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白銀の救世主(メシア)は、絶望の地を喰らい尽くす。 ~魔力適性ゼロの少年、死線で覚醒し、五人の女神と最強の略奪建国を開始する~  作者: 慈架太子


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第14章:回復の狂宴と黄金の国家戦略

「……まだ、終わらせない。一晩中、俺の相手をしてもらうぞ」


レオンが指先を弾くと、白銀の光が部屋中に降り注いだ。ヒールバレット。肉体の疲労を強制的に除去し、魔力と活力を一瞬で極限まで引き上げる回復の弾丸だ。


一度「果て」を迎え、甘い倦怠感に包まれようとしていた五人の乙女たちは、その光を浴びた瞬間、再び身体の芯から突き上げるような激しい欲情と生命力に貫かれた。


「あぁっ!? レオン様……身体が、勝手に熱くなって……っ!」

セレスが腰を跳ねさせ、再び潤んだ瞳でレオンを求めて縋り付く。レオンもまた、自らに放ったヒールバレットによって、十代の爆発的なエネルギーを完全復活させていた。


そこからは、正に理性をかなぐり捨てた「回復ループ」の狂宴だった。


レオンは、震えるシオンの腰を掴み、その滑らかなお尻に顔を埋めては吸い付き、声を上げさせる。果てれば即座に光が舞い、次の瞬間にはエルザの弾けるような肢体を蹂躙し、ヴァレリアの熟れた肌を吸い尽くす。ミレイユの計算された愛撫がレオンを絶頂へ導くたび、白銀の光弾が炸裂し、六人の意識を強制的に覚醒へと引き戻した。


「はぁ、はぁ……もう、何度目……? レオン、あなたの回復魔法、反則だわ……っ! でも、もっと、もっと止まらないで……!」

ヴァレリアが汗ばんだ肌をレオンに擦り付け、歓喜の悲鳴を上げる。


「演算……再開……っ。ふ、ふふ、何度でも、何度でもイかせてあげる……。レオン、あなたの全部、私の回路に刻み込んで……っ!」

ミレイユは魔導レンズを真っ白に発光させ、回復の光に焼かれながら狂ったように腰をくねらせた。


絶頂と回復。快楽の極致と、それを無限に繰り返すための残酷なまでの活力。

シオンは影の中に溶け、エルザは騎士の誇りを悦びの声で塗り潰し、セレスは聖女の慈愛を淫らな奉仕へと変えて、レオンの若き奔流を受け止め続けた。


何度、意識が飛びかけただろうか。

何度、極限の悦びに魂が震えただろうか。


窓の外では、夜が深まり、やがて白銀の月が沈み、朝の気配が忍び寄る。しかし、閉ざされた部屋の中では、六人の魂が混ざり合い、回復の光が爆ぜるたびに、新たな絶頂の嵐が巻き起こる。


最後には、もはや誰が声を上げているのかも分からず、ただ肌と肌が触れ合う音と、甘い喘ぎ、そしてヒールバレットが炸裂する清冽な音だけが響き続けた。


レオンの魔力溜まりは、五人の乙女たちと限界を超えて分かち合った極限の情愛と、尽きることのない若き本能の熱、そして意識を失う寸前まで繰り返された「救済」という名の淫らな儀式を吸い込み、ヴィクトール領の夜明けを、どこまでも白濁した、熱く激しい白銀の輝きで塗り潰していた。




窓から差し込む朝の光と、身体の芯から突き上げるような凄まじい空腹感でレオンは目を覚ました。昨夜、意識を失うまで繰り返した「回復と絶頂」のループ。ヒールバレットで肉体は癒えていても、消費された膨大なエネルギーまでは補いきれない。


「……腹が、減った……」


レオンはふらつく足取りで、まだ温かみの残るベッドから抜け出し、部屋の隅にある大きなかまどへと向かった。火を熾すと、迷わずアイテムボックスの深層に手を突っ込む。


「……何の肉だか分からんが、今は一番デカい塊が必要だ」


取り出したのは、王国の「掃除」の最中に回収した、魔導的な活力が詰まった巨大な魔獣の腰肉の塊だ。レオンはそれを無造作に厚く切り分け、熱せられた鉄板の上に叩きつけた。


ジューッ……!!


