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幻想神姫ヴァルキュリア・ミラージュ  作者: 黒陽 光
Chapter-03『BLACK EXECUTER』
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第四章:とある平穏な幕間に/01

 第四章:とある平穏な幕間に



「――――お買い物、ですか?」

 それから暫くが経った、ある穏やかな休日のことだ。

 早朝、休日だというのにいつものように戒斗を起こそうと、朝から戦部家にやって来ていたアンジェにあることを提案され、遥がきょとんと首を傾げていた。

 ちなみに、今の遥はエプロンを着けた格好だ。ダイニング兼用のリビングルーム、そのダイニングテーブルでは眠そうな顔の戒斗がもっさもっさと遥お手製の朝食を食べている辺りから、今がどういう状況なのかは推し量れるだろう。

「うん。これからカイトと一緒に出掛けるから、折角だし遥さんも一緒にどうかなって」

 首を傾げる遥に笑顔で頷き返すアンジェ曰く、そういうことらしい。

 実を言うとアンジェ、これから戒斗と一緒に出掛ける約束をしていたのだ。

 行き先はこの間も一緒に映画を観に行った、ちょっと遠くにあるあの大きなショッピングモール。直後にアンジェが神姫に覚醒する切っ掛けになった事件が起こったから、二人にとってもある意味印象深い思い出のある……そんなショッピングモールが今日の行き先だ。

 それにアンジェは、折角だから遥も一緒にどうかと……そういう提案を朝も早々から彼女に持ちかけていた。故に遥はこんな風にきょとん、と首を傾げているというワケだ。

「そんな、お二人の邪魔になってしまいますし……悪いですよ」

 遥はそう言ってアンジェの提案に遠慮がちな反応を見せるが。しかしアンジェは「ううん、全然悪くないよ?」と言い、

「それに、皆で行った方が楽しいよー。だよね、カイトっ?」

 続けてそう言いながら遥の手を取る……というか半ば彼女の腕に抱きつくような形になりながら、アンジェが遥の顔を下から見上げた。

「まあな」

 とすれば、同意を求められた戒斗もダイニングテーブルで朝食に箸を付けながら頷いていて。こんな風に当事者二人に歓迎されてしまえば……遥としても、縦に頷かない理由は消えていた。

「そうですか……でしたら、お言葉に甘えさせて頂きますね」

 だから遥はコクリと小さく頷いて同行すると告げた後、小さく柔な笑みを眼下のアンジェに向ける。

「やったあ♪ じゃあカイト、行こうよっ!」

「分かった分かった、そう急かすなって……第一、俺はまだ食事中だ」

 遥が付いて来てくれるとなって、アンジェが至極嬉しそうに、満面の笑みではしゃぎ回っていて。そんな彼女に急かされる戒斗はといえば、マイペースに黙々と箸を動かして朝食を食べ続けている。遥も遥でそんな二人の様子を見つめながら、やはり柔に微笑んでいた。

 とにかくそういうことで、今日はこの三人でお買い物ということになったのだった。

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