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ライバル


 残念ながら…私が北川のことを好きなんだとしょうがなく認めた次の日の朝。



 認めてしまえば余計にアイツのことが気になって、昨日はあのあとまともに喋ることが出来なかった。



 じゃあアイツのことを好きだと自覚した私はこのあとどうすればいいのか…



 普通に付き合おうと言えばいいのかな……でも、なんだか気が重い。



 いざそのシーンを想像すると胸が締め付けられる。

 アイツも私に告白してくれた時はこんな気持ちだったのかな。



 いや…あの男に限ってそんなことはないか。



 恋とは無縁だと思っていた私が1人の男のせいで気持ちをかき乱されているなんて少し前の私は考えもしないだろう。



 でも、意外なことにそんな自分も嫌いではない。







・・・







 どんな偶然なんだろう?



 それは私が中庭で1人寂しくぼっち飯をしている時のことだった。




「あ」



「こんにちは」



 とりあえず目が合ったので挨拶をする。



 私の目の前には、北川と2人で行った猫カフェで遭遇した女の子。

 この子は北川と一緒にいるのをよく見かける子だ。



「こんにちわ」



 そんな彼女は笑顔で挨拶を返してくれる。



 …この子はやっぱり北川のことが好きなのかな?




「あ、そう言えば。生田先輩は隼人のこと好きなんですか?」



 まるで天気でも聞くかのように彼女はとんでもない事を聞いてきた。可愛い顔して恐ろしい事をする。



 でも…まさか彼女も私と同じようなことを思っていたとは…



 …もし彼女が北川の事を好きならそういう思考になるのは当たり前か。

 ましてや私は北川と2人で猫カフェに行っていたわけだし。



「え」



 でも…どうしよう……そんなストレートに聞かれるとは思わなかった…



 なんというか、凄く直球で聞いてくる子だな……私だったら怖くてそんな風に聞けないと思う。



「私は隼人のこと好きですよ。もちろん友達としてじゃなくて異性として」



 私がどう答えるか悩んで間に彼女はさらに言葉を続ける。

 


 そっか、やっぱり彼女もアイツのことが好きなのか。



「そうなんだ」



「だから、もし先輩が隼人のことを好きなら戦線布告しとこうかと思って。生意気言ってすいません。それじゃあ失礼します」



 そう言って頭を下げたあと彼女は走り去っていった。



 そうだよね……アイツのことを好きな女の子はたくさんいる。

 その中でも彼女は北川と距離の近い女の子。



 もう知っている。アイツの周りに女の子が集まっているのを想像して嫌な気持ちになるのは……アイツのことが好きだから…



 今は私のことを好きだと思ってくれているかもしれないけど、その気持ちがいつ他の誰かに向かったとしても不思議ではない。



 そう考えると心が痛い。



 それに堂々と宣言してくれた彼女に私もアイツを好きだと言えなかったのも情けないし……



 私がすでに北川から告白されてるのを彼女が知らないというのも…アイツの告白を受けるつもりの私としては抜け駆けをしたみたいで罪悪感もある。



 出来れば彼女とは会いたくなかった。



 とにかくアイツと会って話しがしたい。会ってこの気持ちを早く伝えたい。

 幸いなことに今日は北川が晩御飯を食べに来る日だ。






 と思っていたんだけど…



 放課後にアイツからロインで今日は来られないと送られてきた。

 なんてタイミングの悪い奴なんだ…



 何だかそのままの気分で家に帰るのも嫌で、近くにあるコンビニに寄ることにした。



 今はなんだか甘いものが食べたい。そう思った私はスイーツコーナーに足を向ける。



 売り場の前で考えること数分、ロールケーキとチーズケーキのどちらを買うかで悩んだけれど、結局チーズケーキを買って帰ることにした。



 セルフレジで会計を済ませてコンビニを後にする。

 最近はコンビニにもセルフレジがあるところが増えてきた。もしかしたらコンビニが無人になる日も近いのかも知れない。



 エレベーターに乗り自宅の前に着くと隣の家に凄く綺麗な人が鍵でドアを開けて入っていくのが見えた。



 だれ…?







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