脂が爆ぜる芳醇な香りが部屋中に広がる。その暴力的なまでに美味そうな匂いに誘われるように、ベッドの上で重なり合っていた乙女たちが、一人、また一人と力なく、しかし必死な様子で身を起こした。


「……レオン様、その匂い……反則ですわ……。お腹が、空きすぎて……動けません……」

セレスが乱れた髪のまま、お腹を抱えてふらふらと竈へ寄ってくる。


「……演算不能。胃袋の空虚が、思考を停止させているわ……。レオン、その肉……早く……」

ミレイユも魔導レンズを虚ろに明滅させ、シオン、エルザ、ヴァレリアも、まるで飢えた小動物のような瞳でレオンの手元を凝視している。


レオンは無言でアイテムボックスから、白磁の清潔な大皿と、重量感のある銀のカトラリーを次々と取り出し、テーブルへ並べた。さらに、キンキンに冷えた氷のジョッキを六人分用意し、なみなみと黄金色のエールを注ぎ込む。


「……よし、第一陣だ。食え!」


こんがりと焼き色がつき、断面からは溢れんばかりの肉汁が滴る巨大な肉の塊が、五人の皿に次々と配られた。


「いただきます……っ!」


五人の乙女たちは、もはや淑女の礼儀など忘れたかのように、一斉にナイフを入れ、肉を口に運んだ。

「あぁ……っ! 美味しい……身体の中に、力が溶けていきますわ……!」

セレスが頬を染め、肉の繊維を噛み締める。

「はふっ、あつ……っ。でも、止まらない……! 昨夜の熱が、全部この肉で上書きされるみたい……っ!」

エルザがワイルドに肉を咀嚼し、ヴァレリアもジョッキのエールを豪快に煽った。

「ぷはぁっ! 生き返るわね……! レオン、これもっと焼いて! 全然足りないわよ!」


レオンもまた、自分の皿に載せた特大の肉に食らいつく。噛み締めるたびに溢れ出す濃厚な旨味と魔力が、枯渇しかけていた身体の隅々まで染み渡っていく。


レオンの魔力溜まりは、五人の乙女たちと共に囲む、朝の静かな、しかし生命力に満ちた食事の風景と、空腹を満たしていく至福の多幸感、そして次に始まる「建国」への確かな活力を吸い込み、清々しい朝日の中で、どこまでも誇らしく、力強い白銀の輝きを放ち続けていた。





「肉だけじゃ足りないな。炭水化物と卵も必要だ」


レオンはさらに火力を強めると、アイテムボックスから王都の最高級ベーカリーから「回収」しておいた、外はカリッと、中は驚くほどふわふわの白パンを大量に取り出した。それを竈の端で軽く炙り、香ばしい小麦の香りを立たせる。


さらに、巨大な鉄板の空いたスペースに、これまた「素材」の回収ついでに手に入れた魔鳥の新鮮な卵を次々と割り落とした。


ジュワァァァッ!


黄金色の黄身がぷっくりと盛り上がり、白身の縁がカリカリと黄金色に焼き上がっていく。レオンは手際よく、焼き上がったばかりの肉の上にその目玉焼きをスライドさせ、とろりと溶け出した黄身が肉汁と混ざり合う、最高に背徳的な一皿を完成させた。


「……パンと目玉焼きだ。こいつを肉と一緒に流し込め」


「あぁ……この黄身の輝き、まるで太陽のようですわ……っ!」

セレスが震える手でパンをちぎり、目玉焼きの黄身をたっぷりと掬い上げて口に運ぶ。

「んんぅ……っ! パンの甘みと、濃厚な卵、そしてお肉……! 幸せすぎて、意識が遠のきそうですわ……っ!」


「演算……再開。この栄養素の組み合わせ、現在の私の生体ログに完璧にマッチしているわ。レオン、あなた、料理の才能も規格外ね……っ」

ミレイユは無心にパンを咀嚼し、普段の冷静さをかなぐり捨てて目玉焼きを頬張る。


「くぅ?っ! このパンに肉の脂を吸わせて食べるのが最高なんだよね!」

ヴァレリアが豪快にパンで皿を拭うようにして食べ、エルザも「騎士団の食事もこれほど豪華ではありませんでした……!」と、涙目になりながら目玉焼きを飲み込んでいく。シオンは、影を使って複数のフォークを操り、優雅ながらも恐ろしい速さで皿を空にしていった。


レオン自身も、カリカリのパンに半熟の黄身を絡ませ、肉と一緒に豪快に口へ放り込む。噛むたびに溢れるエネルギー。昨夜の激しい「格闘」で失われたすべてが、今、この食卓で完璧に補填されていく。


