第17章:理性の決壊と楽園の疾風(かぜ)
「……レオン、あなたって人は。それを、この期に及んで私たちが否定するとでも思った?」
ミレイユが魔導レンズをかつてないほど濃密なピンク色に発光させ、ふわりと、だが逃がさない強さでレオンの首に腕を回した。彼女の肌からは、演算機能がオーバーヒートを起こしたような、熱い吐息が漏れている。
「そうよ、認めてあげる。私たちは全員、あなたの言う通り、とっくに理性が焼き切れるほど『スケベ』よ。……でも、それはね、レオン。この世の誰でもいいわけじゃない。……あなたの白銀の魔力、あなたの不器用な優しさ、そしてあなたの放つその熱に、私たちの本能が、雌としての魂が、狂おしいほどに呼応してしまっているだけなの」
ミレイユの言葉を合図にするように、五人のお姉ちゃんたちが、一斉に獣のような、あるいは慈母のような、妖艶で濃密な気配を放ちながらレオンを包囲した。
「ふふ……。レオン様、否定などいたしませんわ。聖女として神に祈りを捧げていた指先が、今や貴方様の肌の感触を、あの熱い繋がりの記憶を求めて、夜な夜な疼いて止まらないのです。……貴方様に触れられるたび、私は自分が聖女であることを忘れ、ただ貴方様を求める一人の女として完成していく……。その悦びを教えてくださったのは、他ならぬ貴方様ですのよ?」
セレスが潤んだ瞳で、自身の震える指先をレオンの唇に這わせる。そこにはもう、清廉な聖女の仮面はなく、ただ主君を貪りたいという赤裸々な欲情だけが渦巻いていた。
「あはは! そうよ、レオン! 私たちがスケベじゃなかったら、あんなに何度も、朝まであなたの『ヒールバレット』をおねだりしたりしないわよ! 私は商売人だから、損得にはうるさいけど……あなたの愛にだけは、どれだけ搾り取られても『もっと頂戴』って叫びたくなるの。……ねえ、今夜は昨夜よりもっと、ひどいことしてくれてもいいわよ?」
ヴァレリアがレオンの耳を甘噛みし、挑発的に腰を押し付けてくる。その瞳は、獲物を前にした肉食獣のように爛々と輝いていた。
「……騎士の誇りも、規律も、レオン様の御前では無意味です。私は、貴方様の力強い腕の中で、声を枯らして鳴かされる瞬間が、人生で最も自分が『生きている』と実感できるのです。……レオン様、貴方様が望まれるなら、私はどこまででも堕ちていきましょう。……さあ、私という獲物を、心ゆくまで蹂躙してください!」
エルザが顔を真っ赤にしながらも、剥き出しの闘争心にも似た情念をレオンにぶつけてくる。
「ふふふ……。影は、光が強ければ強いほど、濃く、深く、湿り気を帯びるもの。……レオン様、私の影の奥底に、貴方様のすべてを閉じ込めて、一滴も残さず吸い尽くしてしまいたい。……そんな卑しい独占欲に、私は毎日支配されているのですわ。……ねえ、私たちのこの『スケベ』な本性、貴方様が責任を持って、最期まで愛してくださるのでしょう……?」
シオンがレオンの背後から影を這わせ、逃げ場のない快楽の檻を構築していく。
「……あ、ああ……。お前ら、そんな顔すんなよ……。分かった、分かったから! だったら、もう遠慮はしねえ! 今夜は誰一人、眠れると思うなよ!」
レオンが開き直ったように叫ぶと、五人のお姉ちゃんたちは一斉に、勝利と愛欲に満ちた歓喜の声を上げた。
レオンの魔力溜まりは、五人の乙女たちがさらけ出した剥き出しの本能と、自分への狂おしいまでの独占欲、そしてこれから始まる、建国史に刻まれることのない「最も淫らな狂宴」の予感を吸い込み、ヴィクトール領の夜を、理性も、身分も、種族も、すべてを等しく愛の海へと沈める、圧倒的で苛烈な白銀の輝きで塗り替えていた。
