を吸い込み、闇の炎は残り半分になっていた。
「全部…全部!…吸い込めぇぇ!」
闇の炎がルアによって吸い込まれる!その時だった!
「おい!伏せろ!」
ボカアアアアァァァッン!
突然、ルアの腕が爆発を引き起こす!
ボゴッ…ガラガラッ…!
「ルア!ルア!?」
ウェルミナは黒煙の中、ルアを捜す。
暫らくして黒煙がやみ、倒れているルアの姿が見えた。
「!?」
ルアの右腕は爆発でなくなっていた。
「…ルア!大丈夫か!?」
リカルダがルアの体を揺らすも起きない。
「ねぇ、起きなさいよ!ねぇ!ねぇ!」
こうして、禁術・生命破滅を唱えられる事もなく、出来事は終わった。
翌日、悪魔がテロリアの町に侵入していた事がテロリアに全土報じられ、騒ぎになった。この騒ぎを受けたテロリアの王は、悪魔の王とされる魔王を討伐するため、新たな勇者を旅出させた。
それに“悪魔を発見した場合すぐさまに始末する”という法律もできた。
この後、ルアはギルドに運ばれた。
怪我は治癒魔法で治すことができたが、失った腕は治らないと。
再生魔法で治すことが出来るらしいが、その再生魔法を持っている僧侶はごく少ないと、サリーに聞かされた。
意識はあるものの、まだ目を覚まさないルア。
早く目を覚ませばいいのだが…
《出来事が起こって1日過ぎ、魔王の城では…》
シルエラがエントランスで、魔物を作り出そうとしていた。
ガープとバティンがそこらから集めて来た大量の石。
シルエラは石に向かって指をクイッと上げる。
カッ…カタッ…ゴトッ…
すると石が浮き、人型に積まれていく!
人型に積まれた石にシルエラは手をかざす!
ヒュィィン!
と音がし、人型に積まれた石が動き出す。
ゴトッ…ゴトッ…
「完成だ。名前は…“ゴーレム”。今日から、お前はゴーレムだ!お前には、アロケルと共に門番をしてもらう。宜しく頼むぞゴーレム1号」
シルエラはそう言って、ゴーレムの肩をポンッと叩く。
「流石にゴーレム1匹では、勇者達の足止めは無理だな…」
シルエラはもう1匹、もう1匹とゴーレムを作り上げていく。
「このぐらいなら…大丈夫か?」
いや、もう1匹…足そうか?
「シルエラ様!」
そう考えていると、アロケルが来た。
「なんだ?何か、用でもあるのか?」
「おい、ダンダリオン早く来い!」
アロケルが負傷したダリオンを、シルエラの前に立たせる。
「ダンダリオンじゃないか。どうした?そのヒビは…?」
ダンダリオンを赤い目で睨みつけながら、シルエラは言う。
「………」
シルエラの質問にダンダリオンは答えない。
「…実はこいつがテロリアの町に行きまして、冒険者にやられこの様です」
ダンダリオンが言わない代わりに、アロケルが答えた。
「ダンダリオン。お前がテロリアの町に行ったということは、リリスに聞いていたが…何のために行ったんだ?」
「これは…シルエラ様のためで、テロリアの勇者を消そうしましたが、失敗しました」
「何を言っておる!貴様はあs「ちょっと黙っててよ」
アロケルが本当の事を言おうとしたが、ダンダリオンに遮られた。
「ほう、お前が私のために…?」
「…はい」
「まぁ私の為に働いてくれたことは褒めよう。だが…」
ピキッ…
シルエラの目が光り、頬に赤いヒビが入る…!
次回も見てね!