ジョッキに注がれた冷えたエールが、熱い喉を通り抜け、腹の底から力が湧き上がってくるのを感じた。


レオンの魔力溜まりは、五人のお姉ちゃんたちが放つ、満腹の多幸感と朝の柔らかな情愛、そして食卓を囲む家族のような温かな時間を吸い込み、ヴィクトール領の朝を、どこまでも健やかで、希望に満ちた白銀の輝きで照らし出していた。




「……ふぅ。食った、食い尽くしたな」


レオンが最後にジョッキを置き、大きく息を吐き出した。テーブルの上に積み上がったのは、巨大な魔獣の骨の山と、一欠片のパン屑も残っていない白磁の大皿。計算すれば、実に二十キログラムに及ぶ肉の塊が、わずか一時間足らずの間に六人の胃袋へと消えたことになる。


普通なら成人男性でも数日かかる量だが、昨夜、六人で意識を失うまで繰り返した「絶頂と回復の無限ループ」は、それほどまでに彼女たちの肉体を飢えさせ、エネルギーを枯渇させていたのだ。


「二十キロ……。私の演算データによれば、通常の摂取許容量を大幅に超過しているけれど……不思議ね、全く胃もたれがしないわ。むしろ、細胞一つ一つが歓喜の声を上げているのが分かるわ」

ミレイユが満足げに腹部をさすり、魔導レンズを穏やかに明滅させる。彼女の華奢な体格のどこにそれだけの肉が入ったのか不思議なほどだが、その肌には瑞々しい艶が戻っていた。


「ああ、生きてるって感じですわ……。レオン様、美味しい食事をありがとうございました。……身体の奥がポカポカして、昨夜の余韻とこの満腹感で、また少し眠くなってしまいそうですわ……」

セレスが、心底幸せそうに目を細めてレオンを見つめる。その豊満な胸元は、はち切れんばかりの生命力で満たされていた。


「これだけのエネルギーがあれば、いつでも戦場へ赴けます! ……いえ、今は戦場ではなく、畑でしたね。レオン様、いつでも出発の準備はできております!」

エルザが力強く立ち上がり、騎士服のベルトを一段階緩めながらも、その瞳には活力に満ちた炎を宿している。


シオンは影を使い、手際よく空になったジョッキや皿を片付けながら、妖艶にレオンへ微笑みかけた。

「ふふ、二十キロの肉が、私たちの血となり、肉となりましたわ。……レオン様、このエネルギーが、今夜またどのような『熱』に変わるのか……楽しみですわね?」


ヴァレリアも、最後の一口のエールを飲み干し、豪快に笑った。

「あはは! これだけの肉を平らげる建国者なんて、歴史上どこを探してもいないわよ。でも、これこそがヴィクトール領の勢いってものよね!」


二十キロの肉という「暴力的なまでの活力」を分け合った六人の間には、もはや言葉を必要としないほどの強固な絆と、隠しきれない野生の熱が漂っていた。レオンは、自分たちの身体に漲る圧倒的な力を感じ、確信した。このエネルギーがあれば、どんな荒れ地も瞬時に楽土へと変えられる。


レオンの魔力溜まりは、五人の乙女たちが放つ満腹の多幸感と、極限まで充填された生命の鼓動、そして「食」という根源的な喜びを分かち合った深い情愛を吸い込み、窓から降り注ぐ朝日を弾き返すほど、どこまでも力強く、美しく、苛烈な白銀の輝きを放ち続けていた。




「計画の策定、および外部状況の解析……。すべて完了しているわ、レオン」


ミレイユは空いたジョッキを置くと、まだ熱を帯びている魔導レンズを一度カチリと鳴らし、食卓の上の空間に広域ホログラムを展開した。


「まず、役人たちの再建計画よ。彼ら、徹夜で仕上げたみたいね。ヴィクトール領をハブとした各拠点への物流ルートの最適化、および拠点ごとの特産品を活かした互助システムの構築……。数値にヌケは一切ないわ。伯爵も太鼓判を押している。あなたが持っている『特製肥料』の投下ポイントまで、分単位でスケジュールが組まれているわ」


