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出会い(修正版)

後ろにある門が閉まる。

辺り一面にかかっていた霧が門が閉まると同時に消える。

眼前に広がる景色に驚いた。

青い空、広がる緑一色の景色。山の山頂から見える景色はまるで別物だった。

ここで水谷に言われた噂を思い出す。そうあの話にでてくる世界のようだった。

周りを見ると誰もいない。あの門に入ってしまったのは俺だけのようだ。現実逃避をしても仕方ない、帰り方を探るしかないようだ。

山を降りていると脇道から音がする。人がいるかもしれない。行ってみることにした。

野生生物の可能性も考慮し、音をたてないように慎重に近づく。近づくと何かしらの焼けるような音がする。音の元を木の陰からのぞき込む。

カモシカのような生物が横たわっている。その腹の周りには謎のスライムのような黄色い液体が薄く膜を貼るようにくっついている。何とそれがついているところだけ皮がなく肉が丸見えであった。

そして未だに焼けるような音がしている。よく見ると薄く広がったスライムのような黄色い液体中心には丸い何かがあり、そこに向かって細い管が液体を運んでいる。更に表面が微妙に動いている。まるで生物のようだった。そこから考察する。まさかあのスライムがこのカモシカのような生物を食べていると言うのか!?あの液体上の身体でどうやってあのカモシカのような生物を仕留めたんだ?

俺は恐怖を感じ、逃げなきゃと身体が動いた。

パキッ

足元から音が鳴る。木の枝を踏んだようだ。

やばいと思い、スライム上の液体の方を見ると弾丸のような何かが飛んできた。とっさにかわしたが掠った部分が焼けるように痛い。

俺は一目散に逃げた。あの弾丸は直線上に飛んでくる木々を縫うように懸命に走った。何とか山の麓までたどり着き、後ろを確認する。とりあえずスライムのような何かは撒いたようだった。

何だったんだ今のは。ふらつく足を落ち着けるためその場に寝転ぶ。芝のような草は寝心地が最高だった。

「あっ、こんなところにいたんだシュウ。逃げたって礼拝はサボらせないよ」

と声が聞こえ上から覗いた顔を見る。見覚えのある顔に心が落ち着く。

「杏樹、お前なんでここに…」

「何言ってんの?シュウを追っかけてここにきたんじゃない」

「それはどういう…」

「とりあえず遅れちゃうから礼拝堂に急ぐよ」

手を掴まれて、連れてかれる。

「ところでその服はどうしたんだ?」

杏樹はアジア系のカラフルでおしとやかなそうな、そうブータンの民族衣装のような振袖を着ていた。

「そういうシュウこそそんな見たことない服どうしたのよ。シュウがこういう動きづらい服を着るの嫌いなのは知ってるけどさ」

どうも話が噛み合わない。すると集落のような所に辿りついた。そのまま最も大きい建物に入る。

「シュウを連れてきました」

「ごくろう。じゃあ2人とも座って」

金ピカな如何にも偉そうな服を来た老人にそう言われ、たくさんの人の座る最後尾に座る。下は草を編んで作った絨毯のような物が敷かれていた。

「それでは今日の礼拝を始める」

さっきの老人の掛け声とともに皆の顔が前に傾く。その瞬間杏樹に手で頭を押さえつけられ頭を傾ける。すると謎のお経のような物が唱えられる。めんどくさいなと思いつつも、頭を押さえつけられているためどうすることも出来ず、仕方なく目をつぶった。この声を聞いてると何か不思議ときもちよくなってくる。

お経がおわり、目を開ける。何故か周りの人がこちらを見ている。何かと思い視線を下ろすと石が光っている。

「やっと現れましたか。異世界よりいでし勇者様よ」

老人はそう言い、こちらに近づいてきた。

「勇者様、こちらへ。これから色々と説明いたします。」

その老人に誘われ、奥の方へと進んだ。

これから何が待っているのだろうか?複雑な思いをかかえつつ…

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