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異変

朝の日差しが顔に当たり目が覚める。

天井を見て見慣れない景色に身体を起こすと、自分が異世界に来ていることを思い出す。

夢だったらどんなに良かったか、正直な所魔王を倒すなんてどこぞのRPGの主人公でもなし無理だと考えてる。何かしら他に帰る術があるだろうしそれを探すために旅にでるのだ。

俺は自分にそう言い聞かせ、出発の準備を始める。鎧を制服の上から着込む。鉄製の鎧は非常に重いがその重さ頑丈さが安心感をもたらした。短刀を腰に下げ、抜いてみる。刃渡り30cmほどの短刀は重いが振りやすく扱いには困らない物だった。

荷物をまとめ、家をでる。すると家に寄りかかる少女が俺を待っていた。

小さなナップザックに普段着、小さな剣を腰に下げていた。

「おはようございます。しゅうさん」

「おはようアンズ、では出発と行きたい所だがそんな装備ではこの先が危険だ。鎧か何かを買ってから出発としよう」

「今から向かう山は魔物はふにぷにしかいませんし、何度も山を越えた先にある町までは行ったことがあるので大丈夫です。」

「ふにぷに?」

「黄色い半固体の丸い生物です。基本温厚で、人に危害を加えることはありません。ただし身の危険を感じると体の一部を弾丸のように射出します。その体には膜のように溶解液を纏っていて、触ったりするのは危険なくらいの生物なので基本安全ですね」

「なるほど。アンズは詳しいね」

「勉強とかは好きなので魔物についての知識はたくさんあります。後この村では女性向けの防具が売っていないのでとりあえずの目的の町で買おうかと」

「なるほどね分かったよ。でも危険なことに変わりはないから町に着くまで俺の後ろに隠れていてね」

「はいありがとうございます」

「それじゃあ出発しようか」

村をでて山に向かう。村から歩いて10分程度の位置に山はありすぐに麓に着く。如何にも人間が作ったような道があり、そこに入ろうとする。するとかが叩かれ、

「町に向かう近道があるんです」

と指さした先には人1人がぎりぎり通れるくらいの道が出来ていた。

「こちらの道を通れば、かなり時間を短縮できるんです。」

俺は頷きそちらの道を通る。かなり狭い道だが通れないことはない道でぐんぐんと進んでいく。

山の中腹にかかったと思われる所を進んでいくと左のほうから草の擦れる音に混じり、

くちゃ…くちゃ…

と不思議な音が鳴る。

またふにぷにか?いやあの独特の焼けるような音はしていない。とすると人が狩りをしているのか

よく分からない音に出処が気になり、確認しにいくことにする。

今までの道に比べて道幅が広い。不思議に思いつつも音の出処に近づく。慎重に音を立てないよう近づき近くにあった木から音の出処を覗く。

人が倒れており、その体は血で染まっている。そのはらわたに顔をうずめくちゃくちゃと音を立てて食べている緑の色をした大型の人型生物がいた。

「きゃあああああ」

と後ろから悲鳴がする。アンズがこの光景に声をあげてしまったのだ。

その声にその人型の生物は反応し、手に持った棍棒を振り上げ襲いかかってきた。

俺は懸命に短刀を振り抜き、瞬時に敵の左胸に突き刺し、そのままを押し切る。

すると人型生物はそのまま後ろ向きに倒れる。その瞬間をねらい、左胸に刺さった短刀を抜き、首を切断した。真っ赤な血が吹き出し、そのままが動かなくなる。

俺は動かなくなるのを確認すると腰が抜け、へたりこんでしまった。

勝負は一瞬だった。運良く俺があの生物から目を離さなかったこと。そして動きが短調であったことが勝因だったのだろう。

そういやアンズは?大丈夫だろうか?

後ろを振り向くと倒れている、急いで近づく。息もあるし特に外傷もない。多分気絶しているだけだろう。

特に何もないことのほっとし腰をおろす。起きるのを待つことにしよう。

しかし今の生物は何だったのだろう。魔物はふにぷにしかいないとアンズが言っていたが…

俺はこれから何が起きるのか不安になりつつ、アンズが起きるまでしばし休憩をはさむことにした。

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