橋本美波
私の名前は橋本美波。他人の恋愛ドラマを見たり観察するのが大好きな高校2年生だ。
そんな私が所属しているのが文芸部。文芸部は主に詩や小説なんかの創作活動を行うことをメインに活動している。
当然、私がいま書こうとしているのは恋愛小説だ。
入部理由はラブコメの波動を感じたから。私のシックスセンスが文芸部に入部すれば面白いものが見れると訴えていた。
そして、そんな私の予感は当たっていたらしく、現在この部ではライトノベルのような日常が巻き起こっている。
そんな我らが文芸部の愉快な部員を皆さまに紹介しよう。
まずはこの部で唯一の男子生徒である佐藤隆太。この先輩はライトノベルに登場する主人公のような人だ。
佐藤先輩は別にイケメンというわけではない。なんなら目つきも悪く友達もいない。しかし、この文芸部においてハーレムを形成している恐ろしい先輩なのだ。
そんな彼を好きなのが月城夜空先輩。佐藤先輩の幼馴染で黙っていれば大和撫子のような黒髪ロングの美少女。
ただ、夜空先輩はボッチを拗らせているうえに毒舌だ。誰にでも口が悪いというよりは特に佐藤先輩に対して。
次に佐藤先輩を好きなのが澤村瑞樹先輩。茶髪をセミロングにした可愛い系の見た目をした喋らなければお嬢様ような美少女。
ただしこの先輩も口を開けば下ネタなんかの下品な言葉が口から出る。
それから腐女子である彼女はよく佐藤先輩を使ったカップリングを妄想し、それを口に出しては彼に「やめて!」と懇願されている。
そしてハーレムメンバーの最後が坂本京子先輩だ。茶髪をショートボブにした笑顔が素敵な喋らなければ天使のように癒されるゆるふわ美少女。
京子先輩はとことん空気が読めない先輩で、サラッと相手をイラつかせる事を言ってしまう天然モンスター。
多分本人は他の2人と違って佐藤先輩に恋愛感情を抱いていることに気がついていない。
ここまでが佐藤先輩のハーレムメンバーたち。そして私以外にも先輩に恋愛感情を抱いていない部員が2人いる。
1人目は私と同じ2年生の最上ルナ。小柄で身長も150センチに届かないルナは守ってあげたくなる可愛いさを持つ美少女。
彼女はどちらかというと寡黙なタイプでなぜか私に対してのスキンシップが多く甘えてくることが多い。
そして最後に紹介するのが生田茜先輩。第一印象はすごい美人。私が人生の中で出会った人の中でも断トツで綺麗な先輩だ。
そんな茜先輩は喋らなけれ理想の美少女である他の先輩たちとは逆でクールな表情で誰かと喋ることが少ない事から氷の女王と呼ばれている。
そんな事を言われている茜先輩は部活では普通に喋っているし笑顔も見せている…
正直それはズルいと思う。氷の女王とか呼ばれてる先輩の笑顔は最高に可愛いしギャップがヤバい!
そもそも先輩は綺麗さと可愛いさが合わさった顔立ちをしている。そんな彼女が部活では花が咲くような笑顔を見せるのだから反則だ。
そんな私は茜先輩の秘密を知っている。あれは少し前の放課後。先輩がイケメンとスーパーで買い物をして一緒に家まで帰るところを見てしまったのだ。
何で2人が家まで一緒に帰ったのか知っているのかって?
そんなの気になりすぎて跡をつけたからに決まってるでしょ!!
そんでもって何がヤバいってその男がうちの高校で女子人気No.1の北川隼人だってこと!
北川は2年生ながらバスケ部のエースで試合がある日には他校の女子まで観にくるほどの人気だ。
これはもうとんでもないスクープでしょ!
そのイケメンぶりが他校にまで知れ渡っている北川隼人と先輩が恋人かも知れないんてビックニュースだ。
ちなみに、私は北川もイケメンだとは思うけど、それ以上にうちの茜先輩の方が美人だと推している!
先輩はもう本当に可愛い。特に楽しそうに笑った顔を部活で見たときは倒れそうになった。
そんな茜先輩が北川といる時には私でも見たことのないような恋する少女のような顔をしていたのは衝撃的だった。
可愛すぎるだろ!
おい北川! そこ変われよ!
本当にラブコメみたいな事が起こっていて傍観者としては楽しい限りだ。
やっぱり恋愛は自分がするんじゃなくて近くで見ているのが1番だ。
そんなことを思っている私が少し先の未来で、当事者になる事をこの時の私はまだ知らない。