ミレイユの指先が地図をスライドさせ、王都のホログラムを中央に持ってきた。そこには、静まり返った石造りの街並みが映し出されている。


「……王都の様子だけど、一言で言えば『完全な機能不全』ね。特権階級と実務役人の大半がいなくなったことで、行政は完全に停止。唯一残された『裸の国王』は、誰もいない玉座の間で、独り言を呟きながら震えているわ。……ただ、あなたが救い出した民たちの噂が広がり始めていて、王都に残されたわずかな平民たちの間では、ヴィクトール領を『約束の地』として神格化する動きが出ている。……放置すれば、近いうちに無人の廃墟になるでしょうね」


続いて、地図の視点が王国の国境を越え、周辺諸国へと広がっていく。いくつかの国が赤く点滅し、軍事的な動きを示唆する警告が表示された。


「周辺諸国の反応は……当然ながら、極度の警戒と混乱よ。一晩で強大な王国が実質的に崩壊し、白銀の極光が空を覆ったのだから。特に東の帝国と南の教国は、この事態を『未知の災厄』か『神の断罪』と捉えて、国境付近に偵察部隊を集結させているわ。……でも、彼ら、恐ろしくて手が出せないみたい。私の索敵網が、彼らの震える心拍数まで拾っているわよ」


ミレイユはホログラムを消すと、レオンを真っ直ぐに見つめた。


「状況はすべて、あなたの望み通りに整ったわ。……内政の準備は万端、外敵は恐怖で釘付け。……さあ、レオン。この二十万の民と、五人の乙女、そして新たな役人たちを率いて、世界に引導を渡す『真の建国』を始める時間よ」


レオンの魔力溜まりは、完成された完璧な計画と、死に体となった旧世界の残骸、そして周辺諸国が抱く底知れない恐怖を吸い込み、ヴィクトール領の朝を、世界を再定義するほどの苛烈で静謐な白銀の輝きで塗り替えていた。




「了解。全行程、最短ルートでスケジューリングするわ。……レオン、準備はいい?」


ミレイユは空中に青白い魔導ウィンドウを整然と並べ、指揮官としての冷徹な、しかし信頼に満ちた瞳でレオンと他のお姉ちゃんたちを見据えた。


「第一工程:ヴィクトール中央広場、および周辺農地の『土壌覚醒』。……伯爵と役人たちは既に現地で待機中よ。レオン、あなたのアイテムボックスにある『特製肥料』を、私が指定する十二の座標に順次投下して。……セレス、投下と同時にあなたの浄化魔法で肥料の魔力を大地に定着させて。一秒の遅れも許されないわ」


「承知いたしましたわ、ミレイユさん。レオン様、いつでもどうぞ……。この地の土を、永遠の豊穣を約束する聖なる苗床に変えてみせますわ」

セレスが聖杖を構え、昨夜の情事の名残を感じさせない、清廉な女神のごとき魔力を纏わせる。


「第二工程:拠点への『資材転送』と『物理構築』。……シオン、あなたが影の通路を広げて。再建計画に基づいた資材と食料、そして『素材』から精製した建材を、十二の拠点へ一斉に送り込むわ。エルザ、あなたはゲートの護衛と、現地に送る防衛ゴーレムの最終調整を頼むわね」


「ふふ……影の道は既に繋がっておりますわ。レオン様、私の影を……昨夜のように、心ゆくまで使い倒してくださいませ……」

シオンが妖艶に微笑み、その影が生き物のように大地を這い、異空間への入り口を広げていく。


「了解したわ、ミレイユ。……レオン様、私がいれば外敵の偵察部隊など恐るるに足りません。この二十万の民の生活圏を、一分の隙もなく守り抜いてみせます!」

エルザは騎士としての誇りを胸に、聖剣の柄に手をかけた。


「第三工程:ヴァレリア、あなたは役人たちを率いて、各拠点との『経済回路』を即座に接続して。物流が止まれば救済はただの自己満足に終わる。……あなたがこの国の『血』を回すのよ」


「任せて。商人の腕の見せ所ね。レオン、たっぷり稼がせてもらうわよ? もちろん、全部あなたの国の繁栄としてね!」

ヴァレリアが不敵に笑い、手元の魔導端末で数字を弾き始める。


ミレイユは最後に、レオンの隣へ歩み寄ると、その瞳のレンズを一度力強くカチリと鳴らした。


「……最後はあなたよ、レオン。……王、として、民の前に立ち、その白銀の力で世界の法則を塗り替えなさい。……行きましょう。私たちが、あなたの翼になるわ」


レオンは無言で頷くと、五人の最高のお姉ちゃんたちを従え、ヴィクトール領の眩い光の中へと踏み出した。


レオンの魔力溜まりは、五人の乙女たちが放つ完璧な連携の情愛と、二十万人の民の期待、そしてこれから始まる「神話」の幕開けを吸い込み、世界を再定義するほどの、圧倒的で苛烈な白銀の輝きを放ち続けていた。




