第18話 魔王様〜!新勇者結構強いですね!
階段から上がってきたのは、ウェルミナとリカルダだった。
「あっ…貴方達は…!」
ルアはウェルミナとリカルダの姿を見て、驚く。
「なんで…なんでここに!」
「お前の後をつけさせてもらった。途中見失ったけど…」
「いいとこだったのに。惜しいね!」
ダリオンはそう言って後ろに下がった。
「何が惜しいのよ!」
「待ってください…」
ダリオンに攻撃をしかけようとするウェルミナを引き止める。
「あいつの手に持ってる魔石。あそこに禁術、生命破滅のスキルが込められているんです」
「禁術?それに、生命破滅!?それって、この辺りの生命を消滅させるっていう…!」
“生命破滅”と聞いて、ウェルミナは驚きを隠せないでいた。
「ああ、あいつは生命破滅を発動しようとしているんです。…あいつを止めないと…テロリアの人間は…!」
消滅してしまう。
“逃げてください…貴方達だけは死んで欲しくないんです…”
(…だからルアは…あんな事を…)
「ウェルミナ!行くぞ!」
その話を聞いて、リカルダはダリオンに襲いかかる!
「雷衝斬!」
ビィリリッ!
電気が宿った剣で、ダリオンを斬ろうとする!
「めんどくさいなぁ!」
バキイィィッン!
ダリオンはルアの血がついた鉄の剣でリカルダの攻撃を防いだ!
電流のせいか、ダリオンの手に少しヒビが入る。
「私がいること忘れてないかしら!!」
ウェルミナは姿勢を低くし、ダリオンに接近する!
「風針!」
フウゥィィッ!
ダリオンの脇腹を狙い、ウェルミナは一突きを入れる!
バキッ!ブフウウゥゥゥッ!
何が割れた音がし、強風によってダリオンの体は吹っ飛ぶ!
ドォォオッン!バキバキバキッ…!
という奇妙な音と共にテラスの柱に壮大に衝突した。
「やったか…!」
暫らくすると煙の中から、手、足に赤いヒビが入ったダリオンが出てくる。
「寄ってたかって…」
(こいつ!悪魔か…!)
この前、バニラが言っていた事を思い出した。
悪魔は攻撃を受けた箇所にヒビが入る。リカルダはそのことを覚えていた。
「…何あのヒビは!」
悲鳴をあげているウェルミナを無視し、リカルダは更にダリオンに攻撃をしようする!
ダリオンは何も抵抗もせず、こっちを見ている。
(何も抵抗もしない?)
リカルダは不思議に思いながらも、ダリオンを斬った。筈だった!
フイイィィ…
斬ったダリオンが薄くなり、消える。
「…っ!?これは…幻影?」
「正解!」
知らぬ間にダリオンが後ろに回り込んでいた!
「大当たり〜!」
ダリオンは剣を振り下ろし、リカルダを襲う!
ダリオンの剣をかわし、なんとか体勢を変える。
キィッン!キィィィッ!ギャイィン!
ダリオンとリカルダの剣がぶつかり合い、火花が舞う!
「隙みっけー!」
ダリオンはリカルダの足を引っ掛け、リカルダを倒れさせる。
欠かさずダリオンは、リカルダに斬りかかる!
ギィイッン!
リカルダはダリオンの攻撃を剣で受け止め、競り合い状態になる。
「リカルダ!」
それを見たウェルミナがダリオンに攻撃を仕掛ける!
「炎針!」
炎が宿ったレイピアでダリオンを突く!
ボオオッ!ボアアァッ!
「おっと!」
リカルダから離れ、ウェルミナの攻撃をかわす。
「こんなもん当たったら、ひとたまりもないしね〜!」
ダリオンの周りに凄い数の紫の氷の針が現れる。
キィッッッ!
その氷の針がリカルダ達に飛んでくる!
ヒュゥン!ヒュッッン!
「…魔法の盾!」
ルアが杖を取り出し唱える!
フィィィッッン!
リカルダ達の目の前に光の壁が現れる!
キイッッー!バキイッッー!
と氷の針が光の壁にぶつかり、謎の紫の爆発を起こす!
ボゴォォォッ!バアァァアッ!
やがて氷の針が止むと、リカルダとウェルミナが再びダリオンに襲いかかる!
