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仲直り



 一口サイズに切った鶏肉を調味料と一緒に入れて揉み込む。冷蔵庫に入れて30分経過したら薄力粉と片栗粉を入れならもう一度揉み込み中温の油で揚げたら、もう一度取り出して時間を置いてから油を高温にしてひっくり返しながら揚げて色がついたら完成だ。



 そう、今日の晩御飯は唐揚げ。それにカット野菜のミックスサラダと、ついでに卵スープ(インスタント)もつけておく。



 値段は少し高くなるかもしれないけれども、カット野菜は自分で野菜を切らなくてもいいから時間を短縮できて助かっている。



 ドレッシングはシーザー、胡麻ドレ、イタリアンドレッシングの3種類を用意している。

 だいたい私がイタリアンドレッシングで北川は胡麻ドレを使っている。



 今日は北川が晩御飯を食べにくる日……会いたいような、会いたくないような複雑な気持ちで気分が落ち着かない。



 そんな複雑な感情を抱える私とは対照的に北川はいつも通りの様子で家にやって来た。



 そして私の作った料理を嬉しそうに食べてくれている。

 


「美味い」



「ありがとう」



 いつもなら「美味い」と言ってもらえれば嬉しいはずなのに……今日はモヤモヤする。自分のプライドなんて気にせずに「あの女は誰なの」って聞いてしまいたい。



 でもそんなことしたら私がコイツの事を好きだって白状してまっているようなものだ。

 あの女性が誰なのか分からないし…まだこの男には私の気持ちを気づかれたくない。



「ねぇ、この前の男と本当に付き合ってないの?」



 北川が急に話しを振ってきた。多分佐藤のことを言っているのだろう。



「別にアンタには関係ないでしょう」



 無意識にそっけない態度を取ってしまう。



「告白した俺には知る権利があると思う」



 その言い方はずるい…



「…だから付き合ってないって!」



 自分だって部屋に女を連れ込んでたくせに……私だってまだ入ったことないのに…




「この前2人でファミレスにいたじゃん」



 部活帰りに佐藤と2人でいるところを見られてたのか。

 …ていうか、何でコイツがそんなこと知ってるのよ!



「別に…ただ部活帰りにファミレスに寄っただけよ…」



 佐藤もこの辺りで一人暮らしをしていて、今年から一緒に晩御飯を食べることも増えた。

 1人でお店に入って食べるより2人で食べる方が楽しい。



 一人暮らしを始めてから私は少し寂しがり屋になってしまったみたいだ。



「ていうか、何か機嫌悪い?」



「…悪くない」



「あの男と2人で会うのはやめてよ」



「だからアンタには関係ないでしょ」



「茜センパイが俺以外の男と2人きりでいるのは嫌だ」



「な、何よ……あんただって家に女を連れ込んでたじゃない!?」



 私のことばかり言って!

 自分はどうなのよ!?



「…いつ??」



「この前アンタが夕食いらないって言った日」



「あー、そんなに気になる?」



「べ、別に! アンタがどこの誰といようが私には関係ないから」



「ふーん? じゃあ教えない」



「は!?」



「だってセンパイは俺がどこの誰といようが気にならないんだもんね」



「……気になる。別にアンタの交友関係なんてどうでもいいけど……私に告白しておいて家に女を連れ込んでるなんてムカつくじゃない……」



「ねーちゃん」



「?」



「俺の姉貴ってこと」



 ホントに家族だった!

 それなのに私はあんなに取り乱して……凄くバカみたいだ…



 あぁ、穴があったら入りたいとはまさにこのことだ。




「そんなに姉貴の事が気になるなんて……もしかして俺のこと好きになった?」



「な…なってないから!」



「ホント?」



 ここで上目遣いはずるいでしょ…あざとすぎる。



「あんたなんてこれっぽっちも好きじゃないから!」




「そう、残念…でも俺はセンパイの好きだよ」



「何でこっち見ないの?」



 この男は平然と好きだなんだと口にする。それに対して私は動揺してばかりだ。

 私ばかり感情を揺さぶられてムカつくからなんとしても…真っ赤になってしまっているだろう顔をコイツだけには見られたくない。





 


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