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 私って、いつもそう。

 眠たい国語の授業中。窓の外を眺めながらふと思う。

 頭の中には、さっきのあの失敗。


「ねえ花梨ちゃん、いつも一人で何してるの?」

 休み時間、誰とも話さず一人でぼーっとしている私に話しかけてくれたのは、同じクラスの前田めぐみさんと小島怜奈さんだった。

 私が月なら彼女達は太陽。何もかも正反対の存在だった。

「いやっ、と、特に何も……考え事、してた」

 どもりながら答える。

「あ、そうなんだ! ごめんねお邪魔して」

 どこか憐れみのような表情を浮かべながらそう言った後、二人は去っていった。

 また……だめだった。

 つまらなかったのかな。気持ち悪かったのかな。嫌われちゃったかな。

 そんなことばかり考える日々。本当は寂しくてたまらないのに。


自分の本音が、言えない。


「じゃあ、酒井。ここの答え言ってみろ」

 差されてしまった。5択の選択問題だ。

 きっとこれだろう。答えは決まっている。

 ただ……間違えたら、どうしよう。先生には呆れられ、クラスメイトには憐れまれ、可哀想な子だと思われる。

 もしくは、こんな問題も解けないのか、とバカにされ、静かな上に頭も悪い子だと思われる。

 言えない。答えられない。

「わ、わかりません……」

「おぉ、そうか」

 先生は一瞬戸惑いの表情を浮かべたが、追及してくることはなかった。

「じゃあ、田中」

「はい! 3です」

「そうだな、正解だ。じゃあ解説していくぞ」

 3か……合ってたのに。

 田中さん、すごいな、自信満々。羨ましい。

 無意識にため息が出る。

 私って、いつもそう。


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