「……ふふ、そうね。冗談はベッドの上まで取っておきましょうか。レオン、あなたのその『次は何をすべきか』という真っ直ぐな瞳、私は大好きよ」
ミレイユは一瞬で空気を切り替え、魔導レンズを精緻な解析モードへと移行させた。ホログラムには、現在爆発的な勢いで膨張しているヴィクトール領の全データが、系統立てて整列されている。
「システムは構築した。産業も、教育も、物流も、今はあなたが与えた慣性に従って猛烈なスピードで回り始めているわ。でも、レオン……国家が形を成す時、最後に必要になるのは『法』と『象徴』、そして**『外交の決断』**よ。
具体的に、あなたが今すぐ着手すべき優先事項を三つに絞ったわ。
1. ヴィクトール憲章の制定
学校もギルドもできたけれど、この国の『根幹となるルール』をあなたの言葉で明文化する必要があるわ。
『誰もが学び、誰もが食べ、誰もが愛し合える。それを妨げる者は容赦しない』。
そんな、シンプルで強力な言葉。民が迷った時に見上げる『白銀の指針』を創るの。これが、あなたを『ただの統治者』から『永遠の建国主』に変えるわ。
2. 王都、および周辺国への『独立建国宣言』
トラック一千台が世界を駆け巡り、亜人を救出した。これは周辺国にとって、もはや無視できない『脅威』であり『希望』でもある。
王都が自壊するのを待つのもいいけれど、そろそろ正式に『ヴィクトール白銀共和国(あるいは帝国)』としての建国を世界に宣言し、通商か、服従かを突きつける時よ。
3. 『亜人・人間共生式典』の主催
一千台のトラックで運ばれてきた亜人たちが、今日、この地に足を踏み入れる。
彼らを『客』ではなく『家族』として迎える姿を、全領民に見せつけるのよ。あなたが先頭に立って彼らと握手をし、共に焼肉のタレをかけた肉を頬張る……その姿こそが、この国の差別の壁を物理的に破壊する最大の攻撃になるわ」
ミレイユはホログラムを閉じ、レオンの隣に歩み寄ってその肩に手を置いた。
「システムを作るのは私の仕事。でも、そのシステムに『魂』を吹き込み、民の心を一つに束ねられるのは、世界でたった一人……レオン、あなただけなのよ」
セレスも、エルザも、ヴァレリアも、シオンも。
それぞれの持ち場で完璧な仕事をこなしながら、主君の次の一歩を、熱い期待とともに見守っている。
レオンの魔力溜まりは、次なる国家のステージへと進むための静かな闘志と、五人の乙女たちが捧げる揺るぎない信頼を吸い込み、ヴィクトール領の空を、一時の熱狂ではない、千年の秩序を約束する深く静謐な白銀の輝きで塗り替えていた。
「レオン、あんたって人は……! どこまでその『天才的な怠慢』を貫き通すつもり?」
ミレイユが呆れたように、けれどその口元には堪えきれない笑みを浮かべて魔導レンズを明滅させた。レオンの「俺は表に出ない、伯爵に全部やらせろ」という丸投げ宣言を受けて、作戦室の空気は一気に「影の支配者」モードへと切り替わる。
「……いいわ。それ、実は戦略的にも最高に『エグい』選択よ。あなたが表に出ず、伯爵という『旧体制の象徴』をトップに据えてこれだけの奇跡を行わせる。周辺国から見れば、ヴィクトール領は『得体の知れない神の加護を受けた不気味な楽土』に見える。そしてその裏で、あなたがすべての糸を引いている……。完璧な二重構造ね」
ミレイユが即座に、伯爵への「全自動・建国マニュアル」を構築し始めた。
「了解。伯爵には『ヴィクトール総督』の称号を与えて、表舞台のすべてを押し付けましょう。
憲章の朗読も、亜人との握手も、周辺国への威圧的な建国宣言も、全部あの髭の伯爵にやらせるわ。
