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異世界のキャンセラー~俺が不遇な人生も纏めてキャンセルしてやる!~  作者: 空地 大乃
第二部第三章 西部レフター領編

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第64話 殺気の力

「よし! これで厄介なのが一人消えたぜ」


 同時にセイバーマリオネットの効果も切れた。これは仕方ないか。


 残るはバイオレンスのみ。こいつは明らかに今までの敵とは違う強さを持っている。


「貴様。それで本気でサツイが倒せたと思っているのか?」


 バイオレンスからそんな不穏な台詞が飛び出してきたわけだが――


「――何? ガッ!」

「ヒット!?」

 

 俺の背中に痛みが走る。刃物が間違いなく突き刺さっているぜ。しかも全く攻撃されたことに気が付かなかった――


「殺気幻。強い殺気だけを残すことでそこにいたと錯覚させる――残念だったな」


 サツイが俺にからくりを伝えてきた。そうか。つまり俺が倒したと思っていたのはただの殺気の塊――くそ、こんなところで……


「急所は貫いたさ。もうお前は終わりだ」

「ヘヘッ、そうかよ。ダメージキャンセル!」

 

 俺はハイキャンセラーの虎の子のスキルを使用した。本当はフェレスに使ってやりたかったが……結局自分の命を守るために使っちまった。


 それにこいつは一度仕えば暫くはつかえない。出来れば取っておきたかったんだがな。


 だがもう出し惜しみしている場合じゃないだろ。ここでやられたら仲間の死も無駄になり全てが終わるんだからな。


「な、馬鹿な!? 急所を貫いたんだぞ! 何故生きている!」


 驚くサツイ、どうやらクリティカルダメージが入ったみたいだな。確かにかなり痛かったけどな。


 だがダメージキャンセルが間に合えばこれまでのダメージはキャンセルされなかったことになる。つまり完全回復だ。何とか耐えきったぞ、この野郎!


「チッ、殺気刃!」

「ステップキャンセル!」 

 

 相手が殺気術とやらを行使してきたから、咄嗟にステップキャンセルで移動し回避した。ザシュッ! という音が聞こえ地面に斬撃が走った。


 殺気を刃にして飛ばしているってところか。さっきは自動防御で対応出来たが、今はそれもない。気をつけないといけないな。


 一先ずサツイの位置を確認する。するとサツイの姿が消えていた。こいつまた気配を消したのか。


「気をつけろヒット!」

 

 スピニッチが叫んだ。俺に危険が迫ってることを知らせたかったのだろうが。


「わかってる十字受け――」

「チッ!」


 背後からの攻撃。だがこいつは相手の後ろを狙いすぎだ。振り向きざまに剣を十字に構えて防御した。サツイが舌打ちして見せる。


「改!」

「何ッ!?」


 だがそれで終わりじゃない。今の俺にはセカンドジョブのグレイトダブルセイバーがある。十字受け・改は相手の攻撃を受け止めつつ刃を交差させて相手の武器を破壊する!


「チッ――」

「まだ終わりじゃねぇぞ。疾風怒濤! 無双闘剣!」

 

 二つともグレイトダブルセイバーになって覚えたスキルだ。疾風怒濤で全ての速度が劇的に向上し無双闘剣は双剣の威力が大幅に強化される。

 

そして――俺は逆にスピードで相手をかき乱さす。


「馬鹿な俺が相手を見失うなんて――」

「ステップキャンセル――」

「ガハッ!」


 スピードを強化した状態で俺はステップキャンセルを行使。本来は移動技だが、タイミングよく双剣を振ればすれ違いざまに斬撃を浴びせられる。


「もう殺気で惑わすどころじゃなかったな。その血は本物だろう?」

「ち、くしょう……もうしわけありません、バイオレンス、様――」


 最後にそう言い残しサツイがドサッと倒れた。狙ったわけじゃないが首に命中したようだな。首刎ねが得意なアサシンが逆に首に致命傷を負うとは皮肉なもんだ。


「さぁ、今度こそ大本命だ。高みの見物を終いだぜバイオレンス!」

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