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炎帝改め『焔』

 炎帝(えんてい)のとの戦いを終えた俺は、現世のことを炎帝に話した。


「ふむ。異世界人じゃったか。それで納得がいったわ。あの馬鹿げた魔力は何じゃ。びっくりしたわ。この世界の人間であの様な魔力を持つことなどそうそう無いわ」

「魔力?俺魔力があるの?」

「何じゃ、分からんのか? 魔法も使っておったであろう。最初にワラワを気絶させたのも、お主の()れを気絶させたのも同じものではないのか」

「あれは魔法じゃないよ。ただの殺気。俺はここに来たばかりで魔法なんかさっきの治癒魔法を見たのが初めてだよ」


 そう、俺が炎帝に当てたのはただの殺気だ。だか、光月家、特に俺の殺気は別格だ。それができる環境で生きてきた。それに炎帝に当てたのは本物の殺気ではない。まだ、光月家の殺気には先がある。使う機会はないだろうが。


 とにかく、魔法なんてものは使った覚えはない。しかし、炎帝が魔力があるというのだからそのうち魔法も使えるようになるのだろう。楽しみだ。


「レンよ。これはワラワからの個人的な礼じゃ。受け取るがいい」


 そう言って炎帝は、銀の装飾が綺麗(きれい)なブレスレットをくれた。真ん中の部分に深紅色(しんくいろ)の石が埋められている。おお。カッコいい。


「それも一応は神器(しんき)の一つじゃ。ワラワの加護みたいなものじゃな。これで火の属性魔法も使えようぞ」

「火の魔法! 本当!? 何かすぐにできる魔法教えてよ」


 ここで異世界でお決まりのチートスキル発動。初級の魔法で森一帯を焼き尽くす爆炎とか。そんな妄想をしながら、俺は炎帝に簡単な火の魔法のレクチャーを受けた。


 教わった通り魔力を込め(知らんけど)呪文を唱える。が、何も起きない。


「センスないのぉ」

 (何でだー! 俺の異世界チートスキルはどうしたー!)


「これ、本当に加護あるの?怪しくない?」

「この無礼ものが! お主のセンスの無さを人のせいにするな!」


 くッ! 俺の人生でセンスが無いなんて言われたのは初めてだ。でも使えないのも事実。とりあえず加護を信じて鍛練(たんれん)あるのみか。


 他人に責任を(なす)り付けようとしたことを反省していたら、目の前で炎帝がもじもじしていた。


「どうかしました?」

「あのーじゃな···。お主にお願いあってのー。そのー、加護を(さず)けた代わりに名を(もら)えぬかと思ってのー」

「えー。効果もないのにー? しかも加護は炎帝様のお礼ではなかったでしたか?」

「えーい、うるさいうるさい。魔法が使えんのはお主のセンスの問題じゃ! ワラワも名が欲しいのじゃ。この姿での名が! 頼むー!」


わがままか! まぁでも炎帝様って名前じゃないもんなぁ。名前くらいいいか。


「嫌な名前だからってセンスがないとか言わないでくださいね」

「分かっとる分かっとる」


うわぁ。めちゃくちゃ期待してるじゃありませんか。しょうがない、ちゃんと考えよう。


「では、炎帝様。今日から炎帝改め、ホムラと名乗ってください」

「ホムラ?」

「俺の世界で炎に(るい)する言葉です。火の加護、炎帝の名に相応(ふさわ)しいかと思うのですが···どうですか?」


 炎帝は少し顔を()せて黙ってしまった。気に入らなかったか? 俺は結構気に入っているんだけどな。なんて思っていたら突然炎帝が飛び()ねた。


「気に入ったー!! ホムラ! 良い、良いぞ! 今日からワラワはホムラじゃ! お主もそう呼ぶが良い! わっはっはっはー!」


 どうやら気に入ったみたいだ。良かった良かった。


 俺は地面に「(ほむら)」と書いて、炎帝に教えてあげた。


「ふむ。焔か。ちなみにコウヅキとはどう書く?」


 今度は地面に「光月」と書いた。


「これも気に入った。ワラワも光月を名乗ろう」

「だめ」

「即答!? 何でじゃー!」

「光月は大事な家名であり、名乗るには光月流を身につけ免許皆伝(めんきょかいでん)した者のみが、光月を名乗ることを許されるのです」

「ようは強いかどうかであろう。ならワラワは問題ないではないか」


 分からんやつだな。あまりにもしつこかったので「その体で一発だけ耐えられたら名乗っていいよ」と挑発したら、「望むところじゃ!」と乗っかってきてしまった。やる前に出来るならちゃんとお腹周(おなかまわ)りを強化するように伝えた。




 10分後


「おぇえええ!」


 焔は光月家の技の一つを受けた。忠告を守りちゃんと強化をしたみたいだ。悶絶(もんぜつ)後ずっとこんな感じで苦しんでいる。


「ど、どうじゃ。耐えてやったわ!」

(いや、()いてるじゃん。)


 その後あまりにしつこかったので条件つきで名乗ることを許した。ここに光月焔が誕生したのだ。まだ条件満たしてないけどな。

【読者の皆様へ感謝】


数ある作品の中からこの小説を読んで頂き、そしてここまで読み進めて下さり本当にありがとうございました。


「面白い」 「続き!」 「まぁ、もう少し読んでもいいかな」


と思って頂けたらぜひ、この作品を推してくださると嬉しいです。


また、「好きな話」があった時は『いいね』を頂けると幸いです。



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これからも「モンツヨ」は毎日更新しながら、しっかり完結させていただきます。引き続き「モンツヨ」を宜しくお願い致します。


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