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異世界のキャンセラー~俺が不遇な人生も纏めてキャンセルしてやる!~  作者: 空地 大乃
第二部二章 王国西部の旅編

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第4話 夜の襲撃者

 夜中襲ってきたのは大型の狼の集団、中には数体二本足で歩くタイプも混ざっている。

 以前ウェアウルフとキラーウルフの集団に出くわしたことがあるが、今回の相手はそれよりも上位の種で、確かゲームではシルバーウルフとカンフーウルフと言う名称だったな。


 シルバーウルフはキラーウルフよりも更に一回り大きく、その名の示す通り銀色の毛並みが特徴。その毛がまた固く防御力が高い。

 その上狼の俊敏さも兼ね添えているので厄介な相手だ。

 そして当然だが爪と牙もより鋭い。爪なんて太くてデカイしな。殺傷力は相当なものだろう。


 カンフーウルフは……まあ名前のまんまだ。ようはカンフーするウェアウルフだ。ただ毛は全体的には青く腹の部分だけは白い。


 技が多彩になった分より強敵となっている。レベルもかなり高かった筈だから、油断するとまずいことになりそうだな。


「ヒット! 敵か!?」


 俺が色々と考察していると、アンジェがテントから飛び出し確認してきた。

 俺は彼女を振り返り首肯する。


「なんや、狼の群れかいな。銀色の毛とかキラッキラやん」

「……フェンリィの方が可愛い」

「アンッ! アンッ! ガルルルルルルゥ!」


 なんだ、アンジェだけじゃなくてカラーナとセイラ&フェンリィも出てきたな。

 それに――


「ご主人様! 狼の方はシルバーウルフ、人狼の方はカンフーウルフです!」


 メリッサも真剣な顔で鑑定をしてくれた。ま、こいつらの情報はある程度俺も知ってるけどね。でもレベルと使用するスキルが判ったのは大きいだろう。


 俺も結構忘れている部分も多いからな。


「よっしゃ! じゃあいっちょもんだるかな」

「ふん、相手にとって不足なし!」

「……フェンリィ」

「アンッ!」


 しかし――相変わらずうちの女性陣は逞しいな。やる気満々だし。尤も約一名いないのがいるが。エリンは仕方ない。子供だしそもそも危険なことに巻き込むべきじゃないしな。


「私が前に出るぞ!」

「あ、なんや行く気まんまんやな。ほんじゃうちも!」

「……フェンリィあっち」

「ウォン!」


 ……俺、完全に出遅れてしまったよ。何うちの女性陣アグレッシブすぎだろ。


 そもそもアンジェ、一応俺たち護衛だから。君が前に出てどうする。

 全く――とは言え、先に出たアンジェが敵のグループの一つに相対。唸り声を上げ一斉に襲いかかるシルバーウルフだが、ウィンガルグを纏った刺突が次々とシルバーウルフの急所を貫き、一撃も掠ることすらなくシルバーウルフが大地に沈んでいく。


 硬い毛並みもあの宝剣に掛かれば形なしだな。


「気をつけてくださいアンジェ! 上からも来ます!」


 すると後ろで控えているメリッサからの警告。するとキッ! と凛々しい表情で真上からの強襲に対し、地面を蹴り上げ竜巻を纏った斬撃で迎え撃つ。


 あれは確かパワートルネードだな、全く相手は数匹纏めて飛びかかってきたというのに見事に全匹切り刻まれたな。


 しかしアンジェも器用になったな。セイラに触発されたのかも知れないが、ウィンガルグとの連携が上手くなってる。ウィンガルグも臨機応変にアンジェと分離してシルバーウルフを挟撃したりしてるしな。


 で、アンジェに影響を与えたセイラも見事なもんだ。まずフェンリィの成長が目覚ましい。成犬でも大きめなぐらいまで成長してるフェンリィも火力も相当に上がっている。

 

 風を纏い回転しながら突っ込んでいく【旋風狼牙】も威力抜群で、シルバーウルフの装甲もなんのそのだ。

 ちなみに旋風狼牙は俺が勝手に名付けたけどな。セイラそういうのあまりこだわりないみたいだし。


 そのセイラもライトニングによる雷撃で牽制しつつも鞭の一撃を叩き込んでいっている。鞭は獣系の敵に有効だからこういう時に大活躍だな。


「ほないくでぇ!」


 カラーナは既にシルバーウルフは片付け、カンフーウルフに向かっていってるな。

 キルビルから貰い受けたアンリエルエッジの切れ味はかなりのものらしいな。


 しかも不可視の効果もあるから、相手を翻弄するのに持って来いだ。


「ご主人様! 左右から来てます! お気をつけ下さい!」


 メリッサの声が耳に届いた。俺はそれに反応し左右からの攻撃を双剣で受け止め闘気を込めて押し返す。


 すると正面から数匹が纏めてその爪牙を向けてくる。ここで俺はチャンスと新しくなったファルコンを向けボルトを発射!