私たちはその背後で、最高級の特等席から、彼が冷や汗を流しながらも必死に『理想のリーダー』を演じる姿を高みの見物と洒落込みましょうか」
ヴァレリアが、既に伯爵を使い倒す算段を立ててニヤリと笑った。
「あはは! 伯爵、今頃自分の部屋で震えてるんじゃない? でも大丈夫、私が完璧なスピーチ原稿と、彼を『名君』に見せるための演出を全部用意してあげる。……彼はただ、あなたの指示通りに動く最高級の操り人形になればいいのよ。……その代わり、実利と権力はすべて私たちの手の中ね!」
「まあ……。伯爵様も、レオン様の代理を務めることで、自らの家名の汚名をそそぐ機会を得られるのですもの。きっと死に物狂いで頑張ってくださいますわ」
セレスが聖杖を掲げ、伯爵が壇上に立つ際、その背後に「神々しい後光」が差すような魔導演出の準備を始めた。
「騎士団の指揮権も、表向きは伯爵にあるように見せかけましょう。ですが、実質的な忠誠の対象はレオン様、貴方様ただ一人。……影から糸を引く若き主君……。ふふ、武人として、これほどゾクゾクする主君への仕え方はありません!」
エルザが聖剣を鳴らし、レオンを守る「影の親衛隊」としての自覚を新たにする。
シオンは、レオンの膝の上に音もなく腰を下ろし、その耳元で熱く囁いた。
「……賢明な判断ですわ、レオン様。……表舞台の喧騒は伯爵に任せ、貴方様は、この影の王座で、私共と共に甘い蜜を啜っていれば良いのです。……世界を裏側から支配する悦び……今夜、たっぷりと教えて差し上げますわ……」
「……よし。ミレイユ、伯爵に伝えておけ。『失敗は許さない。だが、成功すればお前は歴史に残る英雄になれる』とな。……さて、俺は忙しくなる伯爵を横目に、お前たちと新作のスイーツの試食でもさせてもらうとするか」
レオンが不敵に笑うと、五人のお姉ちゃんたちは一斉に、その「悪い男」の顔をした主君に熱い視線を送った。
レオンの魔力溜まりは、表舞台で踊る伯爵と、それを見下ろす真の支配者たちの冷徹な秩序、そして自分たちだけの秘密を共有する五人の乙女たちの歪なほど深い情愛を吸い込み、ヴィクトール領の空を、欺瞞と真実が交錯する、圧倒的で底知れない白銀の輝きで塗り替えていた。
「……ふふ。レオン、あんたって人は。自分を『スケベなだけだ』なんて突き放しておきながら、結局は伯爵のあのお人好しな本質を見抜いて、彼に一番輝ける場所を用意してあげるのね」
ミレイユは慈しむような眼差しでレオンを見つめ、ホログラムの操作パネルを「全自動統治モード」へと切り替えました。
「了解したわ。伯爵は確かに、この腐りきった世界では絶滅危惧種の『善人』よ。だからこそ、民は彼の言葉を信じ、亜人たちは彼の差し出す手を握る。……彼をこの国の『顔』に据えることは、戦略的にも、そして人道的にも最高の選択ね。……後は私たち、あなたの影であり翼である五人が、完璧に回しておいてあげる」
【レオン様の「丸投げ」完遂プラン】
伯爵の「英雄化」プロデュース:
ヴァレリアが伯爵を「慈愛と決断の主君」として徹底的にブランディングします。広報ゴーレムと一千校の学校を通じて、彼の善行を神話級に仕立て上げ、民の支持を盤石にします。
鉄壁の「裏方」ガバナンス:
実務はミレイユの演算と、副団長の事務処理、そして役人育成校の卒業生たちが担います。伯爵は「最終決裁の印鑑を押し、民に微笑む」だけで、国が最適解で動き続けるシステムを完成させます。
聖域と影の守護:
セレスが伯爵の周囲に常時「浄化の結界」を張り、シオンの影が暗殺や不正を未然に防ぎます。エルザの騎士団は、伯爵の威光を守る盾として全土に睨みを利かせます。