「私を甘く見ないで欲しいわ!」
ウェルミナはレイピアで、ダリオンに突きかかる!
ダリオンはかわそうとするが!
「空気の氷結!」
ピキィッッ!
ダリオンの足元が凍り、行動を制限される!
「なっ!?」
「今だ!」
ヒユュッッ!
ウェルミナはダリオンを突くのではなく、剣を突きにかかる!
キャィイィン!
金属音が響き、ダリオンの手元から剣が離れる!
「雷衝斬!」
ダリオンの背後からリカルダは、斬りかかる!
ダリオンは血でまみれの腕で受ける。
ビリリリィッ!バキィィイィッッ!!
眩い光と共に電流の激しい音が響き渡り、リカルダの剣がダリオンに直撃する!
「ああああっ!やめろ!虐げるのは…虐げるのはやめろ!!」
バキッッ!バキィイ!
ダリオンの顔に赤いヒビが入り、破片が落ちていく!
パァリリィィッン!
生命破滅の力を宿した魔石が激しい電流によって、崩れる!
「やったぁっ!」
「くっ…」
ダリオンは後ろに下がり、崩れた魔石を見て目を見開く。
「魔石が…そんな!」
体から灰色の煙が噴出し、ヒビからは赤い血が染み出ている。
「くっそ…人間ごときがァ!」
キュッン!
崩れた床を蹴り、リカルダに迫る!
「闇拳!」
ボォッ!
ダリオンのヒビだらけの拳に黒い炎のようなものが宿る!
キィイイイィッン!キィィン!
リカルダはダリオンの拳を剣で受ける!
ヒィュゥゥッ!
ダリオンは一旦後ろに飛び、再びリカルダに殴りかかる!
リカルダは剣で受け止めようとしたが、腹に強い拳を入れられる!
「ぐはあっ…!」
「リカルダっ!氷針!」
ウェルミナが氷の宿ったレイピアで、ダリオンに攻撃する!
フィュッン!フュッン!フュッン!
ダリオンは拳でウェルミナのレイピアを払う!
キイッン!
とウェルミナのレイピアは吹っ飛び、地面に叩きつけられた。
「ちょっと…!」
「終わりだァ!」
武器を落とし、一文無しとなったウェルミナを追撃しようとする!
「武器を落とすなんて…最悪!」
ウェルミナはしなやかな体使いで、ダリオンの攻撃をかわす!
「…空気の刃!」
フィュイィン!フウッッ!
そこで、ルアの方向から空気の刃がダリオンに飛んでくる!
「ん?」
ダリオンはいち早くそれに気づき、空気の刃を避ける。避けた時だった。
「おーい!何事だ!」
外から人々の叫ぶ声がする。
ダリオンがテラスから外を見て見ると、時計塔の下に沢山の人々が集まっていた。
冒険者が時計塔の中に入っていく所を目撃する。
ダリオンは逃げようとしたが、こいつらに悪魔だとわかられてしまった。
悪魔が活動している事がバレたら、シルエラに集中攻撃を食らわせてしまう。
こいつらを始末しなければ…!
ダリオンは闇の炎を手に込める。
フウウウウッ!
闇の炎を宿した手を床に押し付ける!
「闇黒炎!」
ボコッ!ブオオッ!
崩れた床から闇の炎が吹き上げる!
ボオオオオォォッ!
「何よこれ!」
迫り来る闇の炎を見て、ウェルミナは焦り出す!
「闇黒炎。町を焼き尽くすまで消えない呪いの炎。ダリオンの計画がお前らの所為で、台無しだよ」
ダリオンが黒い霧となって姿を消す。
「じゃ、冥界でまたねん☆」
これを最後にダリオンの声が聞こえなくなった。
ボオオオッ!
闇の炎が威力を増し、リカルダ達に迫る!
「魔法の盾!」
フイイィィッン!バギッ…パキッッ!
ルアは光の盾を作り出すも、闇の炎に触れた瞬間、あっけもなく崩れ去る!
「そんな…!」
このまま…終わるのか…
いや、せめて…二人だけでも!
闇の炎がリカルダ達を飲み込もうとしたその時。
ルアの足が動いた。
次回も見てくれるかしら?




