「長男編」~俗に言うキャラ紹介~
「死ね」
「生きる!!!!」
「消えろ」
「存在する!!!!」
「爆発しろ」
「形を維持する!!!!」
「粉々になれ」
「っく・・・酷い。 酷すぎるぜ湧季。」
「お前もよくそんな適切な言い回しができたもんだな」
俺は何をしているかって?ああ、たわいも無い友人とのちょっとした会話さ。
内容はスルーしてほしい。ていうかスルーしちゃう流れ。
「まったくもう・・・あなたをこんなドSに育てた覚えはありません!」
「お前は俺の何だよ!?」
こいつは荒神牧人。俺の親友。一応。いやマジで。
極々普通の少年で、性格は温和。人当たりも良いので、よくある友達にはもってこいだと言える。
そんな本来なら「友達A」に分類されるはずのコイツと親友なのは、何故か?
一言で言えば「運命」。 ただそれだけだ。
なんてことはない。俺はそんなロマンチストではないのだ。それを分かって欲しい。
「それよか今日の放課後どうするよ?ナンパ?」
俺は部活に属していない。それに伴い放課後はいつも暇である。
「俺はともかく、お前に女が捕まえられるかよ」
「俺はともかく、って言い回しがなんだかなー」
「それよりお前はどうなんだ?」
「まあまあ、ナンパで重要になるのはさ、『話術』なんだよ話術。分かるか?顔なんてついでであって、口が巧ければナンパなんてどうにもなるんだよ」
「そんなもんか」
「つーわけで、街に繰り出すぜ!」
「健闘を祈る」
「っうぉい!!!」
そんなこんなで牧人をスルーし帰宅。
次男の滝春はバスケ部。四男はアニメ研究会。五男は外出(五男は浮浪者で、家にいないことがしょっちゅうある)していて居ないので、居たのは三男だけだった。
「ああ、おかえり湧季」
三男の夏香はいろいろ残念で、一言で言うと『ヘタレ』である。
「夏香・・・お前・・・一体何してる?」
「ああ、料理の練習だよ。滝春しか料理担当いないからさ、家に滝春が居ない時はいつも出前じゃん?そういう時の為に練習を・・・」
「お前な・・・」
夏香の前に広がっていたのはいわばゴミである。作った(?)夏香には失礼だが、その『ゴミ』はとても食べれそうにない。なんかギターの弦みたいなの入ってるし。
「ゴミだな」
「それは僕が!?それともコレが!?」
「両方だ」
「酷い!!!」
そして俺はゴミ(?)を製造していた夏香をスルーし、自分の部屋へ戻る。
なんか俺今日色々スルーしてる気がする。
「あー腹減った・・・」
そうして俺はいつものように料理要員の滝春の帰りを待っていた。