「開始する。……この国の膿が、どれほどの価値を持つか、世界に知らしめてやる」


レオンの低く冷徹な、それでいて絶対的な意志を孕んだ声がヴィクトール領の朝の大気に響き渡った。その瞬間、ミレイユが展開した数百の魔導ウィンドウが同期し、白銀の幾何学模様がヴィクトール領全土、そして遠く離れた十二の拠点の上空へと一斉に展開される。


「全ポイント、座標固定。レオン、肥料投下シーケンスを開始して。……一瞬よ!」


「ああ……。クズどもの最後の奉仕だ。受け取れ」


レオンが右手を天に掲げ、アイテムボックスの門を全開にする。そこから溢れ出したのは、王都の汚職役人や旧ヴィクトール伯爵といった「ゴミ」を極限まで精製し、凝縮された魔力と栄養素の結晶――銀色に輝く微粒子の奔流だ。


「ヒールバレット・オール――広域拡散。セレス、合わせろ!」


「はい、レオン様! ……天より降り注ぐ清浄なる雫よ、大地の眠りを呼び覚まし、永遠の緑を約束なさい! ジェネシス・ブレス!」


レオンが放った数万発の回復弾が、空中で肥料の粒子と衝突し、爆発的な生命力の霧となって大地へ降り注ぐ。セレスの放つ女神の息吹がその霧を包み込み、ただの土塊であった地表へと無理やりねじ込んでいった。


その瞬間、ヴィクトール領、そして中継ゲートを通じて各拠点の畑から、地鳴りのような轟音が響いた。昨日まで枯れ果て、毒に侵されていた土壌が、まるで生き物のように脈動し、どす黒い色が瞬時に瑞々しい焦げ茶色へと塗り替えられていく。


「信じられない……。目の前で、土が『生き返って』いく……!」

現地で待機していた伯爵が、震える手で土を掴み、そのあまりの生命力に涙を流した。役人たちもまた、自分たちが計算していた予測値を遥かに上回る速度で進む「奇跡」に、ペンを握る手も忘れて立ち尽くす。


「シオン、エルザ、次は資材だ。ゲートを開け。……民を待たせるな」


「了解いたしましたわ……。影の道、全開。……さあ、新しい家と、新しい希望を運び込みましょう……」

シオンの影が、まるで巨大な津波のようにヴィクトール領の資材置き場を飲み込み、次の瞬間には数百キロ離れた各拠点の中央広場へと、最高級の建材と食料を次々と吐き出していく。


「騎士団、および防衛ゴーレム隊、進軍! ……民の安寧を乱す不浄なる者は、我が剣をもってすべてを断つ!」

エルザの号令と共に、白銀の鎧を纏ったゴーレムたちがゲートを抜け、各拠点の外周へと配備されていく。周辺国から偵察に来ていた部隊は、その圧倒的な威圧感と、空を覆う白銀の光に腰を抜かし、武器を捨てて逃げ惑った。


「経済回路、全線接続完了! ……さあ、これからはヴィクトールの金貨が世界の基準よ。……レオン、最高の建国式典になりそうね!」

ヴァレリアが勝利を確信した笑みを浮かべ、魔導通信を通じて各拠点の役人たちに次々と指示を飛ばす。


レオンは、五人の最高のお姉ちゃんたちが織りなす完璧なシンフォニーの真ん中で、自らの魔力を大地に突き立てた。


二十万の民の歓声が、空を裂いて響き渡る。

レオンの魔力溜まりは、一つの国家が「生まれ変わった」瞬間の莫大なエネルギーと、五人の乙女たちが捧げる極限の情愛と献身、そしてこれから始まる白銀の神話への渇望を吸い込み、世界中のあらゆる光を塗り替えるほど、苛烈で美しい、絶対的な輝きを放ち続けていた。




「全員、村を回るぞ。直接、民の様子を見る。ミレイユ、ゲートを繋げ。一つ残らずだ」


レオンのその一言で、ヴィクトール領の空気は再び熱を帯びた。建国とは、玉座に座って命令を下すことではない。レオンにとっては、その足で大地を踏みしめ、救い上げた命の重さをその目で確かめることこそが、真の意味での「始動」だった。


