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【プロットタイプ】感情ボリューム

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

鏡花ちゃんの演技講座〜!! ぱちぱちぱち!!

怪演は素質によるよ。少なくとも私はそう思ってるよ。

鏡花という少女は演者の素質を持っている。外見こそ至って普通ではあるが、感情をコロコロ変えることで、其れに準じて表情や声色も変える。声もソプラノに近いアルト。ただ話しているだけでも周囲に反響を繰り返す。

其れはある意味、私以上の。


「鏡花って、何時もどうやって演技をしているの?」

人の心情を理解する為に、演者の真似事をしている私に、一つ質問を投げかけられた。私は丸こい瞳をキラキラと輝くのを感じた。故に前に身を乗り出した。

「私に興味あるの!?」

諭羅と私達の間に大きな溝があると思っている。だからとても嬉しい。いや、落ち着かないとな。すぐに席に戻って、女帝とも女子高生とも違う、指導者の余裕を持って彼を見た。

「心にラジオのボリュームを持って置くんだよ。他の人はどうだか知らないけれど」

私の思考回路は人と大きく異なり、変わった例え方をすると自覚している。だから一言話しただけでは意味が通じない事が多い。だから相手の表情を見て、説明を追加する。

「足りなかったか。感情を高ぶらせて、それをどれだけ表に出せば良い」

まず最初に感情、詰まり喜怒哀楽の方向性を決定する。その為に使うものは何でも良い。漫画でも小説でもアニメでも曲でも。ただ今の自分がどんな感情になりたいかだけは決めておく。そしてその題材を使って感情移入をするのだ。

あとは簡単。演じたい人物に倣って感情の火力を調整する。大人しい子ならば、控え目に。テンションの高いならば、強く。

「着替えの様に、役をストックしておくのか」

「その通り」

状況を見て、感情を伴わないで演技をするのは、周りの空気が必要だ。私が『そうあれ』という空気が。だからそれ以外で演技を行う為には、人格のストックが必要になってくる。

まぁ、だからこそ、駒でしかない私の僕達が暴れ回る事もあるのだが。

「……君が書いてる、怪奇色の強い登場人物も?」

「そうだとも」

あれを手懐けるのは、至難の業だよ。君。

鏡花の過去、あんまりお話してなかったですね。

内気で大人しい子だったんですよ。

それこそ、自分で話しかける事が出来ないくらい。


だから創作とテレビだけがお友達でした。

私が作った登場人物の様に、テレビの中の人気者の様に演じたら、私も皆の輪に入れるかな?

と思ったのがそもそもな発端。


でも演技を続けるうちに、元の大人しい人格が他の駒に食い潰されて、今の鏡花が出来上がりました。

もう内気で繊細な一面も、他からしょっぴいて来た、ただの駒の一つに成り下がってます。


だからもう、死んだも同然。だったら創作に全て捧げる。死に続ける。

創作者モードの鏡花爆誕です。


だから周りが『明るい子』と思われているのならば、『明るい子』を演じます。

所謂、ドラマツルギー。

ただ願われた時、役の心情を理解する時のみ、感情移入した駒を出力するんです。


暴れ馬ですよ。狂人の駒って。偶に鏡花自身も制御不可能になるくらい。

『あっ……あっ……あああ!! 人格出ちゃう!! 暴れてる!! ミシミシ言ってる!! やばいやばいやばいやばいやばい!!』

って内心で叫ぶぐらい。

其れもおいおいっと。

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