 するとボルトが相手を貫通し更に貫通した先から爆発していく。

 ドッカンボルト……流石に名前があれだな。とにかく爆発する矢弾だが、どうやら貫通した場合でも爆発する仕様に改良されてるようだ。

 

 これまでは着弾後爆発だったからキャンセルでも戻らなかったけど、これならキャンセルと絡めれば面白そうかもしれない。


 とは言え、この戦いではキャンセルに頼らず倒すを目標にしてるんだよな。シャドウに頼りすぎって言われてたしな。だからボルトはまた装填しないといけない。


 まあ、今ので大分やっつけたから、後は双剣だけでいけるな。

 俺は更に残ったシルバーウルフに迫るが――ここでシルバーウルフの銀毛が発光。これはシルバーウルフのスキル銀光か。

 チッ! 眩しくて一瞬視界が奪われる。かと思えばが腹に衝撃――俺の身体が大きくふっ飛ばされた。


「ご主人様!」

「大丈夫だ!」


 メリッサの悲鳴が耳を貫いた。心配かけさせてしまったみたいだな。

 全くどれだけ俺がキャンセルに頼ってたか判ったよ。本当に慢心だ。相手のスキルのこともすっかり頭から飛んでたしな。


 とは言え皆が活躍してるのに俺だけが格好悪い所みせるわけにはいかないな。

 空中で体勢を立て直し、地面に着地。すると目の前に追撃してくるシルバーウルフの姿。


 だがそれは想定内。すぐさまハリケーンスライサーで迎え撃つ。闘双剣のスキルとの組み合わせで威力も底上げされ、硬い毛並みも関係なく刃が狼の身を蹂躙し肉片が宙を舞った。


 すると再びカンフーウルフの攻撃。さっきはこいつの蹴りを喰らって吹っ飛んだからな。

 油断は禁物。すると大きく跳躍し――俺の頭上を飛び越えていった。


 一瞬脳内に疑問符が浮かんだがすぐに、三角飛び蹴りです! のメリッサの声。

 俺は振り向きざまに十字受けで中々に重い飛び蹴りを受け止め身体が後方へと流されていく。


 全く壁もないのに三角飛びとかどんな理屈だよ。と、そんな愚痴をこぼしても仕方ないな。

 カンフーウルフはそこから、ほ~~~~! っと人間臭い掛け声を見せ、更に俺の周りを軽やかに跳ねまわる。


 カンフーステップは移動速度を向上するスキルだ。で、ここから何を狙ってくるかと思えば――近づいてからのドラゴンキックかよ! 狼のくせにドラゴンって突っ込みたくなるが、破壊力抜群の蹴りは受けると流石にヤバい。


 俺は飛び退きわりとぎりぎりのところでこの蹴りを躱した。結構焦ったがこれでもう俺の勝利は揺るぎない。


 別に慢心でもなくな、何故かと言うと――ドラゴンキックは斜め上に向かっておもいっきり蹴りあげるスキルだからな。

 確かに威力は高いがその分スカった時の隙もデカい。


 と、いうわけで――落ち際にフライスライサー、つまり対空攻撃だな。それを決めてあっさりと相手を打ち倒した。

 

 よっし、これでこっちは終わりと。で、見回すと既に他の皆もカンフーウルフを含め全員倒した後だった。


「全くあのカンフーウルフというのは嫌らしい動きを見せるな」

「でも結構楽しめたで。う~んこのアンリエルエッジも切れ味えぇしな。キルビルに感謝や」

「……フェンリィ頑張った」

「アンッ! アンッ!」


 どうやらカンフーウルフはそれなりに手応えがあったといった感じみたいだな。まあそれなりだから苦戦というほどではないんだろうが。


「それにしてもメリッサのサポートには助かったよ。本当よく見ててくれる」


 お疲れ様です、と笑顔で迎えてくれたメリッサに俺は労いの言葉を掛ける。

 鑑定と彼女の洞察力はなにげに戦闘を有利にすすめる上で重要だ。


「そ、そんな! 皆さんに比べれば私なんて!」

「何を言うか! 合間合間に聞こえてくるメリッサの情報は非常に役立ったぞ」

「ほんまやな、あれがなかったら無傷ってわけにはいかんかったかもしれへんわ」

「……情報大事」

「ワウ!」


 ま、当然だけど全員メリッサには感謝している。それに普段馬車で御者として一番頑張っているのもメリッサだしな。


 しかしメリッサは皆から感謝されて真っ赤になって気恥ずかしそうだ。そんなところも可愛いと思えるところなんだけどな――





「ふぁ~みんなおはようにゃん。この分だと昨晩は何事もなく終わったのかにゃん? 何もないのが一番にゃんけど、ちょっと退屈にゃんね」

「全くお前は本当にのんきだな」

「そういうところが猫っぽいと思うで」


 明朝、朝食を摂る時間になって起きてきたニャーコの言葉に全員が呆れたように言葉を返した。

 本当、幸せなやつだな。しかし猫なら本来は夜のほうが活発そうだけどな。


「むにゃむにゃ、おはようなの……何かあったなの?」

「なにもないぞ。エリンは何も心配ないからな」

「う~ん寝起き姿もかわえ~なエリン」

「……なんかニャーコと対応が違うにゃん。理不尽にゃん」

「いや、幼女と比較するなよ」


 半眼でそんな突っ込みを入れつつ、朝食を食べてから出発する。

 それから半日かけて山道に到達。最初の目的地であるマントス領は山に囲まれた盆地の中にあるからな。


 そこからは更にそれなりに険しい山道を上がったり下がったりしながら山を一つ越え、二つ越え、そして途中遭遇した魔物を退治し――


「ボス見えたで! あれが目的の街や!」


 途中野宿したり村に泊まったりしながら三日目。ようやく領主が身をおく主要街、アクアマントスに到着した――

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