「……これで、表舞台の雑事はすべて片付いたわ。レオン、あなたはもう、何も心配しなくていい。この国は伯爵の『善意』を旗印に、私たちの『知恵』と『力』で、どこまでも高く飛んでいく」
ヴァレリアがレオンの隣に座り、最高級のヴィクトール・ワインをグラスに注ぎました。
「さあ、王様。……いいえ、『自由な少年』に戻る時間よ。伯爵が広場で民衆の歓声に応えている間、私たちはここで、あなたを世界一幸せにするための『特別公務』に励むとしましょうか」
セレスがレオンの背後から優しく抱きしめ、その首筋に熱い吐息を吹きかけます。
「レオン様……貴方様が創り、伯爵様に託したこの『楽園』の静寂を、今夜は心ゆくまで堪能いたしましょう。……私共の愛は、貴方様の魔力と同じ、決して枯れることはありませんわ」
シオンが影を広げ、部屋の明かりをゆっくりと落としていきました。
「ふふふ……。善人の伯爵様には『光』の舞台を。……そして、少しだけ欲張りで、誰よりも優しい貴方様には、私共との『影』の抱擁を……」
レオンの魔力溜まりは、信頼できる者に重荷を託した解放感と、五人のお姉ちゃんたちが放つ、貴方だけを甘やかし続けたいという狂おしいほどの情愛を吸い込み、ヴィクトール領の夜を、すべての責任から解き放たれた、圧倒的で濃密な白銀の輝きで塗り替えていた。
「魔物狩り……? レオン、あんたって人は! あれだけのシステムを組み上げておいて、最後は結局自分の手で暴れたくなっちゃうわけ?」
ミレイユが驚いたように目を丸くした後、クスクスと愉しげに笑い、即座に「狩猟モード」の広域スキャンを開始した。
「いいわ、最高のリフレッシュじゃない。伯爵が壇上で『平和と共生』を説いている裏で、真の支配者たちがピクニック気分で厄災を蹂躙しに行く……。これこそヴィクトール流の休日の過ごし方ね。……ターゲット捕捉。北方の未開拓領域、古代遺跡の影に潜む大型の『深淵大蜘蛛』とその群れなんてどう? ちょうど、新作のドレスに使う最高級の魔糸が欲しかったところよ」
「まあ! レオン様とのお出かけですわね!」
セレスが聖杖を握り直し、少女のように頬を染めた。
「私が皆様に常時『身体強化』と『超感覚』の加護を付与いたします。……ふふ、魔物たちには申し訳ありませんが、今夜のレオン様はいつもよりずっと『お盛ん』ですもの。浄化の光も、いつもより激しくなってしまうかもしれませんわ」
「よっしゃあ! 腕が鳴るぜ!」
エルザが重厚な鎧を脱ぎ捨て、より動きやすい、身体のラインが強調された白銀の軽装へと着替え始めた。
「レオン様、私の剣技と貴方様の魔弾、どちらが先に獲物を射抜くか勝負いたしましょう! ……勝った方には、今夜の『主導権』を与える……というのはいかがですか?」
ヴァレリアは、狩猟用の魔導銃を肩に担ぎ、計算高くニヤリと笑う。
「魔物狩りっていうか、これは『素材の強制徴収』ね。レオン、あんたがぶっ放す白銀の魔力で、魔物の肉まで美味しく熟成されちゃうんじゃない? ……獲れた素材は全部私が最高値で換金して、明日の私たちのデート費用にしてあげるわ!」
「……ふふ、影の狩りの時間ですわね」
シオンがレオンの足元の影に溶け込み、そこから這い出した無数の影の手が、期待に震えるように蠢く。
「レオン様、逃げ惑う魔物たちの絶望を、私の影で美味しく頂いてもよろしいかしら? ……貴方様の隣で血の匂いを感じるのも、また一興ですわ……」
「よし、決まりだ! ミレイユ、一千台のトラックから一台、最高に足の速いヤツを出せ。……伯爵には『周辺領域の安全確保のための聖戦に出る』とでも伝えておけよ。……さあ、暴れるぞ!」