「了解。全拠点への常設安定ゲート、同期完了。……空間接続シークエンス、開始。……レオン、どこの村からでも行けるわ。……お姉ちゃんたち、準備はいい?」


ミレイユの指先が虚空を叩くと、白銀の粒子が渦を巻き、目の前に十二の光り輝く「門」が円を描くように出現した。それぞれの門の向こうには、今まさに奇跡の豊穣と資材の到着に沸き返る各拠点の光景が映し出されている。


「もちろんですわ、レオン様。貴方様が歩まれる道、そのすべてを花の香りと聖なる光で満たして差し上げます。……さあ、民たちの喜ぶ顔を見に行きましょう」

セレスが慈愛に満ちた瞳でレオンを見つめ、聖杖を掲げてゲートの安定を祈祷する。


「ふふ……影の道を通れば、移動の時間すら必要ありませんわ。レオン様、貴方様がどれほど愛され、崇められているか……その肌で感じてきてくださいませ」

シオンがレオンの影に寄り添い、どこへ行こうとも離れないという意思を込めて、その細い指先をレオンの服の裾に絡めた。


「騎士として、これ以上の名誉はありません。レオン様、我らがお守りする民の笑顔を、共に確認しに行きましょう! どこへでも、地の果てまでもお供いたします!」

エルザが聖剣を腰に差し直し、背筋を伸ばしてレオンの隣へと並ぶ。その瞳には、主君への絶対的な忠誠と熱い情愛が宿っていた。


「ビジネスの基本は現場主義、よね! 私も各拠点の役人たちに直接ハッパをかけてくるわ。……レオン、あなたの行く先々で、新しい富と笑顔が爆発するのを見守らせてもらうわよ」

ヴァレリアが不敵に笑い、魔導端末を片手に軽やかな足取りでゲートへと向かう。


「……ゲート維持電力、安定。全拠点の生体ログも正常。……レオン、行きましょう。……あなたの『救済』の結末を、私たち全員で見届けるために」

ミレイユが魔導レンズを優しく明滅させ、レオンの手をそっと握った。


レオンは五人の最高のお姉ちゃんたちを従え、最初のゲートへと足を踏み入れた。

門を抜けた先には、肥沃な大地へと生まれ変わった畑で、泥にまみれながらも希望に満ちた表情でひざまずく民たちがいた。白銀の主君と、その側近たる美しき乙女たちの姿を見た瞬間、村中に地鳴りのような歓声が響き渡る。


「レオン様万歳!」「ヴィクトールに栄光あれ!」


レオンの魔力溜まりは、各地で爆発する民たちの圧倒的な感謝の念と、五人の乙女たちが放つ寄り添うような深い情愛、そして自らが築き上げた新世界の鼓動を吸い込み、ヴィクトール領の空を、世界で最も明るく、誇り高い白銀の輝きで塗り替えていた。




「了解したわ。各拠点の気候、土壌組成、そしてレオンが投下した『特製肥料』との親和性を計算して、最も効率的に富を生む農作物を提案するわ」


ミレイユが即座にホログラムの地図を更新し、各拠点の上に最適な作物のアイコンを浮かび上がらせる。それに合わせて、ヴァレリアが商人の視点で流通価値を付け加えていった。


「まず、北方の鉱山集落ね。ここは冷涼で標高が高い。レオンの肥料で活性化した土壌なら、通常の数倍の糖度を持つ『白銀の魔力馬鈴薯』が最適よ。長期保存が効くし、軍事用兵糧としても最高級の価値が出るわ」


「いいわね、ミレイユ! 私が王都の高級レストランや周辺国の商人たちに、あえて希少価値を付けて高く売り捌いてあげる。次は東の穀倉地帯ね。ここは水の便が良いわ」


「ええ。そこには『ヴィクトール聖米』を提案するわ。セレスの浄化魔力が残留している今の土壌なら、食べ続けるだけで病を退け、魔力を回復させる特別な品種が育つ。これは新国家の主食であり、最大の輸出資源になるわね」


「聖なるお米……! それは高く売れるわよ、レオン。周辺国の教国の連中が泣いて欲しがるはずだわ。……南西のカデナ村、あの浄化したばかりの湿地帯はどうかしら?」


「あそこは水質が極めて清浄になったわ。だからこそ、最高級の『魔導綿花』を育てるべきよ。これまでは育たなかった繊細な品種だけど、今のカデナの土なら可能。エルザたちの騎士服や、私たちの新しい……その、夜の勝負服の素材にもなる、絹のような手触りの綿ね」


