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漫才 春の七草

作者: 百鬼夜行

ボケ→ボ ツッコミ→ツ


ボ「あのさ、春の七草ってあるだろ」

ツ「あるな」

ボ「あれって全部言える?」

ツ「春の七草とか、それくらい常識だろ」

ボ「じゃあ言ってみて」

ツ「せりなずなごぎょうはこべらほとけのざすずなすずしろ。ほら言えただろ?」

ボ「本当だな、ただ1つ気になったことがある」

ツ「なんだ?」

ボ「この草の名前、他で聞いたことあるか?」

ツ「....確かにな。聞いたことないな」

ボ「ほとけのざとか食べたことあるか?」

ツ「確かに、ほとけのざってなんだよ!クソ、俺たちは騙されてたのか」

ボ「そうなんだよ、俺たちは騙されてたんだ。じゃあ俺が本当の春の七草を教えてやろうか」

ツ「お前知ってんのか?」

ボ「ああ、今朝思いついたんだよ」

ツ「マジかよ、俺に七草を教えてくれ」

ボ「まず、せりなずなだ」

ツ「おい、ちょっと待ってくれ」

ボ「なんだ?」

ツ「せりとなずなじゃねえのかよ」

ボ「じゃあお前せりって聞いたことあんのかよ?」

ツ「確かに、せりっていう草聞いたことねえな」

ボ「だからせりとなずなはセットだ」

ツ「でも待て、なずなも聞いた事ねえぞ、俺なずななんて草食ったことねえよ!」

ボ「そこが間違えてたんだよ」

ツ「間違えてた?」

ボ「そうだ。なずなじゃなくてみずなだったんだ」

ツ「水菜、俺水菜は食ったことある、でもせり水菜って種類聞いた事ねえぞ?」

ボ「そこも間違えだったんだ」

ツ「何?」

ボ「実はせり水菜じゃなくて春水菜だったんだ」

ツ「春水菜!?」

ボ「ほら、春キャベツとか言うだろ」

ツ「確かに、春水菜があってもおかしくねえな」

ボ「多分言い伝えの途中で誰かがミスったんだよ」

ツ「昔は口伝えだったもんな」

ボ「次はごぎょうだ」

ツ「俺、ごぎょうって草も聞いたことねえよ」

ボ「だからごぎょうが間違ってるんだよ」

ツ「ごぎょうじゃねえのか?」

ボ「ごぎょうじゃなくてドジョウだったんだ」

ツ「おいちょっと待てよ、ドジョウって草じゃねえじゃねえか」

ボ「ドジョウって鼻の当たりから何か出てるだろ」

ツ「確かになんか出てるな」

ボ「あれが草なんだよ」

ツ「そんなわけねえだろ。鼻から草だすやつなんか聞いたことねえよ。でもごきょうなんて草あるわけないしな」

ボ「そうだろそうだろ」

ツ「確かに昔って例えとか多いもんな」

ボ「そうそうだから2個目はドジョウだったんだ」

ツ「次ははこべらだな、はこべらももちろん聞いたことないな」

ボ「そうだな」

ツ「実ははこべらじゃなくてガーベラだったんだ」

ボ「おい、ガーベラって食えんのかよ」

ツ「でも草だろ?」

ボ「確かに、七草って言ってんもんな」

ツ「そうだろ」

ボ「それにドジョウより七草っぽいだろ?」

ツ「そうだな、ドジョウが七草なんだからガーベラが七草は全然変じゃないだろ」

ボ「そうだな。ドジョウよりも七草っぽいもんな」

ボ「次はほとけのざだ」

ツ「1番の難関だな。ホトケノザなんて言い間違えしないだろ」

ボ「そうだ。だからこれは言い間違えじゃない」

ツ「言い間違えじゃないんだとしたら一体なんなんだ。ホトケノザなんて草ある訳ないんだし」

ボ「....実はこれは、暗号なんだ」

ツ「暗号、どういうことだ」

ボ「仏の座、つまり仏が座っている所はなんだ」

ツ「鉄」

ボ「そう、鉄だ」

ツ「なんだ、鉄だったんだ」

ボ「だから、ホトケノザじゃなくて鉄」

ツ「理論上は正しいもんな」

ボ「次は、すずなすずしろ」

ツ「おい、これもセットなのか?」

ボ「いや、これはセットじゃない」

ツ「じゃあなんなんだ?」

ボ「これはシリーズなんだ」

ツ「シリーズ!?」

ボ「そう、すずなすずしろって似てるだろ、だからこれはすずなすずしろじゃなくてツナツナコーンだったんだ」

ツ「ツナツナコーン!?確かにシリーズだな、じゃあ春の七草は『春水菜ドジョウガーベラ鉄ツナツナコーン』

おいちょっと待ってくれよ、七草って言いながら6つしか草がないじゃねえか」

ボ「あ、ほんとだ、」

ツ「お前も今気づいたのかよ」

ボ「春水菜で多く使ってしまったからな」

ツ「どうするんだよ」

ボ「お前なんか知ってる草あるか」

ツ「え、キャベツとかかな」

ボ「じゃあ入れよう」

ツ「良いのかよ、そんな簡単に入れても」

ボ「いいよ、ちょうど困ってたところだったし」

ツ「確かに七草って言ってキャベツ入ってないのおかしいしな、じゃあ七草は『春水菜ドジョウガーベラ鉄ツナツナコーンキャベツ』

おいちょっと待てよなんか語呂悪いぞ」

ボ「そうだな。いいこと思いついた。キャベツの後に足せばいいんだ」

ツ「お前天才だな」

ボ「思いついた」

ツ「じゃあ七草を発表していただきましょう」

ボ「七草は『春水菜ドジョウガーベラ鉄ツナツナコーンキャベツ太郎』」

ツ「お、めちゃめちゃ語呂いいじゃねえか」

ボ「語呂いいだろ!」

ツ「後半子供人気もめちゃめちゃあるし、春の七草解読したの多分お前が初めてだぜ」

ボ「あー、なんか歴史の重み感じたな」

ツ「俺も勉強になったわ」

2人「どうもありがとうございました」

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