“大丈夫”
初めての投稿となります。
はじめまして海月絵夢と申します。
もし良ければ暇つぶしに読んでみてくださいな。
突然の電話だった。
「もしもし?」
『あ、もしもし。急にごめんね』
「うん。びっくりした…で、どうした?」
普段なら電話なんて滅多にしてこないやつだった。
だからこそ、出ないといけない気がした。
『んー、これといって用があったわけではないんだけどね〜』
と、ヘラヘラ笑っている。
なんだ、考えすぎたかと思い少し安堵した。
『たださ、声が聞きたくなったんだ。』
「声なんていつも聞いてるだろ?
なんかあったのか…?」
少し心配になってそう聞いてみる
『んーん!“大丈夫”だよ!
あー、そろそろいかないとなぁ〜。楽しかったよ!_________。』
それを聞いた瞬間
鈍い音と悲鳴、電車が通り過ぎていく音が聞こえた。
“大丈夫”
それはあいつの口癖だった。
何かあっても“大丈夫”と笑っていた。
その笑顔の裏まで考えることができなかった。
「なんで…っ!なんでありがとうなんて言うんだよ!なんっ…で、最後に好きとか言うんだよ!
気づいて、あげられなかったのに…。」
楽しかったよ!ありがとう!大好き。
彼女は最後に気持ちを伝え、安らかな気持ちで眠ったのでしょうか。
“大丈夫”と言う言葉に全てを隠した少女
それに気づかなかった少年。
どちらも悪くありませんよね。