ヴァレリアがニヤリと笑ってレオンを見た。

「いいじゃない! 繊維産業はこの国の基盤になるわ。それから西の湾岸都市近郊……あそこは日当たりが良いから、最高に甘い『常夏の果実』と、薬効成分の強い『治癒ハーブ』をセットで作りましょう。加工してジャムやポーションにすれば、利益率は跳ね上がるわ」


「……計算は完璧よ、レオン。これら十二の拠点がそれぞれ異なる特産品を持ち、ヴィクトール領を中心に交易を行う。……これでこの国は、外敵に頼ることなく、自給自足を超えた『圧倒的な富』を手に入れることになるわ」


ミレイユとヴァレリアの息の合った提案に、セレスも、シオンも、エルザも、未来の豊穣を確信して目を輝かせた。


レオンは、ホログラムに映し出される「黄金色の未来図」を見据え、満足げに頷いた。

「……よし、決まりだ。伯爵と役人たちにこのプランを叩き込め。民たちには、これが彼ら自身の『誇り』と『富』になるんだと伝えてやれ」


レオンの魔力溜まりは、乙女たちが提示した完璧な国家戦略と、それによって潤う二十万人の民の笑顔、そして一人の少年が築き上げた新世界の圧倒的な完成度を吸い込み、ヴィクトール領の空を、黄金の実りを約束する眩い白銀の輝きで塗り替えていた。





「……レオン、あなたのその『希望』、最高に理にかなっているわ。……いえ、むしろ完璧な戦略と言ってもいいかもしれない」


ミレイユは感心したように魔導レンズを輝かせ、レオンが挙げた品々を即座にホログラムの地図上へマッピングしていった。


「玉ねぎ、にんにく、生姜……。これらは単なる食材じゃない。民の体力を底上げし、病を予防する『天然の良薬』よ。特に冬の寒さが厳しい北方拠点には、にんにくと生姜を重点的に配備しましょう。レオンの肥料で育ったそれは、一口食えば身体が燃え上がるほどの活力を生むはずよ」


ヴァレリアは、レオンが挙げた後半のラインナップを見て、商人の本能を剥き出しにして身を乗り出した。


「ちょっと、レオン! 胡椒に山椒、唐辛子……スパイスに目を付けるなんて、あなた本当に十代なの? 香辛料は金貨と同じ重さで取引される『黒いダイヤ』よ! これを独占できれば、周辺国の経済なんて、あなたの手のひら一つで転がせるわ。それに砂糖黍……甘味はこの世で最も人を虜にする麻薬。教国や帝国の貴族共が、膝をついて分け前を乞う姿が目に浮かぶわね!」


「りんごに柑橘系……。ふふ、それは素敵ですわ。お食事の後のデザートや、午後のティータイムに欠かせませんもの。……ヴィクトールの聖なる水と土で育ったりんごなら、一口かじるだけで精霊の加護が得られるような、至高の果実になりますわね」

セレスがうっとりと、その瑞々しい果実を頬張る自分たちを想像して微笑む。


シオンもまた、影の中からレオンを見つめ、妖艶に頷いた。

「唐辛子や山椒の刺激……。ふふ、刺激的な味は、夜の昂ぶりをより一層深くしてくれますわ。……レオン様、あなたの選んだそれらの『香』が、ヴィクトール領の夜をより情熱的に彩るのですね」


「……よし、全拠点への配分を再計算したわ。胡椒と山椒は湿度の高い南西部へ、トマトと柑橘系は陽光の強い西部沿岸へ、砂糖黍は南部拠点に。……レオン、あなたの『食』へのこだわりが、そのままこの国の『最強の武器』になる。……準備はできているわ。アイテムボックスにある種子を、今すぐ各村へ転送しましょう」


ミレイユのナビゲートにより、レオンの望んだ「最強の食糧リスト」が、建国の重要なピースとして地図上に組み込まれていく。


レオンの魔力溜まりは、自らが選んだ豊かな食文化の予兆と、それによってもたらされる民の健康と国の富、そして五人の乙女たちが放つ期待に満ちた熱い情愛を吸い込み、ヴィクトール領の空を、あらゆる美味と繁栄を約束する圧倒的な白銀の輝きで塗り替えていた。






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