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リレー小説2



「ていうか…瑞樹の番で話し終わってるんだけど」



 それは私も思った。



「あー、ごめん」



「まぁ、とりあえずやってみるよ」





[佐藤隆太パート]



「まさかヒロインの秘密が男だったなんて」



 このドラマのヒロインは明らかに主人公のことが好きなのに告白を断り続けるからどんな理由かと思っていたけど、まさか男だったとは。



 ウチのクラスでも流行っているドラマだから明日の学校はこの話しの話題で持ちきりだろう。



 案の定、クラスは僕が教室に入ると既にドラマの話しで盛り上がっていた。



「お前も昨日のドラマ見たか?」



 親友からさっそくドラマの話題を振られる。





「そもそも隆太には親友どころか友達もいないだろう?」



 真顔で突っ込む夜空。



「先輩が考える理想の学校生活なんですかね?」



「現実ではこんな光景ありえない」



 あ、るなが喋った。今日は全然話しているのを見てなかったから少しビックリした。

 るなはどちらかというと喋らないタイプの女の子だ。




「グハッ!!」



 あっちでは手を胸に当てて佐藤がダメージを負っている。

 よく人前で理想の学園生活なんていう妄想を垂れ流せるなとは思うけど。



「小説なんだからいいじゃん!」







 

 ホームルームが終わり1限の教科書を取ろうとすると机の中に手紙が入っていた。 

 


 これはもしかして? 

 ラブレターなのでは!



 手紙には放課後に屋上で待っているという文面が。





「ラブレターなんて貰ったことないでしょ?」



「分かんないでしょ! 僕だって貰ったことあるかもしれないじゃん!」



 私がそう聞くと慌てて否定する佐藤。



「ちなみに私は貰ったことあるよ」



「なんのマウント!」



「で、あるの?」



「あ、あるよ……?」



 目を逸らして言葉を詰まらせながら、最後は疑問形で返す佐藤。



「ラブレターを貰ったのか隆太!?」



「そんなわけ無いわよね!?」



 明らかに嘘をついているように見える佐藤の言葉に反応するのが夜空と瑞樹。

 


「そんなに驚かなくてもよくない!! 僕にだって恋人ぐらい過去にいたかもしれないじゃん!」




「隆太にはそんな過去は無くていい!」



「そうよ! 隆太には恋人なんて一生いらないわ!」



「夜空先輩、瑞樹先輩。佐藤先輩が凄く悲しそうな表情してますよ」



 あまりにも悲しそうな様子を見せる佐藤に助け舟を出してあげる美波ちゃん。



「まぁまぁ、そんなことはどうでもいいから私の番始めちゃうわよ」




「そんなこと! 元はといえば生田さんのラブレターうんぬんっていう話しが発端なのに!?」






[生田茜パート]



 放課後。

 屋上に向かうとそこには女子生徒の姿があった。



 黒髪をツインテールにした小柄で可愛らしい女の子だ。

 あんな子が僕の事を好きになってくれるなんて嬉しいな。



「君が僕を呼びだした子かな?」



「ち…違います」



「恥ずかしがらなくていいんだよ、この手紙を僕の机に入れたのは君だよね?」



「え!? す…すいません!」



「どうしたの?」



 あれ? なんだか思っていた展開と違うんだけど。



「その手紙は田中先輩の席に入れるつもりだったんです」



 田中先輩。それは僕の隣の席に座るサッカー部のエースでイケメンな彼のことだろう…



 気がつけばベッドの上にいた。よかった夢だったのか。



 そうして佐藤は夢の世界から恋人も親友もいない現実世界に戻って来たのだった。



「いや、佐藤って実名出てるから! しかも親友も恋人もいないって!」



「この佐藤は同性なだけでフィクションの存在だから大丈夫」



「確かに佐藤って名前は多いけど…?」



「でも…友達も恋人もいないってのはそっくりね」



「余計なお世話だよ! ほら次は最上さんだよ!」



「あー、るなちゃんは寝ちゃいました」



「なんか飽きてきたし…今日の部活は終了でいいだろう」



 部長の一言で今日の文芸部の活動はお開きとなった。


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