1話
チュンチュン、チュンチュン
「んー、よく寝たなぁ。」
小鳥のさえずる声で目が覚めた
今日はいい日になりそうだ
ザワザワザワザワ
部屋の外が何だか騒がしい
「なんだ?今日は何かあったか?」
寝起きのボケーっとした頭で考える
が、全然分からない
まぁ分かったところで学園には行かないから
オレには関係ないのだが
「とりあえず、風呂にでも入るか」
寮のベッドから這い出て もそもそと動きながら
シャワーへ向かう
服を脱いで少し冷たい水を浴びると
ボケーっとしていた頭がハッキリしてくる
そこでもう一度考えてみる
……
……
……
「あぁ!そうか、今日から2年になるんだっけか」
そう、今日からオレは学園の2年生で
始業式がある
参加する気は全く無いがな
今日が始業式なら明日は入学式か
入学式ということは明日から新入生が寮に来るのか
騒がしくなりそうだ
あとで魔法で防音対策でもしておくか
オレは学園に行っていない
行くのはテストの時だけだ、それもこっそりと
いわゆる不登校なわけだが引きこもりではない
これだけは言える
ほぼ毎日出掛けているし体を動かしたりもする
オレが不登校になった理由は
大まかに言うとまぁ人間関係だな
人間なんて大嫌いだ関わりたくも無い
結局人の外面しか見ていないんだから
オレが不登校でも先生方がおこらないのは
オレが天才だからだ
ナルシストかよと思っただろうが
ナルシストでは無い、絶対
それに逆に頭いいやつが自分の事をバカだと
言っていてもイラッとするだろう?
だからオレは認めたのだ
それに誰だって天才に生まれたくて生まれた
訳ではない
天才だって全く努力していない訳ではないのだ
まぁ、それは置いといて
明日入学式ってことは明後日はテストがあるのか
完全に忘れていた
成績の方は何とかなる、魔法は何もしてなくても
良い成績だし、勉強もほとんど分かるから
テストを受けに学園に行かなくてはならない
めんどくさい、そして人に会いたくない
うだうだ言っていてもどうにもならないか
とりあえず理事長に伝言でも飛ばしておけば良いだろう
そこら辺に置いてあった紙を引っ張り出して
置きっぱなしだった羽ペンで適当に文字を書きなぐる
『理事長へ
明後日のテスト受けに行く。
いつも通りよろしく。』
あの人、オレの親戚?か何かだからこれで大丈夫
オレの性格とかも把握してるから
気にしなくてもいい
オレの属性の内の1つの水の精霊を呼び寄せて
理事長に渡してくれるように頼んで窓から外に放す
「よろしくな。
後で何か演奏してやるから。」
こいつはいつもオレが使う精霊で何故かオレの笛の
演奏を好む
精霊が全部そうなのかは分からないけど
じゃあこの学園について少し説明しようか
ここは主にこの国の貴族や裕福な商人の子供が入学する
一般の子供でも特待生として入学することもできる
ちなみに言っとくとオレは一応貴族だ
中等部と高等部からできていて
中等部が11才から14才までの4年間で
高等部が15才から19才までの5年間だ
2つ合わせて9年間通わなければならない
貴族や商人の子供は中等部から入ることが多いが
一般の子供は高等部から入ることが多い
浮いてしまわないよう常識やマナーをある程度身につけさせてから親が入学させるのだろうな
魔法を使うことが得意な者、または魔法を身につけたい者は魔法科に所属する
剣術が得意な者、または騎士になりたい者、剣術を学びたい者などは剣術科に所属する
だが専門の知識だけでなく計算やこの国の歴史や地理、言語なども勉強する
ただ強ければいいのでは無いのだ
そして、所属する人間は少ないがもうひとつある科が、オレが所属している科でもある“総合科”だ
この科は剣術と魔法を融合させて使う者が所属する
このやり方は珍しくそして難しいので必然的に能力が高い者が集まる
この科に所属するものは何故か学園の生徒から無条件に憧れられるのである
それが例え一般人でも、だ
ちなみにオレの場合剣術と魔法の融合型だ
他には弓と魔法の融合型や槍術と魔法の融合型がいるそうだ
貴族の場合
高等部を卒業したあとは女子は大体が結婚する
男子は長男は家を継ぐために家の手伝いをして
備えることが多い
次男以下は国の騎士団に入るか長男のサポートをするために一緒に家の手伝いをしていることが多い
希に家を捨てて冒険家になったり旅に出たりする
変わり者もいるようだが
それ以外の者は大学院に進み魔法省の官僚になるべく勉強をするらしい
一般人の場合は
ほとんどが収入が安定している魔法省の官僚になるため大学院に進み、それ以外は魔法や学んだことの知識を生かしギルドに登録して冒険家になり、高額な収入を得たりするらしい
他にもよっぽど優れた人材なら騎士団に引き抜かれて騎士になることもあるそうだ
この学園で行われるテストは普通に問題を解く記述試験と実技試験がある
記述試験はどの科も同じだが実技試験は会場は同じだが科ごとに分かれて行う
魔法科は魔法科同士、武術科は武術科同士
総合科は総合科同士でだ
トーナメント式になっていて上に行けば行くほど
評価が高くなる
ただし治癒魔法専門の生徒は闘えないため普段の授業や治癒の精度で成績が決まる
そして
総合科同士の闘いはやはり派手らしくて
もう一種のイベントのようになっている
生徒の間での賭けも行われたりするらしい
学園の中のことには疎いからよく分からんが
オレは理事長に実力を認められているから
今まで免除されてきた
今回もそうだろう
明後日のために一応勉強でもしておくか