レオンが不敵に笑い、その指先から白銀の魔力がパチパチと火花を散らす。
レオンの魔力溜まりは、五人のお姉ちゃんたちと駆ける戦場への高揚感と、彼女たちが向ける「戦う男」への熱い欲情、そしてすべてを手に入れた少年が謳歌する自由な放蕩を吸い込み、ヴィクトール領の空を、厄災すらも遊び場に変える、圧倒的で苛烈な白銀の輝きで塗り替えていた。
「ええ、行きましょう。レオン、あんたが作ったこの『平和』を、私たちが一番特等席で楽しませてもらうわ!」
ミレイユがパチンと指を鳴らすと、旗艦ゴーレムトラックのエンジンが、まるでお前の高揚感に呼応するように力強く、かつ静かに唸りを上げた。
フロントガラスの向こうには、整然と区画された美しいヴィクトール領の街並みが広がっている。学校へ向かう子供たちの笑い声、活気に満ちた市場の喧騒、そして遠くに見える豊かな果樹園。……伯爵が必死に演説の練習をしている平和な日常を背に、俺たちは白銀の疾風となって、未開の戦場へと突き進む。
「レオン様、見てください。空も、大地も、貴方様を祝福するように輝いていますわ。……私たちが戻る頃には、さらに多くの愛がこの国に芽吹いているのでしょうね」
セレスが隣で俺の腕を抱きしめ、窓の外に広がる「白銀の楽園」を慈しむように見つめる。
「平和……。いい響きね、レオン。あんたがその頭脳とスケベ心で勝ち取った、世界で一番贅沢な退屈よ。……さあ、その退屈を吹き飛ばすくらい、暴れ回ってきなさい! 素材の回収は、このヴァレリア様に任せておいて!」
ヴァレリアが助手席で魔導銃の手入れをしながら、豪快に笑う。
「さあ、レオン様! 獲物は待ってはくれません! ……この国の平和を裏側で支える、私たちだけの秘密の遠征……最高の気分です!」
エルザが後部座席で聖剣を抜き放ち、その白銀の刀身に映る己の、そして俺の姿を見て、恋する乙女の瞳で微笑んだ。
シオンは俺の背後の影から、とろけるような声を漏らす。
「……ふふ、どこまでも、どこまでも付き従いますわ。……平和な領地も、血飛沫舞う戦場も、そして熱い抱擁の中も……。レオン様、貴方様がいる場所こそが、私の唯一の帰るべき場所なのですから……」
一千台のトラックの旗艦が、ゲートを抜けて荒野へと解き放たれる。
後方には、一人の少年が築き上げた、悩みも飢えも差別のない「理想郷」。
そして前方には、その理想を守るための「力」を振るう、自由な冒険の空。
レオンの魔力溜まりは、完成された平和への誇りと、愛する五人のお姉ちゃんたちと共に歩む果てしない未来への期待を吸い込み、ヴィクトール領の空を、今日という完璧な一日を祝福する、圧倒的でどこまでも澄み渡った白銀の輝きで塗り替えていた。
「完――。レオン、最高の物語だったわ」
ミレイユがホログラムのスイッチを切り、静かになった作戦室で、五人のお姉ちゃんたちが一斉にあなたを包み込みました。
一人の少年の「スケベ心」と「罪悪感」から始まった建国劇は、一千台のトラックを走らせ、一千の学校を建て、差別も飢えもない、愛の産声が響き渡る白銀の楽園を完成させて幕を閉じました。表舞台の平和は「善人」の伯爵に託され、真の王であるあなたは、愛する五人の乙女たちと共に、自由な空へと駆け出していった……。
「レオン様、貴方様が描き出したこの景色は、私共の魂に永遠に刻まれます。……さあ、物語の続きは、私共との終わりのない『日常』の中で、一頁ずつ紡いでいきましょうね」
セレスがあなたの額にそっと聖なる接吻を落とし、ヴィクトール領の空には、これ以上ないほど穏やかで、かつてないほど輝かしい、究極の白銀の残光がいつまでも棚引いていました。




