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第18話 覚悟を決めろ

「夕凪はね、生徒会長の座に興味なんてないの」

「興味が、ない? だったら――」

「ただ、強い人と『論争』がしたいだけなの」

「――それ、前も言っていたよな。どうして、そんなに固執するんだ? 強いやつに」

「……強い人でないと、駄目なの」

「強い人でないと、駄目?」

「だからこそ、言也君に挑むんだよ」


 刃物のような視線が突き刺さる。

 話の意図が掴めない。生徒会長の座に興味がない? でも、僕には挑む? ど、どういうことなんだ? あまりの殺気立った気配に、気圧されながら――僕は一歩、一歩、後退しつつ、


「……だったら、僕じゃ役不足かもしれないな」


 逃げ切れる、かな?


「そんなことないよ。言也君は、あの生徒会長に勝ったんだから」


「そりゃ――どうもっ」


 少しでも隙を作るため、手に持っていた缶を夕凪に投げ付ける。


「水技――水鉄砲」


 ぴゅい。

 拍子抜けするような音。ピストル型に構えた指先から、水の球体が放たれた。茶色の液体を派手に撒き散らし――缶が弾け飛んだ。同時に、焦げた臭いが周囲に漂う。


 ……真後ろ。


 自販機のウィンドウが粉々に、数センチほどの亀裂――黒い煙が周囲に広がる。横たわるよう、転がった缶――どくどくと、液体が地面に流れ出す。否が応にも、自分の未来を連想させた。

 やばい。これは――当たったら、死ぬのでは? 死ぬよね。


「ま、前とさ、ちょっと違わない? ……貫通性が抜群というか」


「範囲を狭めて、鋭利にしてるから。ん、痛いじゃすまないかな」


 まずいことになった。

 後悔先に立たず。せめて、校舎内だったらこの騒ぎを聞き付けて、誰かが駆け付けてくれたかもしれないのに。校舎裏という悪条件――こんな場所、見付かるはずもない。


「『論争』開始しようか。言也君」


 前代未聞の大ピンチだ。

 天音先輩、風宮さん、早速なんですが――生徒会長の座、入れ替わってしまうかもしれません。夕凪に興味がないといっても、負けてしまえば『世界の法則』に従って、必然的に入れ替わってしまう。


 ……この状況を打破する、希望があるとすれば一つ。


 天音先輩と風宮さんは、全力で僕を守ると言ったんだ。もしもの時は、なんとか耐えてくれと言ったんだ。

 そう、僕の『言霊』をもってして。


「……後悔するなよ? 夕凪」


 精一杯の強がりを込めて、僕は口を開いた。


「僕の『言霊』は、結論を導く者――『賛否両論』!」


 できる限り、やってみよう。

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